音楽人生

ルイジアナ州での遠征演奏

昨日は私とデュオをしてくださっているクラリネット奏者の佐々木麻衣子さんと 二人でルイジアナ州のLake Charlesと言う所まで遠征演奏に行ってきました。 Lake Charles出身で会場となる教会に通って育ったフルート奏者の方が もう29年間も毎年6月に4回開いているコンサート・シリーズに出演するためです。 片道2時間半のドライヴ。 でも二人共本当に最近忙しくって 麻衣子さんとは演奏会の企画・運営に関する必要事項のやり取りが主になっていた私たちは この機会にずっとゆっくりお話しを出来ることを楽しみにしていました。 現地でゆっくりするつもりで朝出勤ラッシュが落ち着いてすぐに出発。 おやつも用意して、ドライヴ中の景色は真夏の湿地帯。 うっそうとした緑がでも遠足気分の私たちには愉快です。 お昼はルイジアナで有名なケイジャン料理を食べます。 ガンボと呼ばれるごはんやソーセージや鶏肉を煮込んだ辛いスープや、 衣が辛い魚介類のから揚げ! ルイジアナ州はお食事が美味しい事で有名ですが、 旅情も在って本当に美味しく感じる! それから個人練習、録音機材のセットアップ、フルート奏者も交えたリハーサルと あわただしく本番までの数時間を過ごし、いよいよ本番。 Lake Charlesについてから、人々の警戒心の無い笑顔、ゆったりしたしゃべり方など、 麻衣子さんと感慨深く話し合っていましたが、 演奏後の帰り道で一番話題が盛り上がったのが、聴衆の集中度。 「打てば響く」と言うのが文字通りと言った、本当に素晴らしい聴衆で、 大人が、子供の用に目をキラキラさせて一生懸命私たちのトークや演奏を聴いてくれるのです。 そして、質問を投げかけると、大声で一斉に色々な答えを返してくれる。 ジョークを言えば、どっと笑ってくれる。 私たちもそれに触発されて一生懸命演奏しました。 帰りゆく聴衆に挨拶をしていたら、おじいさんが私たちによってきました。 「私は今年84歳ですが、一生で聞いた中で今夜のが最高の演奏会でした。ありがとう」 …これは、忘れない!思い出の宝物です。 そして佐々木麻衣子さん。 私の同志・助っ人・理解者・相棒・お姉ちゃん・最高のライヴァル。 私はどうしてこんなに素晴らしい人々に囲まれる幸運に恵まれているのか、 本当に感謝しきれません。 ありがとう。 帰宅時にはもうとっくにかぼちゃになっていましたが、 私は本当に幸せな気持ちでした。 明日は日本に向けて出発!

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今日はジゼルを観ます!

確かに色々あります。 明日は博士論文について、書き方指導の教授とのミーティング。 週末の朝に時間を取ってくれた厚意にきちんと答えるべく、準備をしていく! そして火曜日にはルイジアナ州まで日帰り遠征で演奏!練習もバッチリしなきゃ! そして木曜日には日本へ向けて出発! 日本に着いたら連日予定が満載! 21日、22日は連チャンでサロン・コンサート! そして25日はみなとみらい! …でも、私は今日ヒューストンバレーの「ジゼル」を観に行きます! 先週「音楽と知覚」のレクチャーを聴いて、 音楽家としてだけでなく、奏者の視点から具体的な開眼があった。 刺激を受けるのはとっても大事だ。 それに、クララ・シューマンは父の意向で子供の頃から ツアー中でも、演奏会の前の日でも、 オペラやバレーや演奏会や美術館には週に何回も通っていたらしい。 さらにさらに、今度のジゼルは主役も、準主役も日本人! 凄い!誇らしい!応援に行きたい!それにYouTube美しい! と、言う事でジョギングと、お土産買い物と、練習を済ませて、 行ってまいりま~す! とっても楽しみ!

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「音楽=共感」で開眼!大成功!

火曜日の夜に「音楽と知覚」の講義を聴き、 人間と言うのがいかに共感・協力したい動物かと言う事を 神経科学と心理学・社会学の視点から色々説明され、 特に拍を一緒に感じる、と言う事の大切さに感銘を受けた。 一緒に手を叩く、足並みをそろえると言う事をすると、 それだけで私たちの体は生態学的レヴェルでもう「波長が合う」状態になり、 何だかお互いに好感を持ったりするらしい。 昨日は、空港で行き交う旅人たちのために音楽を演奏するアルバイトの日。 これを実践して試してみたところ、驚異的な効果があったのだ! 私がしたことは、いつも弾いているのと同じレパートリーを しかしもう少し拍を意識して、 皆が私の演奏に合わせて体を動かしやすい様に、 声を合わせて歌ったり、手をたたいたりしやすい様に、 本当に微妙に変えただけに違い無い。 ところが!!! 『悲愴』の二楽章の時にチップ箱にチップを入れに来た女性は メロディーをずっと私の演奏に合わせて鼻歌で静かに歌っていた。 子供たちは私たちを凝視して、親が引っ張っても動かなかった。 いつもより数倍の人が足を止め、座り込んで聞いてくれた。 「感動して背筋が寒くなった」とわざわざ言いに来てくれた女性も居た。 いつもより頻繁に、いつもより大きな拍手が何度も起こった。 そして何より! いつもは売れないことの方が多い、 売れても3回の45分のセットで1枚売れるだけのCDが 昨日は3枚も売れた! そしてチップもいつもよりもずっと多く集まった!! 凄い… こ、これは演奏家人生、新しい境地に達してしまったかもしれない! …音楽人生、ばんざ~~~~い!!

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「音楽と知覚」レクチャーシリーズ#1

記録のために聞いたばかりのレクチャーの趣旨をここにまとめます。 今聞いたのは、ケンブリッジ大学のIan Cross:”Music as an Everyday Interaction” 音楽が無い社会と言うのは見つかっていない。 西洋の社会に於いて、音楽と言うのはPresentational。 演奏する人と聴く人がはっきり分かれている。 しかし、世界文化的・そして歴史的に見て、これはむしろ少数派。 社会学的、あるいは脳神経科学的に音楽を検証する時、 (こういう研究が西洋で主にされているため)この演奏タイプの音楽しか検証されていない。 しかし、音楽は共同制作型、つまり奏者と、奏者になり得る見物者、と言う形式も多い。 音楽はどういう社会に於いても、社会的立場が危うくなる時に使われる。 結婚・葬式・自分以外の社会との遭遇・交渉・季節の変わり目、など。 これは、音楽の共体験が、変化によるストレスを軽減し、 コミュニケーションの潤滑油となり、 さらに共体験その物が共感・同情の念をお互いに呼び起こし、 連帯感を醸し出すから。 人間は他の哺乳類に比べてよほど協力したいと言うと言う気持ちが強い。 音楽は、この協力したいと言う気持ちをさらに強める。 同じリズムで歩く、歌う、動く、音を出すと言う行為は お互いへの好意感を高める事が立証されている。 次に聞いたのはトロント大学のMichael Thuat”Neurological Music Therapy – From the Neuroscience of Music Perception to Clinical Translation” 脳溢血やパーキンソン病の患者、自閉症の子供や、脳に損傷を追ってしまった患者さんに 音楽を聞かせることで能力回復の促進が図れることの証明を 神経科学の視点からしている人。 例えばしゃべる能力を失ってしまった人が、歌詞付きで歌をまだ歌える。 言いたい事をメロディーに乗せると言える。 自分の体の動きをコントロールする能力を失ってしまい、 よちよち歩きしか出来なくなってしまったパーキンソン患者さんに、 メトロノームの音を聞かせると、それに合わせて普通に歩ける。 昏睡状態にある患者さんに色々な単語に混ぜて本人の名前を呼んでも反応が無いが、 バックに音楽をかけながら同じことをすると、 自分の名前を呼ばれたときの脳波に大きな反応が見られる、等。 この人の研究の多くはOliver Sachsの「音楽嗜好症」の本に出て来ていて、 私には始めて聞く話しでは無かったけれど、 脳みそに電流が通っている映像とか、 実際の患者さんの音楽セラピーの映像などを見せられると、 やはり涙が出るくらい感動しました。

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『忙しい』対『充実』

健康な食生活と適度な運動と同じくらい、沢山の睡眠を私は信頼している。 その私が、睡眠を多少妥協するくらい、やりたい事が多い。 今のチャレンジはこれを「忙しい」ではなく、「充実」と考え、 ワクワクとそれぞれを一所懸命こなしていくこと。 「忙しい」と「充実」は単純に態度の違いだと思う。 日本に出発するまであと10日を切った。 お土産の買い物もしなければいけない。 車、保険…野暮用はいくらでもある。 日本の演奏会の広報活動や、連絡事項のメールも怠れない。 日本の演奏会の練習もしっかりしておきたい。 しかし発つ前にはまだ14日にルイジアナ州まで遠征演奏があり、 それに伴うリハーサルもある。、 博士論文の進行具合を報告のミーティング(この前はいつもがり勉する)は金曜日。、 明日は最後の空港での演奏アルバイト。 木曜日は教える日。 そしてその上、今ライス大学で進行中の『音楽と脳』のレクチャーシリーズが 毎日5時間。入場無料! 全て出席することは到底むりだが、できるだけ、出来るだけ聞いておきたい! http://www.rice.edu/mindandmusic/schedule.shtml 午後、2時間だけ出席。 マーケティング・ストラテジーとしての「音でブランドする」と言う現象。 ロゴよりもずっと効果的なのが、市場調査ですでに立証されているそう。 そして、自閉症の子供のための即興演奏セラピー。 なぜ即興演奏が音楽セラピーに今まで取り入れられていなかったのか。 相手との交渉や、コミュニケーションや、色々自閉症の人達へのリハビリ効果もあるのに。 そして今は夜の部、7時から9時半までのレクチャーの待ち時間。 ワクワク!充実。 音楽人生万歳!

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