ピアノトーク


久しぶりのエントリーです。ご無沙汰のほど、お許しください。 帰国してから、なんかアナログ生活に逆戻りしてしまいました。移動時間に日本の新緑にぼーっとみとれたり、日本のテレビのCMの不思議さ・可笑しさに見入ったり、本を読んだり、温泉に浸かったり、買う物がはっきりしていないでお店に行って楽しんだり、今までコンピューターの前で過ごしていた時間を忘れるような生活をしばらく送りました。その中で、演奏を始めとする音楽活動や、練習をしており、お陰様で充実した日本での日々を満喫しておりました。 その中でもハイライトはいくつかあるのですが、やはり土曜日の品川きゅりあんでの「『天上の音楽』vs.地上の英雄」の演奏は大きなものでした。そして明日13時半開演で、千葉美浜文化ホールでまた同じ演目を弾かせていただきます。今日は明日に備えて、きゅりあんの自分の演奏の録音を聞き直し、反省会をしました。 前にも似た様な事を書いていますが、自分の演奏を聞くのは録音された自分の声を聞くのと同じくらい、嫌な物です。でも、これは非常に勉強になる事でもあるのです。演奏している時は兎に角アウトプットに集中しなければいけません。だからどのような音楽が醸し出されているか、と言う事は分からない。勿論、何か月も練習している中で色々構想を練り、計画を立て、一番効果的・音楽的な曲作りと言うのを準備しています。でも本番中、アドレナリンが体を駆け巡り、いつもと違うピアノ、ホールの音響の中で、何百人と言うお客様と音楽をシェアする時、出て来る物は練習した物と結局随分変わるのです。 不思議な事があります。人によって演奏が変わるのです。練習の一巻として、良く友達と弾きあいっこ、聴きあいっこをします。一般的に批判的な友達の前ではいつも演奏の弱い所が浮き彫りになります。ちょっとでも不確かなところがボロボロになってしまうのです。でもほめ上手で優しい聴き手の場合は理想に近い形の音楽を創れます。これは本当に面白い。一人の聞き手が何百人と言う聴衆となってもこれは同じです。音楽はやはり、時空の共体験、奏者だけが創るものではないのだ、と再確認します。これは責任転嫁ではなく、私の実感です。でも、どんな聞き手・聴衆でも、出来るだけ理想に近い音楽を創るにはどのように自分のコンディションを持っていったら良いのか、どのように練習・準備をすれば良いのか。ベストを尽くすべく色々工夫するのですが、長年の経験で一番効果的なのは、前の演奏を聞く事です。 […]

順調に日本で活動しています。ー明日は美浜文化ホール!


家族の来訪、リサイタル、卒業式、母の日…イベント続きの日時を満喫した。家族がそれぞれの家へ帰って行ったあと、思いがけずヒューストンのお友達から博士課程取得を祝ってもらったりもした。 週末には野の君とLake Livingston州立公園と言う湖沿いの広大な自然公園を散策したり、サイクリングをしたり、日本語のテレビを見たり、兎に角ひたすら楽しんで、夢の様なときを過ごした。 しかし...「はっ‼‼!」と気がつけば、もう一つ演奏会が一週間半後、日本への出発は2週間後、6月17日の品川きゅりあんは3週間半後、そして千葉美浜文化ホールはきっかり一か月後!が~~~ん。 演奏にはいつも、常に、反省点が付きまとう。5月11日と15日に弾かせて頂いた際も例外ではありません。これからの課題を忘れないうちに、練習再開!にわかに焦って来て、昨日の夜は演目解説を一気に書き上げた。お気づきの点がおありでしたら、お手数ですが、ご一報いただければありがたいです。 […]

「天上の音楽 v.s. 地上の英雄」演目解説!


毎年テーマを持って行ってきた私の夏の帰国リサイタルも、本当にお陰様で17年目を迎えることが出来ました。2016年の「『クラシック』って何⁉」以来幸せな結婚をし、博士課程を取得した節目の今年は、今までの感謝の気持ちを込めて「天上の音楽vs.地上の英雄」と題したプログラムをお届けいたします。 前半の「天上の音楽(別名天球の音楽)」では、「西洋音楽の父」バッハの永遠なる傑作、ゴルトベルグ変奏曲をお届けいたします。協和音が数字の比率を体現していることを発見したのは数学者のピタゴラスです。この事から古代ギリシャでは、音楽と言うのは宇宙や数式など、人間が体感し得ない真理を反映する力のある崇高な物だと考えられていました。「動くものの全てに音がある」と考えた彼らは惑星の公転など宇宙の動きも音を醸し出していると考えました。この「天上の音楽」に共鳴するのが良い音楽、と言う考え方はコペルニクスやガリレオが「実際には天上の音楽は在り得ない」と立証した後でも続きました。ゴルトベルグ変奏曲はバッハが黄金比や数の象徴性、そして神学などを緻密に盛り込んだ、計り知れないほどのこだわりの傑作です。 後半の「地上の英雄」では、社会革命・思想革命・工業革命などを経た19世紀のヨーロッパでピアニストたちが繰り広げたピアノを戦場に見立てたような劇的な曲たちをお届けします。ナポレオンやベートーヴェンがきっかけとなって19世紀にわたり重要となった「英雄像」。後半の一曲目はベートーヴェンがナポレオンに捧げるつもりで書いた交響曲3番「英雄」の最終楽章のテーマを基にした「エロイカ変奏曲」。そして祖国ポーランドの独立革命計画に携わったショパンの「英雄ポロネーズ」。最後にヴィルチュオーゾの王として工業革命を象徴するピアノを毎回制覇し、拍手喝さいを得たリストの「メフィスト・ワルツ」。 対局する音楽の理想を前半と後半にわたり比較検討する2017年の「天上の音楽vs.地上の英雄」。ご一緒にご考察願えれば幸いです。 6月17日(土)品川きゅりあんにて13時開場、13時半開演。makiko0617.peatix.com […]

2017年の演目テーマ「天上の音楽vs.地上の英雄」について