• 盗んだオレンジ

    体験があまりに強烈で、すぐ誰かに言わずには居れない…そう言う気持ちはみんなあると思う。 今朝の私はやる事のリストがたくさんだったけれど、朝食を食べて(ブログに書こう!)と思った。 誰かに言わずには居れなかったのだ。 大抵の朝、私は外に出る。ゆっくり歩きながらストレッチだけの時もあるし、早歩き、軽いジョギングから、結構遠征まで、その日の気分や都合によってマチマチだけれど、まあ主義的に「朝は日光を浴びて、出来れば一汗!」と思っている。 今朝、オレンジの木に出会った。ここら辺は柑橘類に適しているらしい。レモン、ライム、オレンジ、時には金柑まで、色々な庭にあるこれらの木に枝がしなるほどたわわになっている。この木は高い塀の向こうから枝を伸ばして、周りに熟したオレンジがいっぱい落ちていた。勿体ない…普段は(欲しい!)と思っても行動に移したことは無いけれど、この木の主はどうやらオレンジを持て余しているらしいし、早朝でまだ人が回りにいないし、その上「公共道路に伸びている枝になった実は公共」と聞いたことがある。(これって日本の法律ですか?) えいや!と2つ失敬してしまった。 そして、朝ごはんに頂いて、完全にノックアウト! 鮮烈!酸っぱいけれど、味が、なんというか、生きている! なんか栄養が体の隅々に染みわたっていく感じ! 覚醒!   最近、食安全問題について調べていて、リンゴが収穫されてから店頭に並ぶまでに平均11か月と言う話しを聞いた(アメリカの話しです)。老化とか腐敗の過程を遅くするために、放射能を浴びさせるそうな。そうすると、リンゴに元々備わっている、抗酸化性とか、栄養素の90パーセントが失われてしまうらしい。 そういう話しが頭にあったからだろうか、このオレンジがこんなにおいしく感じたのは…?   アメリカに越してきたばかりの頃、家族中で庭の手入れを週末ごとに行っていた。広大な庭にはいろいろ未知なる植物が備わっていて、父がある日、キイチゴを発見。私たちに食べさせようとした。父は木曽育ちで、そういう事に詳しい。「汚い…」と言ってしり込みする私たちを説得しようとした父の一言が「大丈夫だよ、こんなの。蝶のうんことか、セミのおしっこがかかっているくらいだよ!」父の頭の中では「蝶のうんこ」や「セミのおしっこ」と言うのは、魅力的なものだったらしいが、私たち姉妹はそんな父を大笑いして、結局食べずじまいだった。 今の私は「蝶のうんこ」や「セミのおしっこ」をいとおしい、かけがえがない、と思う。そして、そういうものが沢山くっついたものを毎日食べたい(洗いますけど)。どんなに「無農薬」を選んで買っても、成長過程を終え、出荷された生産物が、今度は流通産業に放射線とか、ワックスとか、色々かけられていたら、私たちは何をどうやって食べたらよいのだろう…? 最近、世界的に蝶の数が減少してきている、と言う記事を読んだ。私たちは何をやっているのだろう?

  • 私の妹の送ってくれた小包がちょうどクリスマスイブに届いた。 妹は本当に私の心を暖かくしてくれる名人だ。 「こだわりました!」と言う感じのお餅やあんこ、 そして「あやが好きなの!」と言う感じのお菓子や飴と一緒に スペシャル包装に包まれてきたのが、この本「日日是好日」。 「なんか爽やかな気持ちになれるの~」と言う感想付き。 茶道の本だった。 いや、違うな、これは茶道に反映させた、奥ゆかしい自叙伝だ。 何と言うか、茶道を20何年やっていくことで、だんだんと磨かれてくる感性に素直に感動して、 そして卒業、就活、失恋、などと言った人生のビッグイベントに照らし合わせて どんどんと茶道を心の拠り所にすることを生きる術にしていく様が描かれている。 利休とか、私にはよく分からないお道具の固有名詞とかも出てくることは出てくるけれど、 大事なことは、茶道を通じて筆者の森下典子さんが、五感の全てで世界に向き合うことを学ぶ、 その過程なんだと思う。 そう言う風に一般的にまとめると、私が今書こうとしている本もまったく同じかも。 自分が舞台恐怖症を克服する過程で勝ち得た人生観と自信について書こうとしているのだけれど、 でも、苦しい。私は苦しんでいる。 森下典子さんも、例えばお父さんの急死の事や、結婚を2か月に控えたタイミングでの破談など、 そう言う絶対個人的には苦しい話しを、茶道の話しをするのに必要な逸話の様に書いているのだけれど、 自分の胸をえぐるようなエピソードを詳細を一切割愛して小出しにするとき、 自分の中に残るえぐいダシガラの様なものをどう処理して良いか、分からない。 誰かに分かち合ってほしい。 森下典子さんや、Black Boxの伊東詩織さんや、みんなどうやったんだろう。 どうやって気持ちに片を付けたんだろう。 知りたい。 この本には慰められた。 もう一度最初から、今度は音読してみよう。   あや、ありがとう。  

  • 研究者の方といろいろお話しをする機会を昨夜得た。 研究や、練習に使う時間がもっと欲しい、と二人とも同意した。 学生の時は、研究と練習に際限なく時間が使えると言うことの贅沢が分からなかった。 大人になって実務や社会責任に追われて、時間が惜しい。 もっと研究・練習に没頭する時間が欲しい! そんな話しで盛り上がって、帰宅が夜の8時過ぎ。朝家を出てから12時間以上経っていた。 もちろん、その日の練習はまだゼロ。 急いで機材を設置して、その日の練習のヴィデオを録画始めた。 100日練習録画チャレンジ、19日目である。 題して、「時間がない時の練習法」。 没頭した。楽しかった。たくさん捗った。そして思った。 確かに学生の時は練習に際限なく時間が費やせるけれど、本当にそれが最高の練習状況なのか? 時間がない時の練習は、練習の準備中も、練習後の片付けの後も、頭の中が練習している。 そして、「必要は発明の母」で、限られた時間でいかに効率を上げるか、必死になる。 そして大人になってから自分の専門外の人とも多く交流し、もっと広い世界観の中で自分の音楽を耕せる贅沢を楽しんでいる。 量より質。  

  • 2018年明けまして、おめでとうございます! 2017年は大変お世話になりました。2018年も引き続き、よろしくお願いいたします。2017年は私の人生上いくつかのビッグイベントがありました。一つは博士号取得です。博士課程にかけた7年間と、博士論文「暗譜の起源」の執筆は、私のこれからの音楽人生をさらに豊かにしてくれる、掛けがえの無いものとなりました。 ヒューストンのメソジスト病院に在るCenter for Performing Arts Medicine (舞台芸術医療センター)で、コンサルタントとして音楽の効用に関する研究に関わり始めたのも去年です。 6月にはお蔭様で17年目になる私の日本での独奏会を各地で開かせていただきました。題して「天上の音楽vs。地上の英雄」-前半には天上の音楽(ゴールドベルグ変奏曲)、そして後半にはベートーヴェン、リスト、ショパンによる英雄にまつわる曲の数々。 ハイライトにはもう一つ、US-ジャパン・リーダーシッププログラムに参加させていただいたことがあります。卒業生にはヴァイオリニストの五嶋みどりさんや、オリンピック選手の有森選手、外務大臣の河野太郎さん、オバマ政権・トランプ政権のアドヴァイザー、ジャーナリスト、教育者、有名人、軍事関係の方など、大変なVIPがたくさん居る中、最初はかなりビビりながらも、非常に刺激の多い、人生観の変わる一週間を過ごさせていただきました。 そして秋には、アメリカ大陸を半横断して、大移動・大引っ越しを行いました。博士課程取得・引っ越しと、人生の大きな節目を続けて経て、これからの人生をどのように生きようか、真剣に考える時間に恵まれました。私は、本当にたくさんの方々のご支援と愛情を得て、ここまで音楽人生に精進して歩んで来られました。その過程で得た経験は、私に主流とは少し違った価値観・人生観・音楽観を、与えてくれたと自負しています。 それを、皆さまのお役に立てるのにはどうすればよいのか。試行錯誤は続きますが、とりあえず大きな方向性として、いくつかの事を2017年に始め、2018年で発展させたいと意欲を燃やしています。 一つは、舞台恐怖症を克服する過程で私が勝ち得た信念と人生観について、本を執筆する、と言うことです。もう一つは、音楽サーヴィスの宅配ビジネスを始める、と言うことです。演奏をお届けするだけではなく、音楽に関する講義、イベントにふさわしい音楽デザインのコンサルタント、上がり症に関するカウンセリング、演奏会ツアーガイド(演目解説をより身近に)、など、音楽家と一般聴衆の隔てを減少して、コミュニケーションをしながら音楽を共感するイベントや時空を提供していく、と言うビジネスです。そのために、今インターネット上でとりあえず知名度を上げるべく、色々努力をしています。今年18年目を迎える日本での演奏活動は5月中旬から6月上旬となります。まだ日程に余裕がございます。私が提供できるサービスをHPに並べてみました。どうぞレストランでメニューから選ぶようにお好きなものをお選びになって、お声をかけてみてくださいませ。 音楽博士、御用達! また再会して色々お話できるのを、今から楽しみにしております。 2018年が皆さまにとって良い年でありますように。今年も、よろしくお願いいたします。 平田真希子

  • 2018年明けまして、おめでとうございます! 日本では皆さまいかがお年越・年明けをお過ごしになられましたでしょうか?アメリカではやはり大晦日・お正月はクリスマスにやや押され気味の祝日です。が、素敵なお友達に沢山恵まれて、今年はかなり盛大にお祝いをすることができました。 大晦日は、仕事納め。 午前中に大急ぎで色々仕事をとりあえず一段落させ、野の君と二人でくるくると大掃除をした後、午後半ばから大変お世話になっているお友達の所に二件、お呼ばれをしました。 最初のお宅では私には何年ぶりかのおせち、そして久しぶりで感激のお寿司、さらに本場中華!の餃子、など盛りだくさんのおごちそう(写真)を囲み談笑した後、年越しそばで絞め!2件目は紅白歌合戦を見ながら(アメリカでも見れるんです!)歌う・踊るという賑やかな会で、「細く長いそばではなく、太くで長くてスパイシーなで皆さんの2018年もそのように」年越しカレーうどん!年明けのカウントダウンでみんなで乾杯して、ハグし合って、帰宅は12時半過ぎ。 元旦は5時起き!真っ暗です。 車を30分走らせれば、全くの別世界に到着です。   本当にまるで人里離れたラピュタの世界で、ゆっくり上っても息が切れるかなり急な坂を延々と小一時間上るうちに空が白ばんできます。 そして登頂で日の出! 数時間の山登りなのに、みんなリュックを背負っているのが不思議だったのですが、日が昇ったら理由が判明!御酒におちょこを沢山持参してくださった方。簡易御汁粉や甘酒と、更にそれに注ぐ魔法瓶のお湯を持ってきてくださった方!みんなで乾杯して、そしてごちそうです。大晦日にあんなにお腹いっぱい食べたのに、寝不足のせいでしょうか、甘いのが染みます。美味しい! さらに下山後は、車の中にお稲荷さんやお煮しめ、お豆の煮込み、きんぴらなどをご用意くださった方々にご一緒させていただいて、ピクニックです! そして最後に車をもう少し走らせて、海を見に行きました! 遠くから見た時の水面の、そして砂浜から見た波引きの時の、日光を反射したキラキラが素晴らしい! インスピレーションを受けて、帰ってからの練習染めでドビュッシーの「金魚」に力が入ります。 100日練習ヴィデオも、元旦で15日目です。 年末・年始と、沢山の素晴らしいお友達と楽しく過ごすことができました。今年も頑張るぞ!と気合が入ります。 これからも、よろしくお願いいたします。