音楽人生

スカぴあ壮観!

昨日はスカぴあのメンバー四人と スカぴあオーディション合格者5人(連弾『TAMAMAMA』、と高校生一人、音大生二人)、 合計9人のリハーサルがありました。 音大生の大学生活の話しは本当に面白かった。 音楽大学と言うものは私はアメリカで行ってしまったので、 日本の音大がどんな物か余り知らないのが実情です。 その現実には驚くことも多々在って新鮮です。 スカぴあは色々な大志を抱いて始まったグループです。 ―地域浸透したクラシック音楽 ―横須賀で夢見る人たちと応援し合う関係を築く ―孤立しがちな若いピアニストに共演の楽しさと協力の大切さを体験してもらう。 ピアニストと言うのは、本当に孤立しがちです。 ソロ曲を勉強して育つピアニスト。 ほぼ最初から伴奏と共演して音楽演奏を始める他の楽器とは全く違います。 しかもオーケストラにも加えてもらえず、 特に日本では室内楽を弾く機会も非常に少ない。 小さい練習室に一人で引きこもって、一日何時間、週に何十時間。 社交性にさえかけてくるピアニストも多いのです。 しかも日本では、音楽学校でさえ、公共演奏の機会が非常に少なく、 演奏や共演と言う、音楽をシェアする喜びをほとんど知らずに かなりのレヴェルまで練習のみで成長してしまうのが現状です。 そう言う現実を少しでも変えて行きたいと思った スカぴあメンバーたちが オーディションを始めたのです。 今までは、音大生までの「スカぴあ・ジュニア」の枠しか設けていませんでしたが、アマチュアの方(音楽で生計を立てていないと言う意味です。その中には音大卒業の肩などもいらして、本当に立派に演奏されます。)にも同じような現状があることが判明し、シニアの部門も今年から設けられました。立派に合格されたのは、ママともの「TAMAMA」。素晴らしい演奏をされるデュオ・チームです。もう、スカぴあ・ジュニアと呼べないので「スカぴあ名誉隊員」! 昨日初めて全員の顔合わせでしたが、皆目がきらきらして、 本当に「うまくなりたい!」、「音楽をもっと知りたい!」と言う気持ちが湧き出ていて、 むしろこちらが触発されてしまいました。 音楽で生計を立てるようになると、 音楽と金銭計算が絡まりあってしまって 下手をすると、お金儲けのためのアルバイトで弾く仕事と 本当に音楽にこだわって企画したはずの演奏会が 忙しさの余りごっちゃになってしまったりします。 そんな私を戒めてくれるように、 音楽を志す人たちは本当にまっすぐピアノを弾いてくださいって、 私は姿勢が正しくなる気がしました。 ありがとう。

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ピアニストとして人生と付き合う、と言うこと

一昔前の話しになるが「のだめカンタービレ」。 のだめの異様な生活習慣や言動がコミカルで世界中大人気いなったが、 アレは結構現実に基づいているのかも。 音楽家の中でも特にピアニストは、修行中、一人で過ごす時間が長い。 ソロのレパートリーを中心に練習するし、 音は他の楽器に比べ学ぶ音も曲数もずっとずっと多い。 しかも、他の楽器よりも暗譜で弾くことが必修であることが非常に多い。 プロを目指すには、そしてプロの地位を保つには、物凄い時間を練習に費やすことになる。 かく言う私が一番練習したのは、2001年から2006年だったと思う。 この頃は朝起きて必要最小限のしたくをして、家を飛び出して学校の練習室に向かっていった。 必要最小限のしたくは、本当に必要最小限で、ここでは割愛するが、 まあ「のだめ」を思ってください。 そして夜は本当に10時、11時まで。 途中で伴奏のバイトがあったり、軽食をとったり、勿論するのだが、 窓も無い、グランドピアノがぎりぎり一杯で入っているせま~い練習室で、 壁と楽譜だけを見て過ごすのである。 勿論、廊下では人にすれ違うし、『人』の中には知人・友人も居るが、 そんな毎日を月月火水木金金で過ごし、頭の中は音楽で一杯だし 挨拶もほとんどしないような変人行為をなんとも思わないような、 一昔前の「芸術家」気取りの変人生活を送っていたような気がする。 しかし、演奏活動をしようと思うなら、それではやっていけない。 演奏と言うのは、演奏家一人が居れば良い、と言う者では無いのだ。 企画、運営、広報、集客、経費と収入の管理、そして当日の裏方、受付などの実行。 それぞれ関わってくださっている方々が『楽しい』と言う気持ちでやっていただくためには 私の演奏の質だけでなく、演奏会、そして音楽人生、 そして音楽そのものに対する思い入れに共感してもらえなければいけない。 私はまだまだ、である。 何年も『変人』として生活してしまった私だから、 共同生活、そして演奏会でも何でも共同制作には 人一倍の努力と、心遣いが必要である。 でも、心遣いばかりしていると、今度は練習をする時間が減っていくのである。 そうすると焦燥感が募り、心遣いがどんどん難しくなるし、音色も悪化していく。 この折り合いをつけるのが難しいのは私がまだ未熟だからだろう。 結婚生活を営みながら、さらに子育てや、自分で裏方を引き受けながら 演奏活動を続けている友達も周りに沢山いると言うのに… マキコまだまだ成長の余地あり!

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休養

日本に帰って来てから沢山寝ている。 昨日は夜の8時に就寝してしまった。 時差もあるが、早くに目が覚める。 実家は府中街道に面しているが、まだ交通量が微量に時間に街道に沿って散歩をすると 色々な『日本』が見えてくる。 それぞれの家や店のこだわりが見える。 楽しい。 そして静か。 私は睡眠信望者である。 睡眠を削っても頑張る!と言った青春漫画のような我武者羅の時期も成長期に何年も在ったし、 睡眠を削っても飲む!とか、睡眠を削っても遊ぶ!金儲けをする!と言う人も アメリカでも日本でも沢山知っている。 でも、人生本当に大事なのはなんですか~? 私には、気力と好奇心と健康体と幸福感の実感、 そして周りの人間や状況を好ましく解釈し、愛おしく受け止めるポジティブ思考、 さらに、希望と勇気を保ち続ける楽観性。 そしてそれには、私は睡眠が強力な助っ人なのだ。 夢見るの、大好き! 布団の中で半覚醒のストレッチ、大好き! 意識が朦朧とする中の娯楽的読書、大好き! 夜中にトイレに起きて(ああ、まだ何時間も眠れる~)と思うときの幸せ! 勿論、そう言う贅沢がいつもいつもあるわけじゃない。 いつもいつも無い贅沢だから、満喫しているし、 こうして充電して、また睡眠不足でもしばらくへっちゃら!の元気をつけるのだ。 お母さんも毎日、美味しいお食事を作ってくれる。 菜食主義になった私のために、植物性淡白質を沢山見つけてきてくれる。 「面倒だ」と文句を言いながら、物凄く目ざとい。 そして、嬉しい。 母の愛、家族の愛、祖国の愛、そして睡眠。 マキコ、ただ今、ぬくぬく幸せ一杯、休養中である。

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『スカぴあ』のリハーサル開始!

ブログをお読みいただいている方々はもうご存知とかと思いますが、 私は『スカぴあ』なるモノの、創始メンバーでも、あります。 『スカぴあ』は横須賀(スカ)ゆかりのピアニストのグループの略です。 リーダーの宮川久美さんの提唱で始まった2011年は 兎に角3.11のチャリティーを!と言う事最初集まりましたが、 その後お陰様で毎年恒例となって、今年四年目です。 3人の横須賀出身のピアニストに 唯一横浜出身、しかも在外の私が加わらせていただいているのは、 私の日本での演奏活動を今までずっと応援してくださってきた 『海外で活躍する演奏家を応援する会』が横須賀に本部があるためです。 ソロの部、スカぴあオーディションを勝ち抜いた「スカぴあ名誉隊」の部、 ピアノの連弾:4手(二人)、6手(三人)、8手(四人)の部、 そして2台のピアノによる豪華なグランドフィナーレの部! そして全てに先立つプレ・イベント、毎年大好評の「弾き比べ」。 四人のメンバーが同じ曲を同じピアノで次々と弾きます。 同じピアニストが、同じ曲と音響の中で、これだけ違う音を出し、音世界を作る! と、毎年びっくりしていただきます。 今年の曲は「子犬のワルツ」。 詳しくはスカぴあのHPにて! http://www.sukapia.com/ みなとみらいが終わるまで、私抜きでリハーサルや打ち合わせをしていてくれた皆。 みなとみらいが終わった翌日の昨日、私が加わった最初のリハーサルが始まりました。 みんなとの再会は、特に色々在った今年、本当に感無量です。 一緒に弾き始めると本当に楽しい! みなとみらいで本番前のリハーサル中に音響と最高のピアノに陶酔したのとは又違った わくわくとした楽しさで、笑い声が上がり、思わず声を大きくなります。 皆の目が輝いています。 私も自分で、演奏会翌日の疲れが吹っ飛び、楽しさが満身に溢れてくるのが実感されます。 そしてリハーサルの前後、そして休憩中に交わす雑談。 音楽家として生きることの喜びと困難、音楽の話し、 音楽家で無い人(親や、パートナーなど)にどうやって自分の選択に共感してもらうか、 など、仲間だからこそ実感を持って交わせる話題が飛び交います。 私は、在外で、日本ではコピー機もうまく扱えず、本当にお味噌的な存在で 毎年申し訳なく思っていますが、 一年に一回だけ帰って来る日本でこんなに素晴らしい仲間と 共演して、一つのイベントを創り上げることができることが本当に幸せです。

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みなとみらい終了!ありがとうございました。

昨日の13時半開演で、「ショパンToジャパン」の独奏会をして参りました。 ピアノもホールも良く響き、 (ああ、良いホールで、良いピアノで弾くって、そう言えばこういう感じだった!)と リハーサル中は至福のときでしたが、本番は思わずあがってしまいました。 リハーサル中は問題なかったヒールが、ひざが震えてバランスが取りにくく、 ペダルを踏むのが困難になって、途中で脱いでしまいました。 それでも、ホールがピアノに共鳴するのは本当に気持ちよく 気持ちよさに浸るのと、「あがり」に襲われる、そのせめぎあいで 私の中の葛藤はかなり忙しく、時に音楽がおろそかになったのではないかと危惧しますが、 自分では明らかなミス以外は判断のしようが在りません。 でも、録音聞くのも怖くて本当にいやなんだな~。 でも、そんな中、父がお世話になっている同僚の方のエピソードが私を和ませてくれました。 この方は前半の途中に会場を飛び出してきたそうです。 受付をずっとやってくれていた父(どうもありがとう!)が 「どうしました!?」とお伺いしたところ 「ショパンが良くって血が騒ぐ!花を買いに行って来る!」 と言って、走って行ってしまったそうです。 非常に立派な花束に付けられたカードには 「誠に、実に素晴らしいピアノを聴くことができました。 気づいていましたら日比谷花壇を探していました」 と、書いてありました。 私はこのエピソードはずっと忘れません。 これから一生、心の宝、勇気の素にさせていただきます。 「Beauty is in the eye of the beholder(美は見る人の目の中にある)」 と言う言葉に付いて、考えさせられます。 私はもっと委ねる、と言うこと、託す、と言う気持ち、信頼すると言う姿勢を持たなければ。 一度解き放った音楽は、もう聴き手の物なのです。 私は正直に、一生懸命、ピアノと音響と音楽と聴衆の聴く心を信じて、 ただもうそこにある音楽を解き放ち、音楽世界を広げるのが、 ピアニストとしてのお仕事なのです。 それ以下でも、それ以上、でも無い。 もっと謙虚に成ろう。

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