実は今、NY. 10年以上の旧友が沢山。 街のいたるところに思い出が沢山。 NYとヒューストンは飛行機で三時間。 安いティケットで乗り換えが在ってもまあ5,6時間。 パーティーに行くと、ずっと昔沢山共演した友達に 「え~、NYはしょっちゅう来るの?来月コンサートがあるんだけど、一緒に弾かない!?」 とか、すごく、凄く嬉しいことを言ってもらえたりする。 対してヒューストンは5年目。 新しくてわくわくする友情が沢山芽生え始めている。 そしてNYやLAの平均家賃の半分以下で10倍のスペース、 プラス固有のトイレと風呂、そして洗濯機付きのヴェランダが借りられる。 ヒューストンの経済はアメリカ全土の経済からは独立して、石油で非常に潤っている。 芸術に対する関心お金も沢山。 南部の劣等感もあるのか、特に西洋音楽に対する関心は意外に高いように思える。 生徒を公募していなくても、 ライス大学で博士課程を始めた最初の年から教えて欲しいと個人レッスンの問い合わせがあった。 NYはアメリカ大陸ではヨーロッパ側だから、ヨーロッパ文化に近いし、そう言う誇りもある。 クラシック音楽のマネージメントの約90パーセントがNYにあるそうだ。 そのせいもあるのだろうか? 若手の多くがNYに集中している。 そこに居ないと、遅れをとるかのような錯覚を覚える。 しかし。 あまりの競争率の激しさに、ちょっとしたアルバイトでもゲットするのが大変だったり。 何か興行の企画を立ち上げても、演奏会も文化企画もありすぎて、 地域へのインパクトが少なく、自己満足で、赤字で終わる場合が多い。 でも、だから良い物が際立ってくるし、 そこで生き延びることを目標に皆がしのぎを削って頑張る。 対してヒューストンは文化都市としてはまだ若く、知名度も少なく、 従ってそう言う芸術家や文化イベントの密集率が低い。 何かをやれば有難がってもらえる割合が高いし、 直コミュニティー還元に繋がる。 資金集めもNYやLAのような、ちょっと文化食傷気味の都市よりもし易いし、 インパクトも与えやすい。 しかも、ヒューストン・シンフォニー、ヒューストン・バレー、ヒューストン・グランド・オペラを始め、 美術館、博物館、現代音楽シリーズ、など、刺激は求めれば必ずある。 競争率が低い分、プレッシャーでコチコチになること無く、自由に自己表現ができる。 どっちも大変魅力的。 私はまだどちらかと言うとNYびいきなのだが、 それはただ単にNYの方が年数が長く、従って十年来の友達が多く、 しかも今現在住んでいないから美化している、と言う事もあるかも知れない。 ヒューストンはまだ5年目。 呼んでもらえる時はちょっと無理してもNYに行って、 今あるコネや機会を大切に育て続け、 ヒューストンで新しい根っこを育て続ける。 取りあえず、そう言う感じ、ですか?