音楽史

ルネッサンス音楽の試験

今日はルネッサンス音楽の試験があります。カヴァーしているのは1450年から1550年くらいですが、この時代は印刷機の発明、宗教改革、貴族の権利・財産の拡張に伴う芸術・文化へのスポンサーの始まり(メディチや、ハプスブルグ王朝、スペイン、イタリア、などなど)で音楽史に置いても激動の時期で、大変です。面白いけれど。ちなみに日本での布教活動がこの時期に始まったのは、宗教改革でカトリックが落ち目になって、信者の数を布教で増やそう!と言う努力の結果です。同じ理由で、アジアのほかの地域やアメリカ大陸での布教も同じ頃に始まっています。 勉強に没頭していると生活の現実味が薄れます。 ここ5日ほど集中して試験勉強をしていましたが、昨日クラスメートと一緒に勉強会をやりました。 ずっと一人で勉強していた内容を声に出して話し合うと言うのはとても新鮮! そして、ちょっと凄く楽しい! 絶対にこのクラスを取っていない人には通じないジョークなどが飛び交います。 そして勉強してきた事が話し合うことによって固形化する、と言うか、はっきりと形になってきます。 勉強会の前よりもずっと楽しい気持ちで、今日は試験に臨めます。 勉強会、万歳!友情、万歳!

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天正遣欧少年使節、1582-1600

今週末の大きなプロジェクトはルネッサンス音楽のクラスのためのリサーチ・トピックを見つけること。 このクラスでは一つの(3000語、約12ページ)リサーチペーパーを書くことになっている。 博士論文の練習とも言えるプロジェクトで、私は学会で発表できるくらいのレヴェルの物をという野心を持っているので、結構本気です。 私がリサーチャーとして貢献できるのは三つの点において、です。 1.英語と日本語のバイリンガルであること 2.楽譜が楽に読め、西洋音楽史の一般的知識がある。 3.研究発表の段階で、音楽的なデモンストレーションを鍵盤楽器において簡単に出来る。 と、言うことでリサーチ・トピックを探していたら、天正遣欧少年使節に当たりました。 彼らは1582年から1590年までポルトガル、スペイン、そしてイタリアに使節として九州から送られた4人の1十代の少年たちです。ポルトガル人のイエズス会の宣教師によって提案された使節団は、ローマ教王やスペイン・ポルトガルの両王と会い、日本への経済的、そして宣教的支援を要請するため、またヨーロッパでの見聞を持って日本に帰り、ヨーロッパ文化とキリスト教を日本に広めるために送られました。日本に持って帰ってきた物の中には海図やグーテンベルグ印刷機のほか、西洋楽器があり、豊臣秀吉の前でジョスカン・デ・プレ(1440-1521)の曲を演奏したそうです。 ヨーロッパ文化の中でその頃まだ新しい発明であった印刷機や海図などに並んで、音楽が日本に持ち帰る必要のある程大事だ、と彼らに思わせたのはなんだったのか。彼らはどうやってかなり高度なジョスカン・デ・プレの曲を御前演奏できるレヴェルまで習得したのか。なぜ、すでにこの頃死んでいたジョスカンの曲なのか。この音楽は日本ではどう受け止められたのか? 問題は、この使節団に関する資料の中に音楽に焦点を当てている物が無いと言うこと、そして資料の多くが日本語でのみしか入手できず、私の教授にチェックできないことなどから、このトピックが拒絶されてしまうかも知れない、と言うことです。でも私はこのトピックについてとても興奮していて、意欲満々なので、通るといいなあ、と思っています。

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ルネッサンス音楽の試験勉強

この2日間で、私は多分合計8時間くらいしか寝ていない。 普段は一日8時間以上はしっかり寝ている私が、である。 試験勉強と言うのは必要悪だ。 お尻に火がつかなくちゃ、頑張れない。そして私は頑張った。 下は、私が記憶した作曲家の生死年である。 Machaut (1300-1377), Landini (1325―1397), Ciconia (1335-1411), Leonel Power ( ????-1445), Dunstable (1380-1453), Dufay (1397-1474), Binchoy (1400-1460), Ockeghem (1410-1497), Jasquin des Prez (1440-1521) 試験が終わって素手に5時間経っているのに、私はしっかりこれらの番号を記憶している。人間の記憶力にびっくりである。その他、モテット、Ars Nova, Trecento, Mensural notation, Sings of Mensuration, Isorhythm (talea, color), Mass de Notre Dame, Nuper rosarum flores, これらの定義、音楽史上の重要性、などなど一週間前には答えられなかったことが答えられる。凄い! そして私は腰を上げるのは重いけれど、必死で頑張るのは結構好きなのである。 それに勉強は確かに面白い。 例えば上記の中世末期からルネッサンス中期までの代表的な作曲家の生死年。 良く見てみると、戦争や伝染病や貧困がはびこっていたはずのこの時代に、 皆たいそうな長生きなのである。 これには色々理由が考えられる。 一つは、この時代の作曲家と言うのは伝記的な情報が少ない。 これらの年数は結構適当な場合が多い。 分からないから、長めに設定しておくのかも知れない。

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