教える

教え子の・発表会で・緊張し

生まれて初めて、自分の教え子を3人発表会に出演させた。 結構緊張するものである。 最近大変お世話になっている楽器屋さんであった発表会に便乗させていただいたのだが、 楽しい企画で皆で持ち寄りの立食パーティーが演奏会後にあり、 生徒たちも皆それぞれ精一杯おめかしして、中々素晴らしい会になった。 感慨深かったのは初心者の大人の参加者が多かったこと。 ハ長調とニ長調のスケールだけを何回か片手づつ披露し、 その後エリーゼのために最初の部分だけをなんどか繰り返したが続かず、 ステージの上で挫折してしょんぼりとしていた男性に声をかけたらば、 自分は石油発掘の現場で2年前に爆発事故を経験し、 以後、それまでして見たかった事全てに積極的にチャレンジすることを決めた結果の ピアノ・レッスンと発表会だ、と言う。 そんな中、私の生徒ちゃんたち3人は本当に頑張った。 普段以上の演奏をして私をびっくりさせた、いつもは内気なSちゃん。 普段の素晴らしい音楽性が半分くらいしか、緊張のため出せなかったけれど、 しかし素晴らしいえんそうをしたAちゃん。 そしてとてもシャイでどうなるかと心配していたけれど立派に弾ききったFちゃん。 自分の生徒は身を乗り出して汗を手に握る感じで聴いてしまう。 私の子供のころの自分の発表会を思い出した。 母も、先生も、頑張ってくれたのだ、と今になって良く分かる。 ありがとうございます。

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朝8時から夕方6時まで教えて。

教えるのは、楽しみだ。 子供ってリアクションが本当に面白い。 4歳の時から教えているF君は、先週風邪でレッスンをお休みした。 治って出てきたと思ったら、今日はお兄ちゃんのA君が風邪でレッスンをお休みとか。 元気にレッスンを始めたのだけれど、途中からふにゃふにゃ泣き始めた。 もう6歳になったF君だけど、泣くのを見たのは初めてである。 「どうしたのかな~」 できるだけ、ゆったりと聞いてみた。 すると 「お家に帰りたい」 と言って泣いているのである。 良く聞いてみると、5日間学校をお休みして、今日初めて登校して、 風邪でお休みのお兄ちゃんが心配だし、なにしろママが恋しいのだそうだ。 しゃくりあげて泣いている。 う~ん、面白い。 いつも嘘をつく子がいる。 練習できなかった理由のウソ。 楽譜を忘れた理由のウソ。 まだ8歳だから、ちょっと尋問すれば嘘か本当かすぐわかる。 この子は実に楽譜を持ってくるのはレッスン4回に一回くらいの確率。 まあ、親にも問題があると思うけれど。 ところが、全く練習しないと思われるこの子が、 教えたことはすべて見事に覚えているのだ。 夏休み2か月を挟んでもなんのその。 リズムの数え方、音符の読み方、拍子のとり方。 するすると理解も記憶もずば抜けている。 どう言うことなんだ。 物凄い美人もいる。 まだ9歳だけれど、信じられない目の大きさ、まつげの長さ。 髪のカールも完璧。 何だかいつもぶかぶかの服をだらしなく着ているのだけれど、 それまで意図的にファッションとしてしているように見えてくる。 この子、自分がどれだけの美人か全く気が付いていない。 そして、ピアノの飲み込みを見ていると、かなり頭が良いのである。 内気で、社交的とはお世辞にも言えない。 いつも夢見がちで、自分の想像の世界で楽しんでいる感じ。 その容貌が、彼女の夢と野望の妨げにならないことをただ、ただ祈るのみである。 そうやって、木曜日は朝の8時から夜の6時までほぼぶっ続けで教える。 楽しいから、気にならない。 お家に帰っても元気いっぱいで(さあ、今から論文のリサーチでも)と思う勢い。 でも、一旦夕飯を準備して、パジャマに着替えて、コンピューターを開くともうだめ。 どっと出てきたリラックス感と言うか達成感と言うか、要するに疲労で、 もう放心状態である。 でも、「じゃあブログは書けるけれど、論文は書けないのですか」と言われると、 ちょっと言葉に詰まるのだけれど。。。 そう言えば、アマチュアピアニストコンクールの優勝者にはお医者さんとかがいるとか。 一日働いて、帰ってきて子供と夕食をとり、 子供が就寝した後3時間毎晩練習するのだそうだ。 おおおお。私も頑張らねば。

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教える日

木曜日は朝から教えている。 幼稚園から高校3年までエレヴェーター式のある国際学校でピアノのレッスンをするのだ。 すごい経歴の知り合いのピアニストは その性転換手術を伴う人生の紆余曲折の中、 一時演奏の機会をかなり失った時期があった。 「私は幼稚園児を教えるためにジュリアードに行ったのか? レパートリーに持っている100幾つの協奏曲を誰も一つも欲しがらない」 と号泣されたことがあった。 もう10年以上昔になるが。 まあ、そういう風にも考えられる。 でも、私、実は結構楽しいのである。 ト音記号の書き方から道化の朝の歌を弾きこなすまで、 プライヴェートの生徒さんを含めると私の生徒のレヴェルは本当にまちまちだが、 その一人ひとりがすごく個性的。 そしてそれぞれの個性に合わせてピアノの技術や音楽への心構えなどを伝授しようと工夫する 自分の言葉や言い回しに昔自分が先生におっしゃっていただいたことを思い出したり、 新しい考え方の発見をしたり。 歴史上、演奏だけで食べていけた器楽奏者と言うのは本当に少ない。 ショパンもモーツァルトもベートーヴェンさえ、生徒が結構たくさん居た。 クレメンティやチェルニーやクレーマーに至っては 楽器販売、楽譜の出版業、教則本の執筆など様々なことを手掛けている。 それに、教えるということも、音楽をシェアする一つの手段である。 練習と演奏だけの音楽人生より、幅が出て楽しい。 朝の8時にレッスンスタート! 行ってまいります。

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生徒さんに教えられること

私は本当に素晴らしい生徒さんに恵まれている。 子供の生徒さんもそうだが、 年齢の近い、日本人女性の生徒さんたちには本当に襟元を正す想いすることがある。 それぞれ、ご結婚なさっていらしたり、キャリア・ウーマンでいらしたり、 お子様がいらしたり、アメリカ生活での挑戦を抱えていらしたりしている。 そのみんながそれぞれ私に心にしみる心遣いをしてくださるのである。 メールの文面、小切手の美しい書体、小さな励ましのメール。 「練習のため」と練習以外の余裕のすべてを一時割愛して なりふり構わず生きてきた時期を過去に持つ身としては、 ご自分の生活をきちんとこなされ、その上ちゃんと練習までされて そして私への心遣いをしてくださる生徒さんには本当に感動する。 昨日は手作りの水羊羹を頂いてしまった。 本当に美味しい! 元気をもらいました。 私もこれからバランスを求めて、さらに頑張ります。

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ピアノを弾くのは、簡単なんだ!!

子供のころ、私は挑戦精神が旺盛な子供だった。 「すごく難しい」とされることを出来るようになりたい。 ピアノの練習を頑張ったのはそう言うモチベーションもあったのかも。 でも最近、才能のある生徒さんをたくさん教えさせていただいていてつくづく思う。 教師の仕事と言うのは、 どうやったらより簡単に、より効果的に弾けるか、教えることだな~、と。 何時間も練習しても不可能に思えるくらい難しい曲やパッセージがあったら 何かが間違っている。 指、手首、腕、肩、上半身、座り方、重心、を効果的に使えているか。 考え方は理に叶っているか。 テンポは正しいか?(遅すぎて難しいと言う場合もしばしある) 正しい歌い方をしているか。 最終的には「作曲家の書き方が悪い!」とか 「間違っていたのは選曲でした!!」と言う結論に落ち着くかもしれない。 でも、つくづくこの頃思うのだ。 マゾのような長時間のがまんの練習は本当に不毛。 超絶技巧を身に着けるために運動神経を特訓するような練習にだって 作戦と、理性と、適正を応用しなければ。 盲目的にただ単に練習量をこなして何とかしようと頑張るピアニストがいかに多いか。 私もそういうピアニストの一人だったから良く分かるけど、 でも練習はすればするほど良いものじゃない。 効率の良い練習、そして効率の良い奏法、音楽づくりを身に付けよう! そして適当な練習をしつつ、豊かな人生を送るタイム・マネージメントの技術も。 豊かな人生の方が絶対最終的に良い音楽づくりにつながる、と言うのが この頃の私の信念になりつつある。

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