今週末はこのオケ曲のハーモニアムパート担当です。
ハーモニアムと言うのはペダルオルガンの事です。
アコーディオンとパイプオルガンの中間と思ってください。
小学校の教室に置いてあるペダルオルガンの豪華版です。
ストラウス、マーラーなど19世紀末、20世紀初頭の作曲家は好んで使います。
昔はペダルで空気を楽器に送り込み、それで音量を調節することもできたのですが、
今は大抵のハーモニアムは電気で空気を送り込んでいるため
微妙な音量のコントロールはしにくくなりました。
奏者の運動量は減りますが。
膝を開いたり閉じたりすることでコントロールする「ニー(Knee)ペダル」があり
右のニーペダルは音量、左のニーペダルはオクターブを足したり引いたりするのに使いますが、
私が今回弾いているハーモニアムは右のニーペダルが馬鹿になっています。
ピアノに比べると、実に非音楽的な鍵盤楽器だ…
でも、オケと弾くのは楽しいです。
ソロでも、オケの一パートでも、息と気持ちを一つにしてハモると言うのは音楽人生の醍醐味。
今回一緒に弾くオケはヒューストンでも重鎮。
今年10周年記念を迎えるリヴァ―オークス室内楽団。
このオケはユニークな理想を掲げた演奏活動を行っており、
その為に色々表彰されたり、メディアで取り上げられたりもしています。
例えば、聴衆との距離を縮めるため、
毎回演奏会の度に抽選で四名の人が最初の曲だけ、壇上でオケ奏者に交じって聞きます。
それから、地域のボーイスカウトや、日曜学校など、子供のためのグループを招待して、
演奏会全部ではなく、2曲くらい20分だけホールで聴く「演奏会初体験」もやります。
子供たちの入場は会場全体にアナウンスされ、
壇上の奏者も聴衆も一緒になって拍手で迎えます。
また、健康上の理由から会場に足を運べないご高齢の方々のために
地域の介護施設と提携して、演奏会の録画がダウンロードで観れるようになっています。
また奏者同志の関係も良くするためにも、色々な試みがされています。
例えば、午前と午後のリハーサルの間の一時間に豪華のお昼がケータリングされます。
皆、テーブルクロスのかかったテーブルで座ってお昼をいただきながら歓談します。
それから一つのプログラムのリハーサル・演奏中に必ず一回は
誰かのお家でピザパーティーが開かれます。
オケの鍵盤パートと言うのはあまり多くありません。
だからいつもエキストラ状態なのですが、
それでも私がリハーサルのために会場入りすると、
色々な人が笑顔で手を振って、迎えてくれます。
仲間、そして同志です。
さあ、リハーサルに行く準備をするぞ!
行ってまいります。