チャイコフスキーの「四季」

12月の20日と31日に演奏の機会があります。 選曲に思いあぐねて、考え付いたのがこの作曲家。   ピョートル・イリッヒ・チャイコフスキー(1840-1893)。               アメリカでは特に最近、イスラム教・ユダヤ教・無宗教など他宗教文化を重んじて 「メリークリスマス!」ではなく「ハッピーホリデーズ!」と季節の挨拶を交わします。 が、それでも変わらない年末の風物詩はこちら。 「くるみ割り人形」の作曲家チャイコフスキーのピアノ曲は数少ないのですが「四季」と言う曲集が在るんです。 1876年に作曲されたこの作品集。月間音楽雑誌にそれぞれの月に相応しいタイトルと詩の抜粋を編集者が選び、それにチャイコフスキーが曲を付けると言うプロジェクトでした。 年の暮れに弾くと、一年を振り返って色々思い出せて良いかな~。私は抜粋で5か月分を弾きます。 詩がある曲と言うのも弾いていて、想像を刺激されてなかなか楽しいです。 下に、私が弾く抜粋した曲のタイトルと詩を載せます。 オンラインで「チャイコフスキー、四季、詩」と検索すると色々出てきますがばらつきがあるので 私が一番主流の英訳を邦訳してみました。 カッコ内は詩人です。 一月。「暖炉のそばで」 安心と至福の小さな片隅 / 黄昏で着飾る夕刻 / 暖炉では小さな火が虫の息 / ろうそくの灯はもう消えた (プーシキン) 二月。「謝肉祭」 賑やかなお祭り / もりだくさんのご馳走がお出ましになるぞ (ヴャゼムスキー) 六月。「舟歌」 岸に行こう / 波が僕たちの足を / 不思議な悲しみを込めてキスをする / 星が僕たちに光を注ぐ (プレシチェーエフ) 十一月。「トロイカ(ロシアの3頭立ての馬車・馬ぞり)」 寂しいからと言って道を見たり / トロイカの後を追いかけたりしちゃだめだ / 切望を恐れる心なんて圧し潰せ (ネクラソフ) 一二月。「クリスマス週間」 あるクリスマスの夜、少女たちは占った / 靴を脱いで門の外に投げて (ジュコーフスキー) 聴衆の皆さまにそれぞれの思い出にふけっていただこうと企画した演目ですが、練習しながら自分がふけっています。

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