う~ん。
論文を書くと言うのは、なかなか苦しい。
リサーチはどんどん面白くなっているのです。
一般的に暗譜での演奏を始めたのは
クララ・シューマン(1819-96)とリスト (1811-86)と言う事になっていますが、
実は1800年くらいを境目に、ピアニストはどんどん暗譜で演奏していたらしい。
それに、モーツァルトなんかも楽譜に起こす時間が無くて、
スケッチのような物をチョコチョコット書いた五線譜から演奏したりもしたそうです。
しかも、クララは11歳でのデビュー以来ずっと暗譜で弾いていたにも関わらず
なぜか1837年にベルリンでベートーヴェンの「熱情」のソナタを暗譜で演奏した、という史実が
良く暗譜での演奏の最初の例として引き合いに出されるのです。
なぜか。
一つにはベートーヴェンがいかに偉大な歴史的象徴だったか、と言うことがあります。
ベートーヴェンは音楽を
娯楽や宗教音楽、貴族のBGMと言った社会的役割を果たす物から
「自己」を表現する芸術へ、と押し上げ、
必ずしもいつも心地よくなくとも、啓蒙主義的な主張のある音楽を書いた作曲家とされています。
彼が難聴(そして最終的には全く聞こえなくなるのですが)を克服して書き続けたと言う事実も
彼を啓蒙主義の神様のような存在に押し上げたのでしょう。
その彼の、時には苦しい、難解な音楽を暗譜で弾く!
これが大事みたいです。
ツェルニーとか、メンデルスゾーンとかモシュレスとか、
クララとかリストよりずっと前に暗譜で演奏していた人も皆
「ベートーヴェンのソナタ全曲」とか「ベートーヴェンの交響曲を楽譜なしでピアノで」とか
兎に角最初の暗譜の記録はいつも「ベートーヴェン」なのです。
もう一つにはクララが女性であった、と言う事実。
モーツァルトの時代には作曲家が自作自演をする、と言うのが普通でした。
ところがクララの時代になると、作曲しないピアニスト、演奏しない作曲家と言うのが出てきます。
そして、作曲しないピアニストは同時代の作曲家だけでなく、
すでに過去の偉大な作曲家の作品を演奏し始めるのです。
こう言うピアニストの多くは女性でした。
なぜか。
女性には「創造力」が無い、と思われていたからです。
例えばこのちょっと前の時代までは楽譜があっても
記譜されている音に装飾音を付けたり、簡単なパッセージを挿入したり、
時にはセクションをリピートして変奏曲にしたり、そう言うことが当たり前でした。
ところが作曲家が偶像化され、
すでに亡き偉大な作曲家の歴史的な曲が崇拝されるにつれて
演奏者が楽譜に手を加えるのは恐れ多い、と言う風になってきます。
この時に作曲家は「主」の立場なのに対して演奏者の配置は「従」の立場。
そしてCreateは男にしか出来なくても、Re-createは女にも出来るんです。
面白い…
しかし、今はかいつまんで書きましたが、これには実に複雑な歴史背景があり、
このすべてをどうやってまとめたら良いのか。
書いては消し、書いては消し、
そしてリサーチを続け,ますます議題が複雑に成り…
ウオおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~!!!!
これは大変です。
本当に大変です。
マキコ、チャレンジ!
いきなりごめんなさい!素敵なブログ探ししていました♡素敵な記事に出会えてとっても嬉しい気持ちになっています(*^_^*)これからもよろしくお願いします。アメンバー申請させていただいてよろしいですか?☆彡
>洋子☆主婦の貧乏脱出物語☆さん
コメント、ありがとうございます。勿論いつでも亜メンバー申請いただければ光栄です。
また遊びに来て下さい。
マキコ
こんにちは!日本のブログ巡りしていたらたどり着きました!人のブログを見ると考えさせられます!!とっても参考になります!次の記事も楽しみにしてます♪でわでわ!これからも更新頑張って下さい!失礼致します!