受験勉強している間は本当に練習しなかった。
こんなに練習しなかったのは実に二十歳の時、1ヶ月位入院していた時以来です。
それでも試験の3週間くらいまでは一日1時間くらいは弾くようにしていた。
それが一日置きになって、二日置きになって…
この頃です。本当に弾くと言う行為が恋しくて、恋しくて。
久しぶりにピアノにたどり着くときは、本当に一音一音、一和音、一和音が愛おしい!
そうやって、うっとり弾いていると、なんか新しい音楽の境地に達したようで
(エ!?私って勉強している間になんか上手くなった!?)とまで思ってしまいます。
試験が終わって、演奏会に行く度に大感激です。
ブラームスって素晴らしい!
4番を聞きました。
本当に、なんて美しいのでしょう!
それに、学校のオケだったのですが、演奏している皆が本当にいい顔!
私が聴音のクラスで受け持った、学部三年生のチェリスト。
苦学生なのか、いつ見てもステマネのアルバイトを物言わず黙々とこなしている子が
もう、ピカピカの笑顔で目をきらきらさせています。
弦楽器が、あわせるためにお互い目線を交わせるとき、皆嬉しそうに微笑みあっています。
そして、金曜日の演奏は特別良かったのです。
私が演奏を聞くことに飢えていた、ということを差し引いても良かったのです。
それが証拠に、演奏後、観客からの拍手を受けている間、オケのメンバーがハグし合い始めました。
もう、私は感涙ものです。
そして、ショパンと言うのは、何と美しい音楽を書くことでしょう!
音楽理論の試験の時、分析するために試験の24時間前に渡された楽譜は
作品62-1のショパンのノクターンでした。
ピアノ禁断症状の私は、本当にこの楽譜を読みながら、分析を忘れてうっとりしてしまい、
筆記試験が終了した直後にピアノに向かってこの楽譜を弾き始めました。
子供の時は、その単刀直入な感情表現に、
バッハやベートーヴェンに比べて少し馬鹿にしていた自分がおろかに思えます。
ショパンは、凄い!
試験が終わったと思ったら、突然秋めいて、毎日風が気持ち良い!
そして、雨が降っても、雨の音が心地よい!
私は試験から開放されて、人生をただ今、満喫しています。