昨日は久しぶりにオーケストラのリハーサルを聞きに行った。
指揮をかじったことも在るので、オケのリハーサルは一時期はかなりの頻度で通っていたが、
それを辞めた理由の一つは指揮者と奏者の関係と言うのが見ててつらかったと言うのもある。
この映画予告編は一年ほど前にブログに載せた記憶があるが、もう一度載せてみよう。
勿論、これはジャズバンドの話しだし、フィクションだし、映画だし、
これがこのままクラシックのオケ業界に当てはまると言っている訳ではないけれど、
でも指揮者が奏者に対して持つ権威、そしてだから起こり得るパワハラと言うのは
かなり切実な問題だと思っている。
昨日見た指揮者は有名で、非常に効果的。
特に大学生レヴェルのオケを教育指導するのに一目置かれている。
しかし彼は昨日はかなり焦っていた。
コンサートまであと2回しかリハーサルが無いのに、
オケのモラルが落ちている。
実力の半分出ているか。
感謝祭とクリスマスの間の宙ぶらりんの時期。
学期の最終ダッシュ―期末試験、ペーパー提出、休暇の計画…
オケの団員は青春真っ只中の学生なのである。
オケが必ずしも人生の最大重要事項ではない。
恋愛問題に悩む子も多いだろう。
家庭が複雑な子も居るだろう。
将来に悩む子は、ほとんどだろう。
そういう80人を2時間半、こちらに向かせて精一杯集中させるのだ。
そして自分の人生がかかって居るかのようにベストを尽くさせる。
並大抵の事ではない。
脅しや威嚇や皮肉が出るのも、分からないでもない。
厳しい道を選んだ音楽家の卵たち。
これから彼らが直面するであろう困難への訓練、と思えば愛情でもあり得るのかも。
でも、どこまでが愛情でどこからがパワハラなのか。
厳しい競争社会の中、セクハラ、パワハラが歴史的に横行する狭き門の業界への準備期間中
本当はこうあるべき理想郷、お互いへの尊重や応援を全面に押し出す教育と言うのも
良いのではないか?