月曜日:本番6日前。
ホールでピアノ選びと音響チェック。
久しぶりにフルコンで音響の素晴らしいリサイタルホールで弾くと、
練習室とは全然違う。驚愕。
この音響を自分の味方につけて、上手く共鳴するぞ~!!
夜は前半の演目解説を執筆。
疲労気味の右腕と肩に湿布。
火曜日:本番5日前。
朝は前日のホールの響きを復習するつもりで練習室でイメージトレーニングの様な練習。
午後は土曜日のリサイタルの次の週にあるトリオの本番の初合わせ。
これも大きな本番。14日(土)と15日(日)の二回。
初合わせがうまく行って一つホッと安心。
夜は後半の演目解説。
今夜も湿布。
水曜日:本番4日前。
朝は一人で練習。
ペース配分と脱力を心がけて、ゆっくり目にかみ砕くような練習。
正午には麻衣子さんに、通しげいこを聞いてもらって感想をもらう。
通しげいこの後は二人で日本食レストランでお弁当!
とんかつがカリカリでおいしい。
4時から7時までは空港で演奏のアルバイト。
土曜日の演目を通す。
聴衆が聴きに来るのは音楽で在ってマキコでない、と言う当たり前の事に気が付く。
肩の力が抜けて、楽になる。
ジョップリンを弾くとき「誰が弾いても同じじゃないか」と不満・不安だったけど、
その普遍性が実はラグタイムの価値、そしてメッセージなのだと気が付いて、
ちょっと泣きたくなる。
今回のプログラム、後半の「ぎりぎりクラシック」は
黒人、ユダヤ人、そしてジプシーの音楽。
歴史上ずっと差別の対象だった彼らにとって
音楽とは「人間みな兄弟」の共感を促す、一種の防御法でもあったのでは?
クラシック特有「自分にしか出来ない演奏」と言う気負いをしょい過ぎていた。
45分セットを3回。間に15分休憩が二回。
休憩中に腕の疲労を回復すべく、
イブニングドレスで空港のど真ん中で堂々とストレッチ体操をしていると、
道行く旅人たちに「腕を引っ張って手伝いましょうか?」とか
色々からかわれる。でも、気にしない。
道行く旅人は、私の熱演のベルグのソナタには見向きもしない。
でも、ジョップリンにはお尻をふりふりして踊ったり、
色々笑いかけてくれたり、沢山の反応がある。
リストのハンガリー狂詩曲は必ず拍手で迎えられる。
どんなに間違えても、だ。
面白い。
ああ、モーツァルトの「キラキラ星」変奏曲に反応する子供は面白い。
今日は5歳くらいの女の子が突然大きな声で歌いだした。
もう「歌うしかないでしょう、これは!」という感じ。
親は苦笑して見守るしかない。
女の子にはもう「キラキラ星」の世界しか存在しないから、一心不乱で歌う。
道行く人は大笑いか、微笑むか、兎に角和んでいる。
面白い。
夜、映画『3丁目の夕日』を観て、息が出来なくなるくらい泣く。
ティッシュ―4枚分鼻をかんでも詰まったまま。
子役の演技が上手くてびっくりする。
素晴らしい気分転換になった。映画を観るのも久しぶり。
木曜日:本番3日前。
朝8時半から教え。
通常木曜日は朝の8時から夜の6時(時々7時)まで
移動時間以外は食事の時間も無い、びっしりとしたレッスンを教える日なのだが、
今日は運のよい事に、何人もキャンセルしてくれて
朝もちょっと遅く、しかも半ドンで3時に終わる。
3時から4時半まで練習。
昨日沢山弾いたし、右腕の疲労が気になるので、
今日は超回復の日に充て、練習は最小限。
5時から友人とお気に入りの無農薬・自然四川料理のお店でたっぷり食べる。
お魚と豚足。二つの大好きなお料理。
ご飯もモリモリ食べる。
最近、練習していると体がか~っと熱くなっていかにもカロリー燃焼している感じ。
それにお腹がすごくすく。
かなり食べているのに、体重が落ち気味で、体脂肪はどんどん落ちている。
走っているからかな~。それとも16時間絶食ダイエットが聴いているのかな~。
なんだか食べて土曜日に備えたい気もち。