ゴールドベルグ変奏曲

この夏の日本の演奏会ではバッハのゴールドベルグ変奏曲を弾こうかと思い、冬休みから勉強中である。
大体、譜面は覚えた。この頃は色々な録音を聴いている。面白い。
私の先生、Brian Connellyは古楽器にも現代曲にも詳しい超人的なピアニストで、彼のレッスンは非常に面白いが、彼がしょっちゅうフレーズについての解釈を「弦楽器で弾いたらどう言う弓使いになるか」と言う事を基本に決めているのに触発されて、今ブログを書きながら聴いているのは、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのトリオようにアレンジされたゴールドベルグ変奏曲。結構有名な編曲らしく、色々な人が録音しているし、私の昔のコルバーンの同級生も最近演奏していた。確かに息使いが弓の都合によって、鍵盤では思いつかなかったような面白い工夫がされていたりする。
バッハはゴールドベルグを「2マニュアルの鍵盤楽器の為」に書いた、としている。2マニュアルと言うのは、上下2段に分かれている鍵盤の事である。変奏曲の幾つかは片手が上鍵盤、もう片方の手が下鍵盤で弾くように書かれており、物凄く激しく両手が交差したり、同じ音域で弾いたりするので、これを普通のピアノで弾くには、ピアニストの工夫が必要になり、これをすでに「編曲」とみなす人は多い。本当にバッハが意図したゴールドベルグ変奏曲を聞きたかったら、ピアノ演奏で聴くのは邪道だ、と言うのだ。逆に「ピアノで演奏することがこんなに主流になった曲なんだから、他の楽器で演奏するのも在りのはず」と言う論理も成り立って、例えばオルガンで弾いたり、2台のピアノに編曲したり、色々な解釈が在る。
不思議なのは、琴で弾こうが、合唱が歌おうが、ジャズ風にアレンジしようが、バッハいつもバッハなのである。
さて、この弦楽3重奏、中々良い。Dmitry Sitkovetskyと言う人の編曲で、私が今聴いているCDは彼がヴァイオリンを弾き、ヴィオラはGerard Causse, そしてチェロはMisha Maiskyである。

2 thoughts on “ゴールドベルグ変奏曲”

  1. 苦手だったバッハをようやく聞けるようになったのは、ゴルトベルクのおかげです。わたしもピアノ以外の演奏CDを探してみようかな。

  2. >S.kawashimaさん
    かなり古いですけど「Bach to the future」と言うジャズのアルバムが在ります。バッハのテーマをジャズ風にアレンジしたものです。お琴のバッハも中々良いですし、バッハの器楽曲を合唱で歌っているのも素敵ですよね。弦楽三重奏のゴールドベルグも新鮮でした。
    マキコ

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