コロナ日記㉑：幸せ考察。

• 世界感染者数が100万人に達する
• 日本が海外からの渡航者拒否：米・英・中国を含む世界の70か国に過去14日間以内に滞在したもの全て。
• アメリカ:史上最高数の失業保険申請が提出される。先週一週間で665万人。

昨日公開したVerizonの復興支援金公募の様な企画が色々政府や企業から打ち出されている。今日は11時から12時半まで、この様な経済対策のプログラムの説明会のウェビナーを聞いた。全国に無料配信されたのだが、参加者は3200人以上。

Covid-19パンデミックの非常事態を受け、失業保険がフリーターや契約雇用人にも例外的に適応されることが決まり、私の様な舞台芸術家も申請の準備を始める。

始め私はこのような経済復興支援に応募するのをためらった。食うや食わずの人も居る。子供が沢山いる家族もいる。私より困窮している人に優先的にお金を配布するべきでは…？でもお世話になっているリトル東京サービスセンターのマリコに叱咤激励された。「失業保険というのは、税金から成り立っている。と言うことは、あなただって今まで払い込んできているシステムなのだ。預金を引き下ろすようなものだ。それに…」この次にマリコが言った事で、私は気持ちが定まった。「失業保険や復興支援金の申請プロセスは、英語が不自由な人にはバリヤーが高い。あなたが申請して、そのプロセスを日本語で説明してあげて！自分のために申請するのをためらうのだったら他の人のためにやって！」

ここ数週間色々な方からメールなどで「この助演金に申請しては…？」という類の助言を沢山もらっている。また、「少なくて申し訳ないけれど…」と言って寄付を申し出てくれた演奏会主催者もいる。皆、本当に優しい。これはやはり、自称「Dr.ピアニスト」の提唱する音楽の癒し効果の価値を買ってくれている人が多いと、ポジティブに受け取る事にして、頑張る！受け取ったやさしさを、どんどん倍増していく！

…と言うことで、毎日数時間、欠かさず練習している。演奏会のためではない練習と言うのは、演奏会のために追われてやる練習とは全く異なる。精神統一。自分と向き合う時間。バッハを多く弾いている。逆にラプソディーインブルーはほとんど手付かず。人のためでないと弾けない曲、と言うのもある。

今朝ジョギングしていたら、ホームレスの人が寝床を畳んでいた。今LAではホームレスの人をホテルやモテルなどの仮住まいに住まわせることをプロジェクトとして行っている。ホームレスの人が感染者となることを防ぐためだ。パンデミックの前までは私はホームレスの人にも必ず挨拶をしていたのだけれど、パンデミックになってからは（このホームレスは行政の指示に逆らってホームレスを続けることに固辞している精神障害がある人かも知れない）と思い、挨拶をするのを辞めていた。でも、今朝会ったホームレスの人は何だかすがすがしい顔つきで、「Good morning!」と向こうから挨拶してくれた。40代後半くらいのすっきりした顔の男性。好青年ならぬ好中年と言う感じ。

私も「Good morning!」と返してみた。そしたら「How are you?」と返って来る。

（ふ～ん、ジョギング中の人に「How are you」か。人恋しいのかな？）と思い、足を止めて「Good! Thanks – How are YOU doing?」と聞いてみた。私の走っている歩道から、彼の寝床のあったくぼみまでは有に2メートルあったし、なんだか縁を感じたのだ。そしたら、彼がキラキラした目で、（聞いて聞いて！）と言う感じで

「I am getting a HOME today!（今日からお家に住めるんだ！）」

私は目が潤んで、のどが詰まってしまった。自分でもびっくりするリアクションだった。

「I am SO glad!」教えてくれて、ありがとう。嬉しさを分かち合ってくれて、ありがとう。

本当の幸せって周りの人の幸せを共有させてもらえることじゃないかな、と思う。だから、他の人の幸せに貢献できたり、困っている人を助けてあげられることが、一番幸せでありがたいことなのじゃないかと思う。