この頃ブログに音楽とは関係ない事ばかり書いているので、心配になる読者の方がいるかと思い、
今日はこの頃の生活について、書くことにします。
タングルウッドでは、弾く曲も、リハーサルのスケジュールも、すべて音楽祭が決めていました。
その決められた時間割はとても密度が高く、音楽以外の事、自主的に何かをする余地は少なかった。
練習だって、今何を弾きたい、ではなく、20分後のリハーサルの為に今練習しなきゃ顔がつぶれる、
と言った、いつも切羽詰まった、自由の無い状況が多かった。
演奏会も非常に多く、聴きに行く演奏会が無い日の方が少なかった。
研修生の多くは、疲れの為、音楽会を休む人が多かったが、私はできるだけ行った。
多分研修生の中では一番多く演奏会を聴きに行ったほうだと思う。
こういうことは全て、本当に貴重なありがたい経験だったけれど、
2か月の限定期間だったからこなせた、と言うこともある。
コルバーンでは逆に生徒の自主性、個性がとても重要視されている。
学部生は人文学、音楽誌、音楽理論などのクラスをとることが義務付けられるが
それ以外の生徒は基本的に必修は4つだけ。
1)学期毎に一曲室内楽の公開演奏に参加すること、
2)週一回レッスンを受けること
3)週一回自分の楽器の専攻の人達がみんな集まる"Playing Class"に出席し、弾きあいっこに参加
4)週一回選ばれた生徒が全校生徒・教授陣の前で演奏する“フォーラム”に出席すること。
2)、3)、4)、はロスにいる時だけの課題で、演奏旅行、コンクールなどでロスにいない生徒は免除。
選曲も、演奏スタイルも、個性や自主性と言うものがとても大事にされる。
ロサンゼルス・フィルハーモニーなど、近くで行われる演奏会の無料券がしょっちゅう提供されるが
これも提供されるだけで、強制ではない。
でも、生徒たちはとても積極的にこの機会を利用している。
私はコルバーンに来てから、指揮の勉強を始めた。
バンドを持って、クラヴなどを回っている子たちも居る。
私も聞きに行ったことがあるが、やはりとても上手だ。
室内楽のグループを作って演奏活動を始める子たちも居る。
また、知らない間に近くの大学の日本語のクラスに入門して、いきなり日本語の質問をしてくる子もいる。
インターネットで取れる大学の講座でエッセーの書き方などを学んでいる子もいる。
音楽以外の勉強、あるいは練習以外の音楽の勉強が無駄に思えた時期もあったけれど
この頃は本当に必要だと思う。
演奏はいつもその人の人間を正確に反映すると思うし、
人間が薄っぺらければ、どんなに技術的に上手でも薄っぺらい演奏になると思う。
と、言うことで、いろいろ探索中です。