ロサンジェルスの劇場の数はニューヨークをはるかに上回るそうだ。
確かにこちらに来てから、良く劇を見る。
先週末は”The Actors’ Gang"と言うグループが"Three Chairs Theater"で上演するショーを見た。
この劇団は、手足の動きを特に大事にするようで、
例えばつま先にぬいぐるみみたいなものをかぶせて、それを動きまわして、それと自分の会話を演じる、
とか、ピース・サインを逆さにした形で、二本指を足に見立て、舞台中を歩きまわしてセリフを言わせる、
とか、そう言うことを多くやっていた。
皆上手くて、結構本当にその気にさせる。動きも自然だし、ヒューモアもあっておかしかった。
二本立てだったのだが、二本目はDaisuke Tsujiと言う、多分日系アメリカ人の一人芝居だった。
セリフは全くなく、ほとんどパントマイムで、ほとんどストーリー性は皆無に近かったのだが
音楽と照明を上手く使って、巧みなパントマイムと手足の動きで、1時間見せつけてくれた。
この人はCirque du Soleilと言う、サーカス団でピエロ役を学んだ人。
もしかしたら、ダンスの稽古もしたことがあるのかも。
兎に角、飛んだり、跳ねたり、走り回ったり、体中を使っていた。
舞台に寝転がって芸をした後、立ち上がったら、その後が汗でびっしょりになっていた。
一番印象に残ったのは、観客とのやりとり。
会場に入ると、沢山の風船が客席に置いてあるのだが、
劇の最中、風船を割って舞台暗転や、舞台転換、音楽のキューを作ったりする。
その風船を客席まで取りに行ったり、時には観客に「ちょっと投げて」と言うジェスチャーをしたり、
そのうち観客とのやりとりがもっと複雑になって来て、パントマイムをまねさせたり、
会場をぐるぐる歩き回って、いろんな人と5秒くらいづつ踊ってみたり。
どこまでが製作されていて、どこまでがアドリブなのか、全然分からなかったが、
はっきりと楽しい別世界に連れて行ってくれた。
「怒られた」を読んで思ったのですが、
わたしは絵を描く上で知性や感情のことについて考えたことなんてありませんでし、芸術ということばもなにやら無縁のようです。ただこう感じています、直観あるいは霊感(いんすぴれーしょん)
はなにかを生み出すための契機としては、価値あるものではないかな、と思うのです。
これだけのことばでは、あまり伝わらないかもしれないですけどね。
>abbrosさん
いつもじっくり読んでくださり、そして考えさせてくれるコメントを書いてくださり、ありがとうございます。
う~ん、ただ、私と貴方の違いは、私はクラシック音楽と言ういわば伝統芸術をやっている、と言うことと、演奏家である以上常に、直接聴衆と音楽を通してリアル・タイムで向かい合う、と言う立場にあるということだと思います。絵を描く、と言うことは何もないところから、独自のヴィジョンをキャンバスに創り上げるのでは無いでしょうか?
私の場合は、やはり作曲家の人や、時代背景などを勉強しなければ、とか思ってしまうのです。
絵のことは分からないので、間違っていたらごめんなさい。