人生の優先順位

私の人生で大事な物、その4「挑戦」と「目標」

私のとても大切な友達が数年前に言ったこと。 どうしてそう言う発言に至ったのか、経緯も何もかも忘れてしまったが 「ハッ」とさせられて書き留めて置いたので、覚えている。 『人間と言うのは挑戦を必要としている。 だから自分が重要だと信じる挑戦を自分に課し続ける努力を常にしなければいけない。 これを怠ると、自分の脳みそが自動的に挑戦を手当たり次第に求めてしまい、 そう言う挑戦は非生産的であることが多い』 この名言を思い出したのにはいくつか理由がある。 最近私は論文優先で、練習と演奏がちょっとおろそかに成っていた。 ところが急に立て続けに演奏の機会が入ってきたのだ。 例えば先週決まった、NYで21日に弾く演奏会では3楽章から成るこんなソナタも弾く。 シューベルトの歌曲に基づいた変奏曲になっているのですが、 (簡単そう)と思われた方は、1分30秒に飛んで下さい―難しそうでしょう。 難しいのです! この演奏家はノルウェーの作曲家の特集なのだが、私はグリーグのソロの曲集も弾く。 グリーグは叙情的で美しく、技術的に難しい物は少ないのだが、それでも3週間ですよ! ところが、練習し始めて、奮い立っている自分を見出したのである。 (そうそう、この感覚!)とうなづきながら、我を忘れて練習している。 楽しい。 脳みそがプルプルと反応している。 もう一つ、この名言を思い出した理由。 今週末の土・日にヒューストンで非常に地域浸透しているオーケストラ、 River Oaks Chamber Orcestraが委嘱した曲の世界初演で チェレスタのパートを担当させていただくことになった。 初めてのROCOとのお仕事が嬉しかったのだが、 このオケのユニークな支払い法を学んで、浅ましい自分を発見してしまったのである。 このオケはプログラムの何曲弾こうが、演奏者は全て同じ金額が支払われる。 私は一曲だけ。 しかも大きなパートでは無い。 (儲けた!)と思ってしまったのである。 お金を儲けることを目標にするほど空しいことは無い、と思って音楽家になったつもりだったのに。 はっきりとした目標を明確に胸に刻まなければ。 と、言うか私にははっきりとした目標があるのだ、一瞬忘れていただけで。 『死ぬまで毎日、音楽の修行を通じて、ピアニスト、芸術家、そして人間として成長し続ける。その為には毎日自分の幸せに責任を持つこと。貢献でき、触発されるコミュニティーに属していること。そして演奏し続けること』 この目標はもう10年くらい公言し続けている目標。 それに最近加えて『美とは何かを問い続け、美しくある努力と心配りをする事』

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私にとって大事な物、その3「青春」

アメリカは飲酒年齢(21歳)に関して、日本よりずっと厳しい。 特に週末の夜とか週日でもある一定の時間以降の、 主にお酒をサーヴするお店への入店は、 年齢を明記した身分証名が無いと入店拒否される場合がある。 先日の金曜日、修士をやっている後輩とご飯を食べた後、 深夜近くに他の友達と合流する、と言う彼女に誘われて 「じゃあちょっとだけ顔を出そうかな」、とのこのこ付いて行った。 飲むつもりは無かったし、本当に10分とか20分とか一緒にすわるつもりで、 荷物はすべて車の中に置いていった。 そしたら身分証明が無くて、入店拒否されてしまったのである! 「…私、白髪があるんですけど…」 と言っても「褒められていると思ってください。とても若く見えるので。」と言われてしまい、 にこやかに、しかし頑として、このアラフォーの私を入れてくれない。 まあ、夜更かしは論文執筆にたたるので「縁が無かったんですね」と帰ってきたが、 ちょっと淋しいような、でも嬉しいような、複雑な気分だった。 この年で学校に属して音楽を勉強している人間は少ない。 自分より若い人に常に囲まれ、同年齢扱いされていると 多分身振り手振り、そして態度が若くなるんだと思う。 そして私は多分ちょっと童顔なのだ。 アジア人は若く見えるというし、 いまだに「学部生?」と、いかにも私より年下の人間に聞かれたりする。 子供の時は私は異常に背が高かった。 小六で165センチあり、 「オリンピックのバスケットボール養成チームがあなたを見に来るかも知れないから」、 と先生に言われたことがある。 実際には運動神経は皆無に近かったし、養成チームは結局来なかったのだが。 小学校3年生くらいから駅の駅員さんに (その頃は切符にパチパチ「使用済み」パンチを入れる駅員さんが居た) 「お客さ~ん、これ子供の切符ですよ~」と なぜかいつも胸の辺りをじろじろ見られながら言われたし、 小学校4年生の時には一度ラーメン屋さんで店員さんに 「OLさんですか~」と聞かれた。 私は一生、年齢不詳人間なのかも。 ”Youth”と言う詩がある。「青春」と言う日本語訳も有名だ。 青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。 人は信念と共に若く 人は自信と共に若く 希望ある限り若く     疑惑と共に老ゆる 恐怖と共に老ゆる 失望と共に老い朽ちる 大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。 Youth is not a time of life – it is a state

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私の人生で大事な物、その2.「自由」

昨日は夕刻から就寝まで、かなり集中して博士論文にかかり切った。 結構満足な仕事が出来た。 NYの旅の疲れと時差(一時間だけですけど)もあったのか、 仕事のペースダウンが著しくなってきた9時半に潔く就寝。 こういう風に自分の調子の良いときに仕事に専念できて、 疲れてきたらすぐ眠れる自由って幸せ 今朝は5時45分に目覚め、即仕事開始。 まず12月に予定されているクリスマスコンサート。 私がリーダーなので、奏者のプロフィールや曲目などをまとめて送信。約一時間の作業。 我ながら、強力なつわものを共演者にそろえることができて、今から楽しみ。 楽しみにできる演奏の機会があって幸せ 朝ごはんはいつもと一緒: 黒ゴマ黄な粉と麻の実をそれぞれ大匙山盛り一杯。 麻の実は菜食主義の私のために、 菜食の先輩が高たんぱく食品を色々紹介してくれた時に知った、 非常にオツな一品。 ちょっと高値だけれど、プチプチの食感がお気に入り。 これにプルーン3個とバナナ半本と豆乳を加えて、 いただきま~す ちょっと高値でも、かなり珍しくても、 気に入っている健康・自然食品を買い求められるって幸せ。 毎朝日課で、朝ごはんを頂きながら、中国茶を頂き、 同時に食器乾燥機を片付け、お弁当の用意をする。 今日のお弁当はマイクロウェーブで蒸した紫芋のぶつ切りと、 洗ったシュガーピー(さやごと食べられる青エンドウ)とパプリカ。 そしてオレンジ丸ごと2個。 美味しい生野菜や果物を種類豊富に食べられるって幸せ 朝ごはんのあとは コミュニティーカレッジで担当している 音楽非専攻の学部生のための音楽理論入門、 Music Fundamentalsのクラスの中間の採点。 このクラスには兄妹がいる。 始めは二卵性双生児かと思った。凄く仲が良いし。似た雰囲気だし。 でも、実はお兄さんの方が2歳上で、なのに妹の方が少なくとも音楽に於いては器用。 (これはお兄ちゃんは苦しいなあ)と思い、チャンスを見ては手放しで褒めるようにしていた。 そしたら今回の中間ではおにいちゃんがクラスでトップ! 採点し終わって(でかした!)と踊りだしたいような気分だった。 見るからに頑張って、良い点を確保した生徒がいるかと思いきや、 もうどう工夫しても落第点にしかならない答案用紙もある。 提出してくるたびにヒントを出し続け、何とか及第させたかったのだが どう逆立ちしても、無理。 落第した生徒は、クラシックの『ク』の字にも今まで触れてこなかったような生徒たち。 同じような状況でも、ちゃんと勉強してまあまあの点を取っている生徒もいるのだが、 中間で落第した生徒だって、クラスで放棄していた態度かと言えばそんな事は全く無い。 特に必修の課目の話しからずれて、一般的な音楽の話しとかすると かぶりつくように聞いている。 私に「YouTubeで見つけたこの曲、凄いからMakiko聞くべき!」と大騒ぎをして その曲がクラシックともショパンとも知らずに私に幻想即興曲を聞かせたりする。 私は教えることがやっぱり好きだ。 教える場があって幸せ。 今学期、このクラスを教えられて、本当に良かった。 しかし、来学期、そして来学年度と、教え続けるべきだろうか? 学校からは、光栄なことに教え続けることを乞われている。 しかし、給料は本当に安い。

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