大体ロサンゼルスは、ハリウッドがあるせいもあるが、肉体美を始めとする「うわべ」を繕う文化だ。
モデルのようにやせ、着飾った人が多いし、
筋肉マンみたいな人達が筋トレをするヴェニス・ビーチの一角、「マッスル・ビーチ」と言うのは観光スポット。
ヨーガや、ジムに通うことは最近では「成功の秘訣」、みたいに色々な所で宣伝されているが、
ロスは特にその傾向が強い。
コルバーンに来てから、私は前よりずっと運動するようになった。
2006年、私の一年目は、サウナの様に暑い室内でヨーガをする「ビクラム・ヨーガ」を週2位でやった。
そのあとは、普通のヨーガに二年ほど凝った。
姿勢を正し、重心を下に下げることで上半身の力が抜け、余分な努力無くピアノを弾けることを狙い、
週に二回、ほぼ必ず通っていた。
しかし、寮の各階に住む、「寮生活アドヴァイザー」みたいな人たちの一人に
ボディー・ビルダーの様な立派な筋肉を持ったトランペット奏者が就任した2008年、
私のヨーガ時代は終わった。
彼が無料でコルバーンの生徒対象に火曜・木曜・と土曜の週3回、
朝の7時半から一時間の運動クラブを立ち上げたのだ。
この人はアメリカの軍隊のマーチング・バンドにしばらくいたことがある人で、
そこで本格的な筋トレを始めたらしい。
最初にその運動クラブに参加した次の日は筋肉痛で、階段がまともに上り下りできなかった。
この夏もタングルウッドでほとんど運動をしなかったので、先週木曜、今年初めて参加してから二日間、
エレヴェーターの常用者になった。
30秒ずつ、腕立て伏せ、腹筋、その場でジャンプ、その場で膝上げかけっこなど、
色々な運動メニューを彼の号令に従って次々とこなす。
それが10分のセットで、間に2分の休憩を入れて、2セット。
そのあと、階段12階を駆け足で上り下りさせられる時もあれば、
ウサギ跳びとか、腕を頭の後ろで組み深くジャンプして50メートルの距離を行ったり来たりする、とか
根性物のマンガに出てくるようなしごきメニューである。
息は切れるし、汗はべとべとだが、参加者はどんどん増え続け、
今日は22人、120人居る全校生徒中、六分の一の参加になった。。
去年運動クラブが始まったばかりの時は、途中気分が悪くなったり、実際吐く子もいた。
こういうのは大抵男の子だ。
適当にずるしたりしないで(俺はできるんだ)と、歯をくいしばってやるからそうなる。
私は苦しくなると(あ、靴の紐がほどけそうー結び直そう)、とか、(ちょっと水分補給)とか
すぐずるするので、絶対に気分は悪くならない。
そして、そうしていても、汗はべとべと、息はぜーぜー、次の日は筋肉痛なのである。
でも、激しい運動で始めた一日はいつも機嫌良く進む。
脳内で分泌されるエンドルフィンのせいか、それとも体にやっぱり良いのか。
苦しくても、病みつきになってしまう。
そして今週末は学校からサーフィンの一日体験の遠足がある。
学校の大盤振る舞いで、破格の15ドルで、必要な物がすべて借りられ、レッスンが受けられる。
今から楽しみである。