私は横須賀ゆかりのピアニストグループ『スカぴあ』なるものに属している。
私自身は横須賀出身ではないのだが、
今年13年目になる私の日本での演奏活動のきっかけを作ってくださり、
その後もずっと私の活動を熱心に応援して下さっているNPO
「世界で活躍する演奏家を応援する会」が横須賀拠点のため、
お味噌で加えてもらっている。
毎年夏に行われる横須賀劇場ベイサイドポケットでのピアノ音楽祭では
ピアノ一台で、ソロ、連弾、6手、8手、
さらに2台のピアノもどんどんピアニストの数を増やして行き最高は8人のピアニストが16手で弾く。
他ではめったに見られない、一日中のピアノの祭典だ。
今年は7月13日(土)に予定されている。
その他にもスカぴあではFMブルー湘南(78.5MHz)で
毎週土曜日の朝10時40分から11時までメンバーが月交代でDJのようなことをしている
「スカッとスカぴあ」と言う番組の放映、さらに出張演奏なども行っている。
私はスカぴあメンバーとしては唯一在外なので、運営に関われず、
せめての貢献として、スカぴあのブログを書いたりしている。
今回のブログのテーマは関心の高いテーマだったので、ここにもコピペさせていただこうと思った。
子供の演奏会入場を奨励するべきかどうか、と言う問題だ。
『スカぴあの熱心な賛同者が小さい時から生の演奏に触れさせたい、ご自分のお子様(未就学児)を是非来夏のスカぴあに連れて行きたい、と言うご希望を熱心にお伝えくださったことからスカぴあメンバー内でのディスカッションが始まりました。
「未就学児」と一口に言っても非常の個人差が在ります。一般的に普通の日本のコンサートの広報には「未就学児お断り」とか「小学生以上から入場いただけます」などの注意書きが見られます。「親子コンサート」や「子供のための音楽会」といった企画も多くありますが、でもアニメのテーマソングなどで水増ししたようなプログラムもあるようで、やはり「本物」の演奏・演奏会に小さいうちから触れさせたい、と言う音楽愛好家の熱意には、是非答えたい、と言う気持ちもこちらにもあります。子供は本当に正直で、良い刺激を与えたら、良い方向にどんどん成長していく凄い可能性を秘めています。出来るだけ沢山の日本の子供に、出来るだけ沢山の良い音楽に触れる機会を増やしたい!
でも現状は、正直な子供であればある程、興奮して踊りだしてしまったり、感動をお母さんにどうしてもその場でお話して聞かせたくなってしまったり、予測の付かない反応をします。そして、どんなに最初の20分で感動してくれても「シー、静かにしなさい」「動かないできちんと前を見て座って!」などと言われているうちに、どんどん音楽が窮屈になってくる子も居るでしょう。それが最終的に「音楽会は大変だった。もう行きたくない」となってしまっては、本末転倒です。そして子供が他のお客さんの演奏会体験の妨げにならないよう、常に気をつけなければいけない親御さんいとっても、演奏会が大変になってしまうかも知れません。
入場料を頂いて演奏会を企画している側としては、全てのお客様が音楽に没頭して楽しんでいただくために、運営の面でも最善を尽くさなければいけません。人魚姫が15歳まで海の水面に上がることを許されなかったように、演奏会を「7歳になって始めていける、特別なイベント」と言う風に楽しみに待っていただくことは可能でしょうか? 小学生になれば、壇上のピアニストと演奏会の時空を共有して、責任を持って積極的に音楽会に参加することが可能になってくるのでは、と言うのが私たちの最終的な結論です。
私がまだ幼児の頃、母と妹と一緒に「演奏会ごっこ」と言うのをしました。母がレコードで音楽をかけてくれて、私たちは「演奏会に行く練習」と言うのをするのです。じっとして音を立ててはいけません。そして音楽に集中できるように頑張るのです。これがマスターできたら、演奏会に連れて行ってもらえる約束でした。でも、そんなに素敵なご褒美が待っていても、やはり小さい時には、動かず静かに一曲聴きとおすのは大変だったことを覚えています。
7歳になったら、是非来てね。そして演奏後に握手をしてね。』