ピアニストとして人生と付き合う、と言うこと

一昔前の話しになるが「のだめカンタービレ」。
のだめの異様な生活習慣や言動がコミカルで世界中大人気いなったが、
アレは結構現実に基づいているのかも。
音楽家の中でも特にピアニストは、修行中、一人で過ごす時間が長い。
ソロのレパートリーを中心に練習するし、
音は他の楽器に比べ学ぶ音も曲数もずっとずっと多い。
しかも、他の楽器よりも暗譜で弾くことが必修であることが非常に多い。
プロを目指すには、そしてプロの地位を保つには、物凄い時間を練習に費やすことになる。
かく言う私が一番練習したのは、2001年から2006年だったと思う。
この頃は朝起きて必要最小限のしたくをして、家を飛び出して学校の練習室に向かっていった。
必要最小限のしたくは、本当に必要最小限で、ここでは割愛するが、
まあ「のだめ」を思ってください。
そして夜は本当に10時、11時まで。
途中で伴奏のバイトがあったり、軽食をとったり、勿論するのだが、
窓も無い、グランドピアノがぎりぎり一杯で入っているせま~い練習室で、
壁と楽譜だけを見て過ごすのである。
勿論、廊下では人にすれ違うし、『人』の中には知人・友人も居るが、
そんな毎日を月月火水木金金で過ごし、頭の中は音楽で一杯だし
挨拶もほとんどしないような変人行為をなんとも思わないような、
一昔前の「芸術家」気取りの変人生活を送っていたような気がする。
しかし、演奏活動をしようと思うなら、それではやっていけない。
演奏と言うのは、演奏家一人が居れば良い、と言う者では無いのだ。
企画、運営、広報、集客、経費と収入の管理、そして当日の裏方、受付などの実行。
それぞれ関わってくださっている方々が『楽しい』と言う気持ちでやっていただくためには
私の演奏の質だけでなく、演奏会、そして音楽人生、
そして音楽そのものに対する思い入れに共感してもらえなければいけない。
私はまだまだ、である。
何年も『変人』として生活してしまった私だから、
共同生活、そして演奏会でも何でも共同制作には
人一倍の努力と、心遣いが必要である。
でも、心遣いばかりしていると、今度は練習をする時間が減っていくのである。
そうすると焦燥感が募り、心遣いがどんどん難しくなるし、音色も悪化していく。
この折り合いをつけるのが難しいのは私がまだ未熟だからだろう。
結婚生活を営みながら、さらに子育てや、自分で裏方を引き受けながら
演奏活動を続けている友達も周りに沢山いると言うのに…
マキコまだまだ成長の余地あり!

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