本番当日の覚書ーChin up! 2


ピアニストをしていると、色々な会場の色々なピアノで演奏することになる。
昨晩は悲しいかな、電子ピアノでの演奏だった。
屋外なのでしょうがないのだが、
そして芝生でたむろす小さな子供連れの沢山の家族に
良天候の中音楽を楽しんで頂けて嬉しかったが、
歩いたり走ったりが嬉しくてたまらないやんちゃ坊主が何度も舞台を疾走したり、
譜めくりが棒を駆使してアクロバットのように風にあおられる譜面を押さえつけたり、
そんな中で何とかやった演奏だった。
風に凍える腕に鞭打って、モニターの割れる音を無視して、
ベストを尽くして演奏した。
二週間前の「『クラシック』って何⁉」世界初演は反対に
これ以上ないほどの環境での演奏。
その朝、調律師がきちんと調整・調律してくれたフルコンに、
音響の微調整を壁に取り付けてある布をコンピューターで動かして出来る
リサイタルのために作られた300席のホール。
ここで久しぶりに音響とフルコンのすごさを思い出した。
ここでの練習の時に気が付いた、演奏に関する普遍的な真実がある。
目線は出来るだけ上に、と言う事である。
キーシンも、ランラン(私は嫌いだが)も、内田光子も、リヒテルも
良く目線を天井に泳がせて弾いている。
あれはお客さんのための演出ではない。
姿勢を正し、耳をピアノ本体から一番遠い状態にして、目線を上にあげた時
ホール自体に響く音、お客さんが聴いているのに一番近い音を聴ける。
さらに、緊張すると皆取り勝ちな、鍵盤を凝視した、鍵盤に覆いかぶさる姿勢。
これは音が客観的に聞こえなくなるだけでなく、
首や肩、上腕にかなりの緊張を要し、
さらに呼吸も浅くなる。
主観的にはより一生懸命弾いているような感じだが、
実際は全くの逆効果なのである。
今夜の演奏はべ―ゼンドルファーのインペリアルと言う高いピアノで行うが、
会場自体の音響は若干乏しい、ドライな物である。
カーペットが敷き詰めてある会場だと言う事、天井が低い事、
理由は色々あるのだが、
私はその中でどのように聴衆と共鳴出来る音を発信できるだろうか。
自分のベストを尽くします!
今日の演奏会は熊本復興支援のチャリティー。
日本大使館や日本人会のご協力を得ての演奏会となる。
詳細はこちら。

平田真希子さん、佐々木麻衣子さんコンサート


なお、演奏会場に来る事は無理だが寄付だけご希望、と言う方は
Japanese Association of Grater Houstonへの小切手(Kumamoto Donationと明記)を
P.O. Box 130954 Houston, TX 77219までご郵送ください。


2 thoughts on “本番当日の覚書ーChin up!

Comments are closed.