「本番の日って良いよね~。普段自分に許さない贅沢や休養を堂々と楽しめるからね~。」

学部時代の先輩が、貧乏学生だった我らが普段は入らないようなレストランで、色彩豊かなサラダを前にニコニコしながら実感たっぷりで言っていたランチを思い出しながら書いています。

最近、ご縁あって時々助言をするようになった11歳のピアニストちゃんのお母さまから本番の日の心得をお尋ね頂いたので、その本番がある今日ブログに記そうと思いました。

今週末は今日土曜日の19時からと明日日曜日の16時から室内楽の本番があります。取り合えず今日は、夜の本番に向けて午前はゆっくり目、午後は調子を上げる感じで持っていくために食事や行動をしていきます。

朝6時起床:通常私は前夜の睡眠は本番関係なくぐっすり眠れ、目覚めて始めて(おお、そう言えば今日は本番だ!)と思い出す方です。でも今回はちょっと違いました。昨晩安眠を目指して色々工夫をしたにも関わらず(楽なパジャマと呼吸法、など)、寝落ちから目覚めまで何となくリハーサルの復習や本番の作戦など、頭の覚醒状態が続くような一晩だったのです。

理由は自明。先週末からNYから来ているホルン奏者と、月曜日の夜から木曜日の夜まで不在だったチェリストの都合で、リハーサル時間が限られていた本番。なのに世界初演を含む現代曲が過半数を占め、またいわゆるクラシックもブラームスのホルン三重奏など難しい事で知られる曲が多い演目です。特に現代曲は合わせが本当に困難で、リハーサルが不十分な状態で今日の本番を迎えています。

本当なら夜に本番がある朝は寝坊したいのですが、目が覚めてしまったらからには潔く起きて、夢見心地に頭の中でしていた練習を実際にピアノに向かってしてみます。一軒家でご近所に懸念なくいつでも練習できるのは本当にありがたい!

実際にピアノで弾いてみると、お腹が落ち着いてきます。ゆっくり和音の位置の確認をしたり、メトロノームでテンポの確認をしたりします。常に美しい音で、美しい気持ちで。どんな事情が在ろうとも、私は音楽を創る。譜面が示す音を弾けるように弾くのではなく、奏でたい音楽を世に送り出す。

8時:野の君と日課の散歩。今日は軽く走って息を上げます。明日の本番に向けて、今夜はよく眠れるように。野の君は息を上げて走る私を横目にゆっくりとマイペースで「朝のウォーキングを楽しんでるの。」私はそんな野の君の周りをグルグルしたり、行ったり来たりして何となくペースを合わせます。帰りに一緒に食材を買います。卵やココナッツミルクや大豆ソーセージが切れていた!我が家は今、よりエコな食生活を目指して、動物たんぱく質の摂取を最低限にしています。

8時半:朝寝。思いがけず早起きしてしまったし、6時から8時までの練習を脳に浸透させるためにも、ちょっと仮眠

9時:ヨーガと逆立ち(3分)と瞑想(30分)。これは日課です。瞑想は普段は20分、忙しい日は10分ですが、今日は長めに。気持ちを落ち着け、呼吸を整えます。

10時:料理。料理は五感を総動員するし、美味しい料理と言う最高のご褒美があるし、本番当日に結構好んでするアクティビティーです。今日はレンタルスープを作り、玄米をかまどで炊きました。本番当日は炭水化物で長期戦に備えます。料理をしながら、頭の中で今日の曲のイメージや、演奏会で送り出したい音楽のイメージを創り上げたりします。ちなみに我が家では最近、野菜や調理器具を洗った水はバケツに溜めて、家庭菜園にあげています。水が溜まる度にお日様を浴び、外気に当たる結果となり、気持ち良いです。。

12時:今日最初のお食事。納豆。玄米ご飯。キムチ。自家製白菜漬け。焼きのり。レンタルスープ(イワシの缶詰のオリーブオイルで玉ねぎとにんにくを大量に炒め、焦げ目をつけた鳥の胸肉とマッシュルームを缶詰のレンタルスープで煮込みました。)ミニトマト。

料理をしながらゆっくり書き始めたこのブログ。今はお食事後。12時半。会場入りは17時。家を出発するのは16時半。開演3時間前の16時に果物とヨーグルトを食べよう。荷物まとめ・シャワー・身支度は15時半時に始めよう。逆算していくと、段々午後の予定がはっきりして来ます。後はするべきことは昼寝。ゆっくりピアノの音と音楽を楽しみながらちょっとした音確認と指が温かい状態を保つこと。

自分の為の覚書:本番前
  • 常に補水。(本番前や本番中に脱水症状になると集中が難しくなる。トイレは本番の緊張時には問題になりません)
  • 本番3時間前に食事をする事(タンパク質・炭水化物を普段よりも多めに取る。糖分や消化が大変な物・刺激物は控える)
  • 楽な気持ち。楽しみな気持ち。チャンスがある度に大笑い、笑顔、優しい言葉・気持ち。
  • 身体に力が入っている事に気が付いたら常に優しくリラックスしてあげる(足の付け根、額・眉間・目の周り
  • 吐く息に意識する。出来るだけお腹の底から出し切るように。
  • 静寂の中に自分を置いて、目を閉じる時間を何回か作る。
  • 感謝の気持ち。作曲家への感謝。共演者への感謝。ご来場くださる聴衆への感謝。野の君への感謝。音楽人生への感謝。
自分の為の覚書:本番中
  • 音楽を投げかけるのと同じ気持ちで笑顔を聴衆や共演者に投げかける。共感、お互い運命共同体という確認。
  • 息を楽に深く、出来るだけゆっくり。
  • 音をかみ砕くつもりで発音する。舞台演戯の様に、子供にする朗読の様に、少し大げさにゆっくり目に。常に優しい気持ち。
  • 自信。今までの舞台経験やこの演目の為にして来た何十時間・何百時間という練習、そして自分の真髄に対する自信。
  • 信頼。共演者・聴衆・そして音楽のパワーに対する信頼。
  • リズムの体感・メロディーの心・ハーモニーの気持ち。

4 responses to “演奏道中記3.19:本番が続く週末の過ごし方”

  1. 小川久男 Avatar

    お疲れ様です。

    演奏会は、全知全能の発露。
    意識は、一点に集中。
    五感を研ぎ澄ました演奏。
    そして、終演の絶対的解放感。
    人々の芸術的歓喜。

    小川久男

    1. Makiko Hirata Avatar
      Makiko Hirata

      小川さん

      コンピューターの不調が治られたのですね。
      良かったです。
      真希子

  2. makoto yoshida Avatar
    makoto yoshida

    いつもお知恵を、ありがとうございます。
    記事から 生きる力を与えられます
    (コメントされない 多くの人もそう感じていると思います)。

    1. Makiko Hirata Avatar
      Makiko Hirata

      ありがとうございます。励みになります。
      真希子

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