新生活、いろいろ

ヒューストンの夏は日本よりも暑い!と言うのが一般知識。
私はこれまで大抵夏は、月から6月中旬の一番良いときを日本で過ごし、それから避暑地的な場所で行われる夏の音楽祭に参加し、そして学校が始まるぎりぎりのだんだん暑さがおさまってきた頃ヒューストンに戻る、と言うすごし方をしていたので、夏バテとは無縁で来た。が、今年珍しく6月の中旬から8月中旬まで日本で過ごし、やっぱり日本の並大抵では無い暑さに感じ入った。そんな後、覚悟して帰ってきたヒューストンは以外にも涼しく感じられた。それは多分室内の完全冷房が徹底していて、だから屋外の暑さが日本ほど苦にならないからなのだが、(むしろ日本より涼しい!?)と思えるほどである。それでも木曜日は37.8度だったし、まだまだ暑いのだが、でも空はすでに秋模様。日本はこの頃どんなだろうか?
そんな中、新学期が順調に進んでいっている。
私は博士課程の3年目。この学年度でクラスの義務が終わる。全てが博士課程4年目の秋に行われるComprehensive Examに向けて行っている。これは専門分野に置ける知識を全般的に幅広く問われる物。博士論文の執筆を始める前にどの分野でも行われるテストだ。ライス大学の音楽の博士課程の場合、音楽理論、音楽史、そして専課(私の場合ピアノ演奏)それぞれの分野で4時間ずつ、計12時間の筆記試験がまず3日間にわたって行われる。この試験はそれぞれの博士課程の学生のため、一人一人教授が会議を開いて作成する。その生徒がその博士課程に置いて取ったクラスや得意・不得意分野、全てを考慮した上で、である。それに合格して始めて、今度は口答試験を受ける資格が得られる。口答試験では、筆記試験で間違えた質問に関していろいろな角度から問われ、自分の言葉でもう一度間違えを正し、名誉挽回をする機会を与えられる。筆記試験の採点が終わった段階でどの質問を間違えて答えたか知らされるし、口答試験の前には1週間ほど時間の猶予があるので、口答試験で落ちることはまず無い。Comprehensive Examは非常に難関で、毎年半分の学生が落ちてしまう。落ちたら後もう一度だけ、半年後に受けられるのだが、そこで落としたらもう博士号は取れない。と、言うわけで皆必死で勉強する。
博士課程1年目で取るクラスは一般養的なものや、割りと趣味的なものがあったりするが、3年目はもうほぼ完全にこのComprehensive Examに直接的に有利なもの、と言う風に選ぶ。中世やルネッサンスの音楽は、普通の西洋音楽の専門家は演奏で触れる機会が無い分野。そして、音楽史の起点という意味ではとても大事な分野である。私は中世の授業は去年取ったので、今年はルネッサンス音楽の授業である。それから色々な音楽理論を応用して色々な曲を分析するクラス。バッハから超近代まで。「コンプではこういう聞かれ方をするから、こういう風に答えると良い」とか、もうまさに試験勉強である。
私の一年先輩がまさにあと2週間で行われる「コンプ」に向けて、試験勉強の総まとめを今しているところだ。目の色変えて、図書館に詰めている人も居れば、それでも一日3~4時間の勉強を欠かしていない人、さらにここまで来て、なぜか博士課程3年生の授業を聴講しに来ている人も居る。みんなそれぞれ自分のやり方で真剣に取り組んでいるのだろうが、そのやり方があまりにお互い違っていて、面白い。皆合格するといいけどな~
私は、と言えばまだまだのんきな物である。本当はもう今から計画経てて、地道に勉強を始めていた方が良いのだろうが、それよりも最近購入したマツダのProtege5と言う中古車がなんとマニュアルで、スティックシフトでの運転の仕方をどきどきしながら勉強中。それから、まだ新居への引越しも住んでいないし…
博士課程においても、人生色々、である。

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