月・水・金のスケジュール

月曜日、水曜日、金曜日は私が「非音楽専攻のための音楽理論」を教える日です。
クラスは1時から1時50分まで。
毎朝7時くらいからクラスの準備を始めます。
一応、なんらかの形での音楽経験を踏まえた人が取るクラスなので、
基本(音符とリズム、スケールと調性)は駆け足で終わり、今は和音の授業です。
今日は属7について話します。
クラスの準備は生徒が使用する教科書をちゃんと読んで、
それと違った視点から説明しないように準備します。
自分が知ったつもりで居る音楽の基本を他の人の言葉で読むのは面白いです。
そしてそれを、とても知りたがっている人たちに、
出来るだけ簡潔に、しかし将来のために色々な解釈・発展の余地を残して、
工夫して喋るのもとても楽しいです。
私は音楽に関すること、特に音楽を人と分かち合う、と言う行為は何でも好きですが、
こういう風にクラスを教えるのはとても、とても楽しい!
10時20分には、出発して、学校に着くのは11時半頃です。
着いたら、図書館や色々のオフィスで用事を済ませたり、クラスのプリントを印刷したりして、
早めに教室に着くと、いつも生徒が2、3人早めに来ていて、質問を抱えて待っています。
この前は中国人のエンジニア専攻の女の子に
「エンジニアは女の子が専攻するもんじゃ無い。就職活動をしているけれど、肉体的にきついものや、出張を多く強いられる物が多くていやだ。自分は音楽専攻になりたい。」と言われて、ちょっと困りました。中国人の女の子でかなりピアノは弾けるようなのですが、音楽の理論的な理解はほぼ皆無で、不思議に思っていた子だったのです。それに「女だから」とか、「男だから」と言う考え方は私は個人的に避けるようにしているので(まあ、アメリカでは一般の風潮がそうですが)、まっすぐにそう言う言い方をされると、反感を覚えるより先に戸惑ってしまい、一瞬言葉に詰まりました。でも、信頼されてそう言う相談を持ちかけられるんだ、と言うことは嬉しいので、出来る限り正直に応えるようにしています。
この前の水曜日のクラスは音楽理論の主任教授が偵察に来て、
一時間の授業をしっかり最初から最後まで見てコメントをくれました。
「君の熱意は素晴らしい!教科書の例をピアノで弾いて見せることが出来るのも素晴らしい!クラス全体が君の事を好きなのが、良くわかるよ」と褒められて、凄くうれしかった。
でも、「もっと生徒たちの音楽体験に、クラスの内容を近づけて。彼らが知っていると思われる曲を例に使うとか、工夫の余地があり!」と言われました。がんばるぞ!
週3回のうち、2回は宿題が出ます。
採点には結構時間がかかります。
スマイル・マークとか、コメントとかを減らせばもう少し早くできるかも知れませんが、
でも、登校・下校時のバスや電車の中とか、色々な待ち時間などを利用して、
どんな細かい時間でも採点をする様にしていると、この朝の準備時間を採点に費やさなくて済みます。
採点も結構楽しい。
生徒がどうして間違えるのか考えると、次の授業の工夫へのアイディアが沸いてきます。
とても集中して、たまに自分がバスに乗っているのか電車に乗っているのか忘れてしまいます。
採点をしていると、一人一人の生徒の顔が思い浮かびます。
皆、それぞれ正直にがんばっていると思います。えらいな~
クラスが終わったら、自分の練習をします。このごろは練習時間がとても減っていて、一日2時間出来れば良いほうです。引越しが完了して、登校時間が半減以下になったら、もっと出来ると思います。
午後はオーケストラのリハーサルが5時から7時まであります。
今、私はレスピーギのTrittico Botticellianoと言う曲のピアノパートを担当しています。この曲は画家、ボッティチェーリの三枚の絵に触発された3楽章の曲から成る交響詩です。結構弾きっぱなしのピアノパートで、楽しいです。指揮はトーマス・ホング氏。ダラス交響楽団のアシスタントとライス大学のオケのアシスタントを掛け持ちしています。時間のやりくりが大変そう!でも大汗をかきながら、楽しそうに指揮をする、3枚目です。中国系かな?レスピーギは聖歌や、ルネッサンスなどの音楽に興味を持ち、その影響を自分の作曲に多いに取り入れた人です。去年中世音楽、そして今ルネッサンス音楽の授業を受けているので、前よりも如実に彼が取り入れた音楽の要素が分かります。
7時から、電車とバスを乗り継ぐと、帰宅は8時半ごろになります。それからお夕飯を食べて居ると、もうその後DVDとかを見て憩いの時間を作ろうと思っても、大抵DVDの最初の10分で熟睡してしまいます。

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