アメリカの小学生に出される宿題。

私はアメリカは高校生からだし、 生徒を教える楽しみの一つは彼らの学校生活や学校のカリキュラムについて聞く事だ。 日本とはあまりに違っていて、正直びっくりする。 先週、いつもはシャイで反応を引き出すのが難しいSちゃんが もう止まらないほど興奮して話してくれた学校のプロジェクトはこんなものだった。 (ちなみにSちゃんは小学六年生) アメリカ合衆国がゾンビに乗っ取られてしまった。 クラスで4人のチームを作り、その4人プラス、リストから選ぶ3人で力を合わせて 生存を賭けたアメリカ合衆国脱出計画を練れ、と言うのがプロジェクト。 まず、ゾンビの特性については詳しく書かれた資料を渡される。 力は人間の数倍出せるが、走るのは人間の半分の速度。 知力が無くなっているが、お互いとのコミュニケーションは取れる。 視力・聴力は人間並み、など) リストから選ぶ3人については、 職業、特技、年齢、健康状態などが詳しく書かれたリストから 自分たちの生存の確立を最も助けてくれそうな3人をチームで討議して選ぶ。 食糧確保から、交通手段、逃走ルート、最終目的地まで 地理、算数、社会、チームウォーク、道徳、読解力、など 本当にあらゆるスキルを総動員して取り組むプロジェクト。 そして何より、楽しそう! 先生だってかなりの時間と労力と工夫を費やして ゾンビの特性のリストや、チームメート候補者のリストなど 頑張って作っているのだろうけれど、 でも、生徒が生き生きとプロジェクトに取り組むのを見れるのは楽しいだろう。 そう言えば、私の生徒でカタツムリの様な上達を一年続けて来て やっと両手で弾けるようになった二年生が突然 スターウォーズのダースベーダ―のテーマを両手で立派に弾きこなして 得意そうに弾いて聞かせてくれた。 リズムも複雑で、レッスンでまだ教えていなかった黒鍵も駆使して、 蛇の様な物凄い指使いで、でも使えることも無く楽しそうに何度も弾いてくれる。 やっぱり「好きこそものの上手なれ」なんだな~、と思います。 ゾンビ・プロジェクトの先生もゾンビが好きなのかな?

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Sublime and Beautiful

今、文献をが~っと読んでいる。 3章目を書き始める下準備で、どの本を読んでいても必ず何等かの形で引用されている 19世紀ロマン派思想と文化史に音楽史を照らし合わせると言う教科書のような本。 どうしても避けては通れないと言う感じだったので腹をくくって専念して読んでいる。 Carl Dahlhaus ”Nineteenth-Century Music” English translation by J. Bradford Robinson, University of California Press/Berkeley, Los Angeles. 1989 む、難しい… イントロでまず最初に19世紀の政治史をバーっと出されて 「1830年の革命がこの様な音楽的傾向を引き起こしたとする音楽学者は多い」とか。 でも、私は『1830年の革命』がまず何たるかを知らない。 あわててWiki.…おお、そうか、そうだったのか~。 そういう作業をカタツムリのように続け、 やっと政治史の箇所を読み終わったと思ったら結論が 「要するに、政治史と音楽史に重要な関連性は見られない」 が~~~~~~~ん。…。 私の4時間を返して… しかし、やっぱり新しい情報を取り入れていくと言う作業は楽しい。 ワクワクして、次は何を提示してくるんだろう、と待ちきれない気持ち。 その中でたった今、どでかい概念にぶちあったった。 「Sublime and Beautiful」 これは私も聞いた事があるぞ! しかも、ロマン派を理解する上で非常に大事な概念だと言うことくらいは知っているぞ! と、言うことで、ブログに書いて復習。 まず最初に、今私たちが「ロマンチック」と言うときに意味する いわゆる感情的に「甘い」「心地よい」「美的」と言う感覚。 これは実は19世紀では無く、18世紀の考え方に基づいている。 啓蒙主義と、貴族と教会の絶対権力の崩壊を経て、 個人の思想と言うものが重要視され、教育の権利が広まった。 それまで沢山の文化活動にアクセスする機会を持ちにくかった社会階級が 一挙に公開演奏会などに聴衆やアマチュア奏者として参加するようになり、 そして音楽に求めたものは「感情」だった。 感情を呼び起こさない音楽はただのノイズとされた。 しかし本当の意味での音楽に於ける「ロマン派」が確立するのは19世紀。 私の拙い和訳でDahlhausの引用をどうぞ。ちなみにページ88です。 19世紀の音楽美学の一般を、音楽を人間的行為のヒエルアーキーの一番上に押し上げようとする努力だったとすることは可能である。E.T.A. Hoffmanは純粋な器楽音楽―ハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンの交響曲―を音楽以外の高尚な概念に基づき、「永劫」と「絶対性」を垣間見させるものだとした。リストは彼の交響詩に於いて、文学や伝説の傑作を音楽と言う言語に置き換えることで器楽曲をより高尚な物にしていると考えていた。二人共、Eduard Hanslickが言うように、音楽と言う物を「知性に影響を及ぼす可能性を秘めたもの」とした。 It is possible

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Information wants to be free vs. expensive

Aaron Swartz(1986-2013)と言う人は日本ではどれくらい知られているのだろう? 今、ヒューストン日本人会の餅つき大会・新年会の帰りの車の中で Aaron Swartzの短い生涯を描いた本の著者がインタビューされていて、 それにびっくりした。 Aaron Swartzは情報の自由化を呼びかけた、インターネット『革命』の活動家。 彼はJstorと言う、学術論文を主に公開する会員制のサイトから 非会員として学術論文を4万以上ダウンロードし、 Jstorのサーヴィスラインをパンクさせて、罪に問われ訴訟された。 JstorはAaronが論文を全て返却した段階で 検事側に「もう求刑は必要なし」と通告したのだが アメリカ政府はAaronがハッカーなどの間でアイドル的な存在だったことも在り 彼を見せしめにするために求刑を続行。 二年間の裁判争いが実刑に終結しそうになったところで Aaronは26歳で自殺した。 しかし、私がびっくりしたのはすでに大まかに知っていたAaronの生涯よりも (自殺はアメリカでは大きなニュースになった) 著作権をめぐる歴史とその賛否両論。 コンピューターがまだ巨大計算機に過ぎなかったころ 「コンピューターの将来は計算機能では無く、 情報を貯蓄し、自由にアクセスして配布できる機能にある!」と宣言して Project Gutenbergを立ち上げたMichael Hartと言う人。 1971年に立ち上げた当初はコンピューターがある大学で不法に寝泊まりし、 日中はバイトで稼いで、夜は一人で兎に角聖書をコンピューターに手で打ち込んだらしい。 Information wants to be free vs. Information wants to be expensive. このジレンマ。 皆が良識を持っていて、 社会が著者や研究者の最低限の生活を保証してくれる世の中であれば 情報の完全自由化はこの世を良くするかも知れない。 Information wants to be free. 私だって、報酬無関係に、 好きな時に聞いてくれる人にいつでも演奏できたらどんなに楽しいか。 私たち演奏家は弾きたい、演奏したいんだ! そして著者は皆、読んで欲しいんだ! しかし同時に私たちはそれに生活を賭けている。 さらに、報酬が成功・価値・必要性などを反映するバロメーターになっている資本主義の中。 Information

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女流ピアニストの進出がピアノ演奏様式を変えた!

論文を書くための文献を読んでいると、その文献が引用している文献で 「ああ、これは読んでおいた方が良いな~」と言う物がどんどん出てくる。 元気な時は「やった~!この本にはどんな新情報が??」とワクワクする。 「私の論文は本当に終わるんだろうか」と不安になっている時は「Oh no…」と ちょっとだけ思う。 その「Oh no…」の時に見つけてしまい、昨日まで読まなかった記事に昨日びっくり! 私が「こうだったんだろうなあ」と想像で書いていて 「でもこんな事断言しちゃってよいのかしら」と不安を覚えていたことの沢山が この32ページの記事で一挙に裏付けが取れてしまったのです! 、 Katharine Ellis著、Female Pianists and Their Male Critics in Nineteenth-Paris Journal of the American Musicological Society, Vol. 50, No. 2/3 (Summer – Autumn, 1997), pp. 353-385 Published by: University of California Press on behalf of the American Musicological Society Stable URL: http://www.jstor.org/stable/831838 もう「ばんざ~い!!」と言う気持ち。 何が書いてあったのか。

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美しく生きる=感謝をする。

去年の暮れ。 警察にお菓子を持って行った。 日本の警察署がどうだか知らないが、 アメリカの警察署は金属探知機を通り、荷物検査があり、 さらに身分証明書うを見せてから、面会の警察に下まで迎えに来てもらって 始めて上のオフィスまで上がることができる。 このとき私は部署の皆に食べてもらおうと思ってクリスマス用の大きな菓子折りを持っていた。 そしたら受付で私の荷物チェックをした警察が 「事件の解決でもあったのですか?」と実に不思議そうに聞いてきた。 クリスマス前。 大学では色々なオフィスに皆が小さなプレゼントを一杯持っていく。 それなのに、警察には誰もそういうものを持っていかないらしい。 私の方がびっくりした。 確かに警察はお役所仕事で私もぎりぎりする事がある。 やる気が無い警察官も居る。 税金で給料をもらっているのに…と言う世論をよく聞く。 それが今回被害者となって実感した。 サーヴィス業なら常識的な礼儀や配慮が全くない。 傍若無人で、しかも仕事が理解を超えるほど遅かったりする。 「正義感を持った熱血人が警察になるのじゃないのか?」と 今ではお友達になった社会福祉のAさんに愚痴を言ったら、諭された。 警察の自殺率と言うのは凄く高いのだそうだ。 正義感を持った熱血人が付く仕事なのに、実際に仕事を始めるとルールでがんじがらめ。 犯罪撲滅に関わりたくても、全く関係ない事を延々とやらされたり、 逆に犯罪対策に関わったら成功率の低さに絶望したり… そして、一般公開されている警察のお給料を見せてくれた。 愕然とするほど安かった。 私は今回ストーカーに付けられたりして、それなりに危険を感じたりしたが、 私が一人のストーカーに対して感じる危惧の数倍を、警察になったら毎日感じているだろう。 それが、「税金の無駄遣い」とか言われて感謝もされず、 被害者には犯罪が解決すれば当然のように受け止められ、 逆に解決しなければ、感情のはけ口にされたりして、やるせないだろう。 そしてお給料は本当に安い。 これじゃあ、正義感なんて吹っ飛んでしまうかも知れない。 お菓子を持って行って良かった。 愚痴をAさんに聞いてもらって、警察に直接文句を言わなくてよかった。 皆それぞれのチャレンジを抱えて、それでもそれなりにできるだけ頑張っているんだ。 優しい気持ちで、感謝することに、努力しようと思う。

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