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今日は正午過ぎの飛行機でマドリッドからヴェニスに行くのに、ブラッセル経由。 ブラッセルで5時間あった。 ちょっと迷ったけれど、やっぱり空港を出て、街を見に行くことにした。 気温は摂氏18度。 皆日本の秋のかっこう。 そして思いがけない観光地。 いたるところにチョコレート屋さん、ワッフル屋さん、Belgian Frites(要するにフレンチフライだけれど、マヨネーズをかけて食べる)…、そういえばベルギーはビールも有名。 でも、なんかみんな楽しそうでないのは、空がどんより曇っていて、外が肌寒かったから? こういう風に知識不足で、印象と独断と偏見だけで国柄に意見してしまうのは非常に危ない。 物凄い大聖堂や、金ぴかの劇場や教会に囲まれた広場、 市場が開かれるにぎやかな市場など、色々見て回ったけれど、 その人ごみに反比例して、なんだか暗い印象なのは、 私が疲れていたから?。。。だけとも思えない。 ドイツ人のファンタジー作家、ミヒャエル・エンデの『モモ』をご存知の方々には 『灰色の男たち』に毒された後の街、という感じがした、と言えばわかっていただけるだろうか? 町並みも建築物がとっても面白かったけれど、窓が敗れたまま放置してあるもの、 壁がすすけて歪んでいるもの、そういうのが目についた。 華やかな大聖堂から道一本入ったら、ドキッとする数のホームレスがたむろしていた。 たまたま、かも知れないけれど。 れっきとした観光客として、Belgian Fritesを注文してみた。 お店のお兄ちゃんも不愛想。 半分食べて、道端に座り込んでいた親子のホームレスに 「食べ残しで悪いけれど」とあげたら、6歳くらいの女の子ががっついて食べた。 お母さんに感謝された。 今夜はヴェニスで一泊します。
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今、私の左横のキッチンでは、グランタン風シチューがぐつぐつ煮えています。 スペイン一日目にチーズに合わせて買った大きな丸いしっかりとした固い発酵パン。 あんまり美味しかったのでかなり食べたのですが、それでもあんまり大きくて、 4分の一残ってしまった分はもう固くて歯が立たない。 チーズもほぼ毎日楽しんで食べたのですが、とても強いチーズが多く、 ちょびっとずつ食べるので少しずつ、強いものから残っています。 そしてチーズ屋のおじさんとそのお店が大好きで、一昨日戻って、 その際買ったヤギのミルクとヨーグルト。 これらの残り物を全部有効利用すべく、 私は今、バターで玉ねぎとマッシュルームを炒め、 その上にヤギのミルクを入れて固いパンを煮込み、 最後にブルーチーズとその他数種のチーズのかけらを全部溶かして入れて、 頂こう、としているのです。 ああ、幸せ。味見も楽しい、ぐつぐつの音も楽しい、 麻衣子さんに料理の経過を感動を込めていちいち報告するのも楽しい。 今日の私たちが寝坊したあとしたことは、 ただ単純に絵葉書を買い、郵便局を探して切手を買った、それだけです。 でも道中、足の向くまま、気の向くままで 惹かれるものあれば必ず足を延ばして堪能し、感想を交わしあい、 そうやって素晴らしい陽気の中をテクテクと歩いて、 その過程が本当にうれしい。 練習しない生活と言うのは、本番に向けていない生活と言うの、はこんなに余裕があるものか! これが明日で終わらなければ、逆にどうやって時間を使っていいか戸惑ってしまうのですが、 今日だけの一時休符だから、思う存分楽しめる。 さあ、グラタン風シチュー、いい具合! 麻衣子さんはきっと感嘆してくれる! スペイン最後の日も、最高の一日!! 明日の夜はヴェニスです。
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今日の私たちは凄かった。 まず、マドリッドの西側、ウォーキング・ツアーと言うのに参加しました。 http://www.ogotours.com/madrid-free-walking-tour 朝の10時から1時半までかなりの暑さと日差しの中、 マドリッドのお城、聖堂、歴史ある市場広場、ヨーロッパ一古い食堂など見て回り、 マドリッドの創立から現在に至るまでの歴史を 王族の代々の家系、イスラム・ユダヤ・キリスト教信者の関係と迫害、歴史的エピソードや伝統などの お話しを聞きながら歩き回ったのです。 面白かったことはいろいろ。 最初に、そのビジネス・モデル このツアーは全く無料です。 オンラインで予約することはできますが、それもいい加減なもの。 何時にこの広場で、と言うところに出現さえすれば、参加することができます。 ツアーで回る観光スポットはあらかじめホームページで分かっています。 ツアー終了時に、参加者はそのガイドに提供されたサーヴィスに適度と思われるチップを渡すのです。 この会社とビジネス・モデルは10年前くらいに開発され、ヨーロッパでは定着した観光方法の模様。 ツアーの最初の時点でまず参加者はこのビジネス・モデルについて簡単な説明を受け、 ガイドの生活が受け取るチップにかかっていること、ガイドは会社のブランドとトレーニング、そしてビジネス・モデルの利用料として受け取るチップの半分を会社に払うこと、しかし参加者には支払の義務は無く、それがガイドのサービス内容向上のインセンティブになっていることを説明されます。 面白い! 人間はお互いを助け合いたがっていると言う基本的信念のもとに 10年も続いていることが素晴らしい! 次に私たちの今日のガイドのセバスチャンが面白かった こういうツアーだから、ガイドによってその経験が大きく左右されることは一目瞭然です。 この会社がどの程度までガイド内容のクオリティーコントロールをしているか知りませんが、 例え一字一句説明本文を暗記することが義務付けられていたとしても ガイドの個性と参加者との相性が、ツアーの印象を影響することは当然でしょう。 しかし、今日のツアーではセバスチャンのキャラクターが私と麻衣子さんの論点と一つとなりました。 セバスチャンはバンビの様な目をした熱血青年です。 可愛い顔をしているから、多分年齢より若く見えるのでしょう。まあ、20代半ばか後半か。 150年早く生まれていればリンゴ箱に乗っかって革命スピーチをしていたか、と言う 社会改革・現状不満のメッセージが溢れてしょうがない、 良い意味でも悪い意味でも「これが『青い』と言うことか」と、ちょっとだけ年上の私に思わせてしまう、 そんなツアーガイドでした。 確かにマドリッドの歴史は複雑で、今でもその説明は非常な心配りを要します。 参加者は20人で、世界中から来ている。 イスラエル人も、イラク人も、フランス人も、ロシア人も、 スペインが植民地にした南米、東南アジアの人々も居て、 宗教もカトリック、プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教と実に多様。 そう言う中で、血まみれの宗教迫害の歴史を説明し、 ヨーロッパの王族同士の戦争・政略結婚、そしてスペイン帝国の植民地の支配などについて話すのは 至難の業、と言うことは良く分かります。 セバスチャンは、歴史的年号・名前・権力関係、すべてを暗記で機関銃のように喋りまくります。 その知識量には、心から脱帽! しかし、事実を披露するだけでは我慢ならず、 自分がいかにスペインに植民地化された南米コロンビア人とスペイン人のあいの子で、 抑圧や偏見については実感しているか、 イカに政治的でも宗教的でも人権の抑圧は良くないか、 原理主義は歴史上どの宗教にもあって、今ISISがいろいろ問題を起こしているからと言って アラブ人全員にそのステレオタイプを押し付けるのがいかに間違っているか、などなど 私たちが質問を挟むのもはばかられる勢いで、一生懸命語り続けるのです。 セバスチャンのかわいい顔とその懸命な勢いのミスマッチは、 私のマドリッドの明るい包容力の印象と、 昨日Reina Sophia 美術館で見たピカソの『ゲルニカ』を初めとする戦争の絵とのミスマッチと…
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練習をするつもり、はあったのです。 これははっきりと言えます。 私たちはClarinetFest中のリハーサル・練習会場に行って、 受付に誰もいないので、勇気を出して暗い建物に入り、電気のスイッチを入れることまでしたのです。 その途端「ウィ~ン、ウィ~ン、ウィ~ン、ウィ~ン」と警報が鳴りだし… 走ってきた係りの人たちに身振り手振りで「練習!練習!」と言ったら 「9月1日まで閉館です。」 とスペイン語でおごそかに告げられてしまった。のです。 そうしたらもうすることは二つだけでしょう! 1.ゆっくりする。 2.スペイン文化にどっぷりはまる。 1.をまず達成すべく私たちがしたこと。 まず、カフェでゆっくり食事。 内容:絞りたてオレンジジュース。コクの深ーいコーヒー、チョコクロワッサンと、雑穀クロワッサン。 そして、果物屋で大袋1ユーロでたたき売りしていた桃一袋を買い、 約3時間かけて砂糖煮を作る。 作る過程で桃をきれいにしながら、一つ一つかじり、味比べをし、 それぞれの桃の個性の強さについて麻衣子さんと二人で話し合う。 大量に出来た砂糖煮を、パンに乗せたり、チーズと混ぜたり、ヨーグルトを乗せたりして楽しむ。 そして「音楽家である意味」とか「将来」とか非常に壮大なトピックで大学生のように熱論を交わす。 2.の『どっぷりスペイン文化』に移行したのはもうすでに夕方5時! でも大丈夫。スペインは実に、実に夜型の国なのです。 まず私たちはReina Sophiaと言う美術館に行きました。 ピカソのゲルニカを中心に、ダリ、ミロー、ゴヤと国内戦、第一次・二次世界大戦ごろの スペインの絵画を見て回り、その暗さの中にも熱情を込めた表現に圧倒されました。 そのあと、フラメンコを見に行きました。 すごい!すごい! 女の人が強い!しかも私たちが普通「ダンサー」と言ってイメージする年齢より2周り位年上の 多分50代の女性が実に力強い、ダイナミックで、太っ腹で、エネルギーが感染するような 物凄い踊りをギラギラとした集中力を持って見せてくれ、私は本当に触発されました。 自分もああ言う女性に成長したい。 フラメンコを踊ってみたい! そのリズム感、躍動感、生命力、そしてこだわり、誇り、逞しさ。 最後に行ったのは、タパス・バー。 飲み物を注文すると、飲み物に食べ物がくっついてきて、びっくりするような安さ。 そして出される小皿料理が、酢漬けや、イベリコハムなど、素朴でおいしいのです。 そしてバーテンダーのミゲルはやさしい顔をしてお客さんを見守り、 静かに確信をもって思いやりのあるサービスをさりげなくこなし、 いかにもよそ者の私たちも、絶対に疎外感を感じないように 素晴らしいタイミングでさりげなく挨拶や、小さなコメントで会話の糸口を提供し、 本当に地域に根付いた、古~きよきたまり場、という感じのところ。 私たちは二回目です。 ミゲルは私たちの最初の注文を覚えていてくれて、 「ドリンクはこれだね?」とさっと確認して出してくれます。 シードレと言う、スペイン特産のリンゴジュースを発酵させた炭酸の強い甘いアルコール。 近所の人たちも私たちをにこやかに迎えてくれます。 10席くらいしかないのですが、お互い知り合いっていう感じ。 今日は隣に座った酔っ払いのおじさんに全部おごってもらっちゃいました。 なんだか、うれしい。 スペインは、ものすごい包容力でもって、私たちを迎えてくれます。
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くたくたの私たちが今朝起きたのはびっくり9時半! 大慌てで支度をして、ClarinetFest最終日に駆け付けたのは 10時半から私たちが今シーズン何曲か演奏するMarcus Maroneyと言う作曲家の演奏を聴くためです。 ヒューストン在住の作曲家。 ホテルに帰ってきて私たちを元気づけてくれたのは、朝食です。 2日前に買ったチーズは毎日食べるたびに感動するおいしさ。 そしてチーズに合わせて買った、そのときはまだホカホカだった、 生地を発酵させてから焼くパンは 毎日味が変わり、その味の深さと進行振りは、私たちの会話を盛り上がらせます。 果物、昨日買った、いかにもスペイン!サングリア・ティー。 すべてがやっぱり素晴らしく快活! (そう言えば、昨日はモヒト・アイスも食べたのでした。おいしかった!いかにもスペイン) 元気づいた私たちが繰り出したのは、観光スポットEl Rastro. 要するに毎週日曜日の蚤の市。 スペインのお土産が買えるかも。。。と言う当初の期待は即却下。 特にスペイン色が強い品物がある、と言う訳では無いのですが、 「これ、代々家族で使ってきたでしょう!」みたいな 清潔さがちょっと疑問のナイフやフォークから 工芸品、装飾品、アイディア商品、金具、ポスター、アンティーク。。。。 生活臭する面白いものが、何ブロックにも渡って所せましと出店に並べられています。 一般的な極彩色的な色使いから、 お客さんや店番の服装、 彼らと交わすカジュアルな挨拶や目線、 そのすべてが楽しい。 そんな中私のハイライトは二つ。 一つは5人組の音楽家の大道芸に遭遇したことです。 https://www.facebook.com/maiko.sasaki.7315/videos/vb.628617104/10152908942517105/?type=2&theater¬if_t=mention # 100人近い聴衆に輪車に囲まれた彼らは、受け狙いのツボを心得て みんなを笑わせ、虜にして、自分たちも本当に心から楽しそうにカメラ目線を送ってきます。 私たちは本当に楽しい旅の思い出をもらいました。 でも、そんな彼らのパフォーマンスや音楽がちょっとうらやましい反面、 そういう音楽は私の拠り所、バックボーン、『道』にはなり得ないと言うことも分かる。 人生、紆余曲折を経験すればするほど、 私は自分の音楽がいかに私の人生と価値観と信念を助けてくれているか、 いかに文字通りの拠り所になっているか、感じ入ります。 どうして、ああいうみんなが大笑いして、大好きで、楽しい気分に瞬間的になれる ああいう音楽じゃ、それがかなわないんだろう。 そういうお話しを麻衣子さんとしました。 麻衣子さんとの友情も、私のバックボーン、拠り所、私の成長の『道』です。 そんな麻衣子さんと、お揃いで面白いお洋服を買いました。 ヒューストンで10月に予定している凱旋公演でお披露目します。 見たらきっとみんな今日の私たちの楽しい気持ちを感じていただけると思います。 ファンド・レイジングにご協力くださり、今回の私たちの旅行をかなえてくださった皆さんに、 私たちの気持ちです。 お楽しみに
