病気の時に読む本

もう一日、病欠してしまった。
体温計を所有していないので、はっきりと自分に熱があるかどうかが分からないのだが、
とりあえず昨日よりは気力もあり、体の節々の痛みもほとんどひいた。
それでも、免許証の更新の為の手続きをオンラインでやる、などと言う簡単な雑用をしただけで
10分くらいうとうと寝たくなってしまう。
この病欠中、本は沢山読み漁った。
今回改めて感動したのは、幸田文の「台所の音」と言う短編集。
彼女の描写能力はすごい!
静かに、情景が情緒を伴ってありありと思い浮かんでくる。
本当に別世界に連れて行かれる。
それから村上春樹の「神の子供たちは皆踊る」と言う短編集。
この人も独自の文体と世界を持っているが、幸田文の様に洗練はされていない気がする。
勿論、そういう世界を目指してもいないと思うし、世代も違うのだけれど。
もう少しショック・ヴァリューが大きくて、一瞬息を呑むが、残るものがもう少し浅い。
でも、短編集の村上春樹の女性のキャラクターは、長編ものより面白い。
長編物の村上春樹の女性キャラクターはなんだかパターン化している気がする。
新しく出た「1Q89」はどうなんだろう。
病気の時は本当に日本語の本しか読みたくない。
どうしてだろう。
でも今日はずいぶん回復してきていて、その証拠に今英語の本を読んでいる。
"Mozart in the Jungle~Sex, Drugs, and Classical Music" by Blair Tindallと言う本で、
音楽関係の本を読む気になっているのも、自分の回復状況を反映していると思う。
これはニューヨークを拠点にフリーランスで活躍した女流オーボエ奏者のいわば暴露本で、
私の知り合いも出てくる、と前から噂には聞いていた本だった。
まだ5分の1位の読みかけだが、噂よりも随分きちんとリサーチしてまじめに書いてある本で、
政府の文化補助金に関してなど、ずいぶん私の知らないことが多く書かれているし、
確かに私の知っている人も結構出てくるので、楽しんで読んでいる。
明日は、韓国に公開レッスンと演奏の為に旅立ったペリー先生の代りに
学部生のレッスンを少しすることになっている。
明日は元気に頑張りたいと思う。

2 thoughts on “病気の時に読む本”

  1. 風邪で臥せっている時の讀書、これがまたいいのですよね。 軽めの病状のときは量も進みます。 でも望ましいのは「完全休養」。 恢復期、なお、お大事になさってください!!!

  2. >enesco-bachさん
    コメント、ありがとうございます。
    本当に寝転がって本を読むのは楽しいですね。
    でも確かに優先事項は回復です。
    今日から練習など、日常の生活に戻そうと思うのですが、とりあえず健康第一で、あまり焦らずに行こう、と思っています。

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