書評:森下典子著「日日是好日」

私の妹の送ってくれた小包がちょうどクリスマスイブに届いた。

妹は本当に私の心を暖かくしてくれる名人だ。

「こだわりました!」と言う感じのお餅やあんこ、

そして「あやが好きなの!」と言う感じのお菓子や飴と一緒に

スペシャル包装に包まれてきたのが、この本「日日是好日」。

「なんか爽やかな気持ちになれるの~」と言う感想付き。

茶道の本だった。

いや、違うな、これは茶道に反映させた、奥ゆかしい自叙伝だ。

何と言うか、茶道を20何年やっていくことで、だんだんと磨かれてくる感性に素直に感動して、

そして卒業、就活、失恋、などと言った人生のビッグイベントに照らし合わせて

どんどんと茶道を心の拠り所にすることを生きる術にしていく様が描かれている。

利休とか、私にはよく分からないお道具の固有名詞とかも出てくることは出てくるけれど、

大事なことは、茶道を通じて筆者の森下典子さんが、五感の全てで世界に向き合うことを学ぶ、

その過程なんだと思う。

そう言う風に一般的にまとめると、私が今書こうとしている本もまったく同じかも。

自分が舞台恐怖症を克服する過程で勝ち得た人生観と自信について書こうとしているのだけれど、

でも、苦しい。私は苦しんでいる。

森下典子さんも、例えばお父さんの急死の事や、結婚を2か月に控えたタイミングでの破談など、

そう言う絶対個人的には苦しい話しを、茶道の話しをするのに必要な逸話の様に書いているのだけれど、

自分の胸をえぐるようなエピソードを詳細を一切割愛して小出しにするとき、

自分の中に残るえぐいダシガラの様なものをどう処理して良いか、分からない。

誰かに分かち合ってほしい。

森下典子さんや、Black Boxの伊東詩織さんや、みんなどうやったんだろう。

どうやって気持ちに片を付けたんだろう。

知りたい。

この本には慰められた。

もう一度最初から、今度は音読してみよう。

 

あや、ありがとう。

 

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