指揮

今週末は盛りだくさん!

今週は、先週末のリサイタルに始まって、火曜日の中世音楽の試験、それに続くもろもろで怒涛の様に過ぎて行った。いつもその日暮らしで、次の日の宿題を夜遅く始める、と言った感じのアップアップで、深夜過ぎの就寝が続いた。今、夜の9時前―今日は超早寝をするつもりである。 今週末も盛りだくさん! 明日は朝一で指揮をする! ライス大学には、音楽専科で無いけれど楽器をたしなむ人のためのオーケストラがある。「カンパニーレ」と言う名前で、土曜日の9時から1時までのリハーサル。年に4回、チャンと演奏会もする。その演奏会で今度、ラヴェルの「マザーグース組曲」の4番と5番を振る事になったのだ!明日が初リハーサルである。ワクワク。この5番目の「妖精の庭」と言う曲ががどんなに素晴らしい曲か、ちょっとこちらで実際に味わって見て下さい! http://www.youtube.com/watch?v=OXHq4NZ1zPU この指揮者は誰だか知らないし、背景の客席はがらがらだけれど、素晴らしいではないですか! 他にYoutubeでSimon RattleやAndre Previn, Myoung Wang Chungなどの有名どころが色々指揮しているのが見れるが、Simon Rattle のベルリン交響楽団の指揮はクライマックスの一歩手前で切れてしまうし、(録音を買えと言う事なのでしょう―この時のコンマスもヴィオラの主席も両方日本人!時代は変わったものですね)他のヴィデオも色々在って、私はYoutubeではこのヴィデオが一番好き。 そして、お昼は日本大使館にお勤めする2人の日本人女性と、クラリネット奏者の麻衣子さんと私で、お食事会!素敵なフランス料理やに行きます。とても楽しみ。 夜はゴールドベルグの演奏。この前の土曜日のリサイタルに生憎色々な都合で来れなかった人たちのリクエスト、さらに私の自分に対する名誉挽回! 日曜日は12時からもう一度ゴールドベルグを弾いて、2時半からCharles Halkaと言う作曲で博士課程の勉強をしている人のリサイタルに出演して、その後Charlesの開催する打ち上げパーティーに参加。 と、言うわけで今日は絶対早寝が必要なのです。

今週末は盛りだくさん! Read More »

指揮、再考

来週火曜日、待ちに待ったヒンデミット「白鳥を焼く男」の指揮本番が在る。 それに当たって、ライスで崇高されているLarry Rachleff に昨日ドレスの時の自分の指揮のヴィデオを見てもらい、批評をもらった。 「う~ん、君の今の指揮は拍が4か所に在るねえ。右手、左手、頭と胴体。まずこれを右手だけに絞ろう。左手は表現の指示を出すために自由にしておきたいし、胴体や頭の動きは右手の拍から奏者の注意を散漫にしている。当初は凄く自分がエネルギー放出量をケチっている様に感じるだろうけれど、信じてやってみて。今まで分散していたエネルギーを全て右手の小さな動きに集中させるつもりで」 「息を忘れずに」 「音楽的な意図を自分の中ではっきりとさせてから指揮台に臨めば、棒は考えなくてもきちんとその意図をコミュニケートをしてくれるよ。君のテンポがたまにぶれてしまうのは振り方の問題では無く、フレーズの方向性や歌い方の意図が頭の中ではっきりしていないからだよ。もっともっと曲を掘り下げてごらん。」 指揮の勉強はまず、オケのリハーサルを際限無く見学することから始まる。私は今までそれでも頑張って週に12時間あるオケのリハーサル中行けるだけ行ったが、座ってはいても頭の中はしょっちゅう空想の世界で遊んでいて、全然見ても聞いてもいない事が多かった。ところが実際自分に指揮の機会が与えられて、実際的な疑問が色々湧いてきて俄然、物凄い集中してオケと言うのはどう言う物なのか、どうやって指揮するのか凝視するようになった。そして色々発見が次々湧いて来たのだが、今日は(昨日のラリーの批判にヒントを得て)凄い発見をしてしまった。 楽器を弾く時、上手く脱力して、一番楽な方法で弾いた方がより豊満な音が出る、と言う事は熟知していたつもりであるが、指揮も同じなのだ! 私は一生懸命に、がむしゃらに「こんなに頑張っているから、皆付いてきて!」と言うアピールばかりしていたような気がする。力いっぱい、息を切らせながら、体中使って指揮していた。でもそうじゃないんだ。 楽に、ある程度達観して、自然に指揮しないと。奏者も息がつまっちゃうし、緊張しちゃうし、テンションばかりあがっちゃう。 う~ン。

指揮、再考 Read More »

再び、指揮反省

今日は3回目にして最後のリハーサルが在りました。 後は11月3日と9日に二回の本番が在るのみです。 反省点を幾つか記録して、これからの糧にしたいと思います。 ① リハーサルの技術について その一) 何かを繰り返す場合は、何を上達したくてその部分を繰り返しているのか、奏者に明確にコミュニケートする事。今回の場合、独奏者がいたので、独奏者の意向に気を使う余り、オケ奏者に対してこう言う心遣いがとても足りなかったと思う。 その二) 振る行為に一生懸命になる余り、聴けていない。注意点を思い出せない。一生懸命振っても音は出ない。音を出すのは奏者。こちらは冷静に振って「仕事」をし、一番大きな仕事は客観的に聴く、と言う事だともっとちゃんとわきまえる。 その三) もっと褒めなきゃ。自分の能力の無さにを痛感することに一生懸命になって、自分の足りない指揮の技術にも一生懸命付いて来てくれて、最高の演奏をしてくれようとしている奏者の苦労をねぎらい、演奏を褒め称える気持ちを忘れちゃいけない! ② 指揮の技術 その一) 特に大事な所で振る事に一生懸命になる余り、頭まで振ってる。頭の動きが手の動きより大きく、それに比例して遅いので、手の動きが読みにくくなる。 その二) 管楽器になったつもりでもっと息をしよう。特に管に入りの合図を出す時は、一緒に準備の息をしよう。 その三) もっと奏者の目をはっきりと見よう。 ③ リハーサル中の情報伝達 その一)もっと簡潔に。言葉を少なく。明瞭に喋る。堂々巡りをしない。 その二)言いたい事が頭の中ではっきりさせてから喋り始める。

再び、指揮反省 Read More »

指揮考察、復習、作戦

土曜日の夜と、日曜日の午後、二日続けてヒンデミットのリハ―サルを振った。 色々考えの種をもらい、凄く勉強させてもらっている。有難い事だ。 ちょっとまとめ。 私思うに、指揮者の役目と言うのは二つあると思う。 ①実際的な役割;  その一)交通整理的要素。 オケ奏者と言うのは、パート譜と言うのから演奏している。パート譜に書いてあるのは、その楽器が担当する部分の楽譜だけである。例えばトランペットなど目立つか所では目立つけど休みが多い楽器などは、最初の46小節は休みで、その間にヴィオラのカデンツァ(独奏者が伴奏なしで一人語りをする所。テンポが自由で拍が分かりにくい)10小節、ゆっくりなイントロ23小節、そして早い本体がトランペットの個所まで14小節あって、いきなりソロのメロディーが一小節、さらに一小節半休んだ後でもう一度ソロが一小節在って、それからまた次の入りまで27小節待つ。指揮者はずっと振っているので、指揮棒を見ていれば今小節の中のどの拍なのか、さらにどのセクションなのか分かるし、大事な入りの所では指揮者が「今ですよ、ハイ、どうぞ!」と合図をしてくれるので、安心して吹く事に専念が出来る。特に最初のリハーサルでは、パート譜から演奏するのは言った事の無い場所に地図を見ながら運転している様なものである。特にスピードが在る時は他の車とかちゃんと見ている余裕が無いかも知れず、事故につながりやすい。指揮者は交通整理をするのである。それから音楽的効果の為に、あるいは作曲家の指示に従って、赤信号を出したり(フェルマータや、長い休符など)、交通渋滞(リタルダンド)を音楽的効果の為に作り上げたり、またはじょじょにスピード制限を上げたり(アクセルランド)、と言うのも指揮者がコントロールする。それぞれパート譜に「この音は長く伸ばす」「段々テンポを落として(あるいは上げて)」とか書いてあるが、どの程度、と言うのをコントロールするのは指揮者である。さらに、音量のバランスと言うのも「交通整理」の中に入ると思う。自分が吹いている時はその音で他の奏者の音が全く聞こえなくなる楽器も在るし、また頑張って吹いても他の楽器の音しか聞こえない楽器、と言うのも在る。オケの中で座る位置によっても聞こえてくるものはそれぞれ全く違って来る。その真ん中に立って「金管は少し抑えて」「もっと弦はボリュームアップ!」と、その日その日のホール、湿度、温度、客入りなどによって変わる音響を念頭に、音量のバランス調整するのも指揮者の仕事である。 その二)舞台監督的要素 パート譜から演奏するオケ奏者と言うのは、それぞれが自分のセリフだけが書かれた台本を手元に寄り集まって一つの劇を上演する役者の様なものである。大事な演奏会の為、あるいは皆が良く知っているベートーヴェンの交響曲など、それか勉強熱心な人はあらかじめ物語の筋を把握して来ているが、そうでない人はさっぱりである。 最初のリハーサルの段階では喜劇なのか、悲劇なのかも分かっていないかも知れない。指揮者だけが全てのパートを合わせた総譜を持っていて、練習をしなくて良い分勉強して来ている。ペース配分、究極的にどこに一番のクライマックスを持ってくるか、などの解釈に基づいた指示を出すのが指揮者なのである。例えば、「フォルテで(強く)入る」と言う指示はパート譜にも書いてある。しかし、それがガツンと怒鳴るように入るのか、あるいはたっぷりと歌い上げる様に入るのか、と言う違いは指揮者の手の動き、合図、そしてそれまでの経過で分かるはずなのである。 ②心理的な役割 その三)応援団的要素 オケで演奏する、と言うのは色々ストレスが強い。沢山の同業者と一緒に演奏する訳だが、特に最初のリハーサル、そして初演では未知の部分が多い。その真ん中に立って、交通整理、あるいは舞台監督の役割をしている指揮者と言うのは、皆に安心、勇気、闘志を与え得る立場にある。また、音楽の感情と言うの物を上手く奏者たちにコミュニケートして、オケ一体となって共感、共鳴して演奏する為のきっかけを作る、と言うのもこのカテゴリーに入ると思う。 反省としては、私は交通整理的要素の中の幾つかは出来るようになったと思うし、まだ苦手な部分はどうやって練習して上達すればいいかそれなりに把握しているつもりだ。ゆっくりなテンポでリズム感を崩さない、と言うのは凄く難しい。(ヒンデミットの「白鳥を焼く男」を御存じの方は一番最初のオケのイントロの所とか、二楽章の最初と最後、あるいは三楽章の中間部など) しかしこれは指揮棒を①たゆみ無く、②方向性を持って、③着地点がいつも予測出来るように、動かす事で達成できるはず、と言うのは頭では分かって来た。後は練習在るのみ。 舞台監督的要素と言うのも、私にはまだ総譜を勉強して筋を把握し、大体の解釈を決めるまでに物凄い時間を要してしまうが、何とか出来るようになって来ていると思う。前よりは進歩している。 一番駄目なのが、心理的要素である。自分に自信が無いのに、どうして人に自信を与える事が出来よう?でも、それは私の仕事の一部なのである。嘘でも、自信が在る振りをして、皆を安心させなければいけない。私の一番の問題は、不安になると、どうしても楽譜を見てしまって奏者を見れなくなる事だ。手だけで合図されるのと、目線と手と両方で合図されるのでは、絶対後者の方が効果的なのは当たり前である。私はもっと譜をちゃんと勉強して、ちょっとずつでも頭の中に入れられるようにしなければいけない。 次のリハーサルは火曜日の夜です。

指揮考察、復習、作戦 Read More »

指揮!

指揮はどうしてこんなに楽しいのだろう。 明日は夜9時半から11時半まで初リハーサルが在る。 その下準備で今日、独奏者のモリーにソロの部分を弾いてもらって鏡の前で振ってみた。 モリーから「凄い!弾きやすい!一人で弾くよりずっと楽!凄く明確!」 と、一杯褒めてもらって、モリモリ勇気が湧いてきた。 出来る! これなら明日は大丈夫。 もう11時過ぎ。 今週末は過酷なスケジュールなので、安眠第一。 お休みなさい。

指揮! Read More »