音楽人生

朝ぶろが浴びれる贅沢

アメリカに居ると本当にお風呂に浸かる習慣から遠のく。 何年もシャワーだけで過ごすなんて結構普通にあるし、 第一風呂桶が無い、シャワーだけのアパートも貧富の差関係無く沢山ある。 セントラルヒーティングが完備していること、 洋風の風呂桶は浅く、すぐ覚めてしまって「浸かる」「湯を愛でる」と言う文化が無い事、 色々理由はあると思うけれど、 私はやっぱり日本人なのだろうか? 最近寒くなって来て、 何だか布団から出るのが後ろ髪をひかれるようになって、 自分を元気にするつもりで朝ぶろに入ってみたら、これが素晴らしかった。 それ以降毎朝、マイブーム。 気持ちよい! 元気になる! それにしても、音楽人生と言うのは本当に特権階級だなあ、と思う。 お金は無いかも知れないが、自由になる時間がかなり多い。 朝は朝ぶろにゆっくり浸かれるし、気分が乗らなければ練習は後回しでも良い。 ゆっくり朝ごはん作ったり、ブログ書いたり、物思いにふけったりできる。 そして何より、仕事が自分が大好きな音楽だ。 幸せ。

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指導の難しさ:飴と鞭

昨日は久しぶりにオーケストラのリハーサルを聞きに行った。 指揮をかじったことも在るので、オケのリハーサルは一時期はかなりの頻度で通っていたが、 それを辞めた理由の一つは指揮者と奏者の関係と言うのが見ててつらかったと言うのもある。 この映画予告編は一年ほど前にブログに載せた記憶があるが、もう一度載せてみよう。 勿論、これはジャズバンドの話しだし、フィクションだし、映画だし、 これがこのままクラシックのオケ業界に当てはまると言っている訳ではないけれど、 でも指揮者が奏者に対して持つ権威、そしてだから起こり得るパワハラと言うのは かなり切実な問題だと思っている。 昨日見た指揮者は有名で、非常に効果的。 特に大学生レヴェルのオケを教育指導するのに一目置かれている。 しかし彼は昨日はかなり焦っていた。 コンサートまであと2回しかリハーサルが無いのに、 オケのモラルが落ちている。 実力の半分出ているか。 感謝祭とクリスマスの間の宙ぶらりんの時期。 学期の最終ダッシュ―期末試験、ペーパー提出、休暇の計画… オケの団員は青春真っ只中の学生なのである。 オケが必ずしも人生の最大重要事項ではない。 恋愛問題に悩む子も多いだろう。 家庭が複雑な子も居るだろう。 将来に悩む子は、ほとんどだろう。 そういう80人を2時間半、こちらに向かせて精一杯集中させるのだ。 そして自分の人生がかかって居るかのようにベストを尽くさせる。 並大抵の事ではない。 脅しや威嚇や皮肉が出るのも、分からないでもない。 厳しい道を選んだ音楽家の卵たち。 これから彼らが直面するであろう困難への訓練、と思えば愛情でもあり得るのかも。 でも、どこまでが愛情でどこからがパワハラなのか。 厳しい競争社会の中、セクハラ、パワハラが歴史的に横行する狭き門の業界への準備期間中 本当はこうあるべき理想郷、お互いへの尊重や応援を全面に押し出す教育と言うのも 良いのではないか?

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身近にある飢えの問題。

11月はありがたい事に毎週末、音楽的にとても大事に思う演奏会を弾くことが出来ました。 それに続いて、12月の最初の週末、金曜日の夜7時から出演する演奏会は 面白い趣向です。 入場料の代わりに、10ドル(約1200円)分の、保存食を持って来てもらうのです。 缶詰、赤ちゃん用の粉ミルク、乾燥パスタ、乾燥食品、豆、米などの穀物、など。 飢えの問題は難民キャンプやアフリカなど、遠い国の事と思いがちですが、 実はアメリカでも日本でも多いにある、見えにくいだけの現象のようです。 ヒューストンでは特に貧困は地域が限定され、 中産・上流下級とは距離があり、寄付の余裕がある人々の多くは気が付かない。 しかし、こういう地域の貧困は本当に深刻で、車を持たない人も多い。 しかし、こういう地域にはスーパーも2キロ半径に無く、 ヒューストンの公共交通機関はあまりにも頼りなく、 買うお金が無いと言う問題だけでなく、 容易に買いに行く手段がまず、無かったりする。 今度のコンサートで集める食料品は全てTarget Hungerと言うNPOに寄付されます。 このNPOはヒューストン界隈で実に3万8000人に食料品を届けるのだ、とか。 今朝初めてのリハーサルで、この演奏会を企画したトランペット奏者が語ってくれました。 私は多いに賛同! こういう演奏会に音楽を提供できることを誇りに思います。

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演奏後に皆で抱き合って泣きました。

昨日の「時の終わりのための四重奏」の演奏中、 私はこんなことは本当に初めてだけれども、何回か泣きそうになってしまった。 チェリストは泣いていた。 お辞儀の時は本気で泣いてしまい、楽屋で4人で抱き合って泣いた。 「時の終わりのための四重奏」が 第二次世界大戦中にフランス兵士としてドイツの捕虜収容所に居たメシアンが 収容所の中で書いて、初演した曲だ、と言う歴史的事実と 先週のパリ、今週のマリでのテロ惨事、 そして演奏前に 「負の力に抗って創造を続ける世界の全ての人々のためにこの演奏を捧げます」 と言った事、そういう事も今回の感動の理由の一部だったかも知れないけれど でもやっぱりこの曲は部屋を一体にする、 パワフルな、祈りのような曲なんだなと実感した。 お客さんが泣いていたかどうかは分からないけれど、 ゆっくりと始まった拍手はいつまでもいつまでも続き 一人ひとり立ち上がって最後は総立ちになってくれた。 音楽家になってよかった。

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充実!ー時間の不思議、惰性の法則

今週節目の誕生日が来た。 朝起きたら みなぎるようなやる気と、 憑き物が落ちた様な明るさが実感としてあった。 自分の反応をちょっと心配していた誕生日だったけれど、 沢山の人にお祝いしてもらっていて、楽しみな演奏の機会にも恵まれて、 素晴らしい誕生日となった。 誕生日翌日の昨日はスケジュールがびっちり詰まっていた。 朝の8時から夜の6時まで教えるのは毎週木曜日の事だけれど、 (昼食も教えながら取る、という感じ) その後7時から2時間半、今度の日曜日の演奏会のリハーサルがあったのだ。 でも、不思議と楽しい。 私の生徒の中でも最年少の5歳が昨日、 レッスン室に入ってピアノの前に座って、 最初の一音を弾いてからまじまじと私の顔を見て次を弾かない。 しばらく目を合わせてから、聞いてみた。 「Is there something on my face?(私の顔に何かついてる?」 そしたら、意外な答えが返ってきたのだ。 「Yes…HAPPY!(ついてる…ハッピーが!)」 この事は一生忘れないで、何度も反復して大事にしよう、と思った。 生徒は可愛い。 これから日曜日までは毎日リハーサルだし、その後も結構忙しい。 そしてなんでだろう。 「論文日」とか「論文の夜」とか大きな単位の時間を論文のために割くと 他の事が色々気になってメールしちゃったり、家事をしちゃったり 全然進まない日もあるのだけれど、 忙しいと、20分を利用して意外にぐんぐん捗ったりする。 こう言うのも「惰性の法則」と言うのだろうか? 忙しい日にゲームのように「今日はいつ論文を押し込めるかな}と工夫するのも、 何だか楽しくて、頑張ってしまう。 寸暇を惜しんで論文を書いて、 弾くときは真剣に心を込めて そして笑えるチャンスは逃さずに一々多いに笑って楽しもうと思う。 あ、そう言えば。 横須賀ゆかりのピアニストグループ「スカぴあ」のメンバーが贈る クラシック音楽番組『スカッとスカぴあ』と言うラジオ番組。 11月が私が「ピアノ史に於ける女性観の移り変わり」と言うテーマでお届けしているが 11月21日(土)朝10時半から30分の放送がもうすぐ! 今週のテーマは「クララ・シューマン」。 インターネットを通じて世界中どこからでも生放送をお聴きいただけます。 FMブルー湘南のサイトから、どうぞ! http://www.yokosukafm.com/

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