音楽人生

本番翌日!

昨日のみなとみらいでの「南欧の愛と幻想」は 暖かい聴衆に見守られ、熱心な応援団と家族に支援されて、 その美しい音響を楽しみながら、弾き切ることが出来ました。 今年15年目のリサイタルですが、 毎年来て下さっている方々も何人もいらっしゃいます。 遠方からは叔母が木曽から毎年上京してくれています。 小三の時の私の恩師も15年間私の演奏会を一度も欠かさずにいらして下さっている一人。 高校生の時から私の成長を見守っていてくださっているTさんも。 舞台上から、聴衆の方々のお顔と言うのは実は良く、見えています。 舞台からお辞儀をする際、そして演目紹介のトークの際、 懐かしい顔を見つけたり、 皆さんの表情で、うなづきや、ほほ笑みで、 私は元気づいたり、ホッとしたり、嬉しくなったりします。 演奏中もピアノに向かってホールの右側に座っている方は結構見えています。 昨日前列右側に座っていた面識の無い男性は 演奏中、ずっと目を閉じていらっしゃいましたが、 それが眠っているのでは無く、 実に心から音楽を楽しんでいらっしゃっているのは 時々軽くスウィングする上体や時々つかれるため息などではっきりと分かり、 それにも元気づけられました。 演奏会後、と言うのは興奮状態にあります。 音楽家の多くが多量のお酒を消費するのは、 一つには高まった神経を落ち着かせる、と言うことがあります。 私はお酒に弱く、すぐ赤くなってしまうのですが、 昨日は珍しく親戚一同が私の演奏会あとに集まる大きな宴会があり、 母と乾杯して生ビールとワインをいただき、気持ちよくなってしまいました。 (父と妹とも乾杯しましたが、ノン・アルコールの杯でした)。 そのせいでしょうか、昨日は本当に落ち着いて、ゆっくりぐっすり眠ることが出来ました。 演奏後には珍しいことです。 普段は演奏後の夜は高ぶった神経が寝床に着くとその日の演奏をプレーバックして 反省点が次々と思い浮かび、寝転がった状態でもいてもたってもいられなくなります。 でも、昨日の夜は一度も起きなかった。 夢も沢山見て、楽しんで寝ました。 そして演奏翌日の今日は20年来の友達であり、 音楽ジャーナリストのFKさんと、お昼を横浜で頂いたあと、 9月6日(日)にあるピアノ・フェスティバル、「スカぴあ」のリハーサル! スカぴあは横須賀ゆかりの4人のピアニスト・グループ。 ソロから始まり、連弾、1台6手、1台八手と弾き進み、 最後は2台16手までご披露する、前代未聞の演奏会! 今年で5年目になります。 横須賀芸術劇場のベイサイド・ポケットで毎夏公園していますが、 スカぴあ仲間は楽しく、 リハーサル中も笑いが途絶えません。 「南欧の愛と幻想」のリサイタルは、来週の日曜日にまたもう一回 千葉美浜文化ホールで演奏するのです。 が、演奏の翌日はやはり気分転換。 今日と明日はスカぴあのリハーサル、 そして11月の現代曲リサイタルの譜読みも始めます。 楽しみにすることが多くて、嬉しいです!

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本番前日

明日はいよいよみなとみらい! 本番前日に気を付けることの覚え書き。 1.ポジティブ思考。 ―それまでどこを上達すべきか批判的に自分の演奏を聴いていた練習を良いところを評価する聞き方、自分の音楽を楽しむ練習にモード・スウィッチする。 ―(これをやらなくちゃ)(まだこれが出来てない)ではなく、(これが終わった!)(これは上手くいった)(次はこれをやるのが楽しみ!)と言う風に自分の頭の言葉をポジティブにする。 ―リラックスする。命に関わることでは無い。何がどうなっても大事には至らない。すべては距離感の問題。少し達観することで、明日のイベントに距離感を持つことで余裕を持つ。 ―演奏会は皆で協力しあって始めて開催が可能なもの。そして演奏会のスタッフの中には普段の生活のいろいろも重なって、プレッシャーやストレスを感じてしまう方もいる。そんな方の立場を思いやり、感謝の念をはっきりと表現することを忘れず、演奏会で皆さんに癒しを感じてもらう、と言う最終目的を常に明確にみんなに表示し続けること。 2.健康管理 ―小まめな補給:水分、栄養(カロリーでは無い) ―できるだけ沢山、手放しで笑う、あるいは笑む。 ―体を動静にはっきりと意識をし、運動は一生懸命、休憩は完全に。 3.実際的な準備。 ―曲、そして演奏会に対するイメージをできるだけはっきり明確化させる。 ―CD,ドレス、メーク、アクセサリー、ストッキング、靴、栄養補給など、荷物をできるだけまとめる。 今日は午前中は練習、午後は美容室です。

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感謝!

17日(月)のキャンディーは集中豪雨が降ったりやんだりする中、 お盆開けの月曜日の夜8時と言う難しい条件だったにも関わらず、 お仕事帰りの背広姿の方も含めて、 熱心なファンの方、熱いキャンディーの常連の方々、 そしてもちろんキャンディーのオーナーのみよこさんと 調律師で私の応援団の斎藤さんが一生懸命一緒に音楽会をしてくれました。 今回はベートーヴェン、プログラムに居れた「月光」のソナタに関して 「ベートーヴェンを入れないとピアノ・リサイタルはなんか中心が無い感じになる」 と言われたお客様の一言をきっかけに ベートーヴェン賛否両論の議論が始まり、 それはそのまま「クラシックとは?」「クラシックの意義とは?」と言った 私が大好きな議論に発展。 大変おいしいお酒をお持ちくださった方に感謝しながら お米の味が本当に美しい日本酒を堪能しながら、 議論は気持ちよく発展していきます。 そして昨日はスカぴあの初リハーサル! 4人のピアノ仲間は、多くを語らずとも、自然にピアノ共演を通じて一緒に大笑いできる、 音楽人生の心強い同志! 今回はオッフェンバッハの「天国と地獄」の序曲を 4割分してみんなでオケ譜から2大4手に編曲したものを演目に乗っけています。 たのしいよ~!! 「♪カステラ一番、電話は二番♪」と言う、アレです(と言うと年がばれるかな?)。 今日は三鷹にあるギャラリー「静」で午後六時から開演! こちらはアップライトなのですが、ご近所の熱心な方々が 手作りお料理を持参して毎年いらしてくださいます。 毎年来てくださる方、本当に嬉しくって、毎年再会が楽しみです。 皆さんお元気かな~? http://www.shizuka3.com/

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演奏者に聞こえていない音楽は存在しない。

ここに来て、色々刺激を受けている。 私をここに誘ってくれたのは、このDino Ciani音楽祭の総芸術監督を務めるJeffrey Swann. 私が今までの人生で出会った中で一番頭が良い人の一人だと思っている、 私が「師」と仰ぐことを光栄に思っているピアニスト・音楽学者。 彼が選んで、ここで演奏・教授・受講している人は 背景こそ多様だが、その音楽に向かう姿勢には似通ったものがある。 「演奏者としての私たちは、作曲者の耳と頭の中に起こった音楽にできるだけ近いものを再現することを試みること。その為には、楽譜の細微に至る勉強は当たり前だが、同時に楽譜と言うのは非常に限られた媒体だと言うことを理解し、作曲家の性格や教育まで考慮して、その記譜法への姿勢や癖まで考慮して譜面を解釈しなければいけない。」と言ったのはJeffrey Swann. 「私が教えたいのは、音楽をどう概念的にとらえるか、と言うこと。いかに楽譜にあるすべての音を弾いても、概念的な理解が君の演奏になければ、それは音楽ではない。逆に音をすべてミスしたとしても、君が確固たる概念をその曲に対して抱いているとしたら、その音楽ははっきりと存在する。演奏者が意識しない音楽は、聞き手にも伝わらない。要するに、存在しないんだ。」と言ったのは、物凄い前評判をはるかに超越して私を圧倒してくれた、私は初対面のClaudio Martinez Mehner. ああ、雷が遠鳴りしている。夕立が来る。カフェから走って帰らないと、私のコンピューターがぬれちゃう! もっともっと書くことがあるけれど。

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音楽人生、充実してます!

旅行の醍醐味の一つは、生活の全てが新鮮さを持ち直す、と言うことでは無いか? ヴェニスに近いスキーリゾート、Cortina D’Ampezzoに来てまだ4日目! 今、カレンダーを見ながら数えて、信じられない思いである。 たとえば、食材をスーパーに買いに行く、それだけで大冒険である。 お惣菜のセクションで焼きたてのパンや、お惣菜を注文する。 カウンターの向こうのおばちゃんは英語を解さないのか、 それとも私のイタリア語上達に貢献しようという気持ちなのか すべてを身振りと大げさでゆっくりのイタリア語で通す。 透けるくらい薄~く切った生ハムを5枚。 イワシを揚げて、大量の玉ねぎと共に酢漬けにした、元祖南蛮漬け! 私が注文した分を計器で計った後、にっこりして自分の胸を指さし、おまけ分を足してくれる。 そうして買ったモノたちを寮に帰ってリトアニア人のルームメートとわけっこして食べると、 本当に感動的においしく感じる。 生ハムは本当に口の中でとろける。 南蛮漬けは、う~ん、母ののほうがおいしいけれど、でもお魚料理も酢漬けの玉ねぎもうれしい! 食材調達、一回一回の食事、すべての散歩、イタリア語で通りすがりの人とかわす挨拶、 そういう全てが新鮮さにあふれた毎日は文字通り充実していて、 夜寝る前、朝あったことを思い出すとき、なんだか遠い昔の思い出に思えるくらい。 Dino Cianiピアノ音楽祭の受講生は 日本、韓国、中国、アメリカ、ドイツ、リトアニア、ノルウェー、イタリア、と 多様な国籍を持つ20人。 みんな上手い。 レッスンも演奏会も毎日のようにある。 レッスンをしてくれるのは主にヨーロッパの先生たち。 4人居るどの先生も最低3か国語をしゃべる。 私をこの音楽祭に特待生として引っ張ってくれた私の長年のNYの音楽人生の父、 Jeffrey Swannは現地人とべらべらイタリア語を交わすほか、ドイツ語、フランス語、 そして中国語をしゃべるアメリカ人。 今日私がレッスンを受けた「こいつはすごい!」と巷で噂のClaudio Martinezは なんと驚異の13か国語!その中には日本語も含まれている。 どの先生もピアノ馬鹿ではない。 生徒に練習室から出ることを進め、一緒に山登りしたり、ヨーガのクラスに参加したり、 食べ物の話に盛り上がったり、実に豊かな人生。 そんな彼らのレッスンはピアノの話しは非常に限られる。 美的感覚を左右する歴史的背景、作曲家の哲学を繁栄する自伝、作曲家の愛読書、 そう言うものの話しから、じゃあ、それをどう自分の曲の解釈に応用するか、 と言う論理でレッスンが進められる。 最終的な結論は実に微細に入るリズム感、音の処理に及び、 一時間のレッスンは絶対一時間の時間枠に収まらず、 レッスンが終わった後は脳みそが爆発しそうである。 しかしそのレッスンの復習を楽譜にまとめる時間は限られている。 毎日2回以上演奏会があり、生徒はすべて入場無料、その機会を利用することを強く奨励される。 演奏会はクラシックに限らない。 この4日で2回、ジャズのコンサートを聴いた。 そして弦楽四重奏、そう言えば、クラッシックピアノの演奏会は生徒の演奏会が二回だけだ。 客演はすべてクラシックピアノ以外。 私も月曜日の音楽会でリストの「愛の夢」を演奏させてもらった。 立ち見客が多数出る会場で、レッスンを受けたばかりの曲を演奏する。 受ける刺激が多い中、やっぱり触発されているのだろうか、 自分の想像力だけでは絶対不可能な演奏ができる。 それを聴衆、先生、そして新しい友達に喜んで受け止めてもらうと、

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