August 2005

世界で活躍する演奏家を応援する会からの手紙

 私どもが初めて平田真希子さんにお会いしたのは今から5年前、彼女がやっと20代半ばという頃でした。中学生の時から家族と離れ、単身アメリカで音楽を勉強していた彼女は既にその頃から、各国のオーケストラと世界を廻り実力、経験とも十分でした。しかし日本における支援体制がないため、日本では一度も演奏をしたことがなかったのです。彼女の演奏を聴いてもらうため、毎年夏の帰国時に演奏会を開くことになり、今年で5度目の夏を迎えることになりました。年を重ねるごとにさらに深みと色合いを増していく彼女の演奏に私達も毎年驚きを感じています。   今年は長さ、内容共に非常に重量感のあるプログラムに挑戦されるということです。演奏される平田さんの体力・気力ばかりか、聴く側の皆様にも覚悟が要求されることと思います。しかし、このプログラムは彼女自身の強い希望により組まれたものであり、この演奏会を行なうことにより彼女が何かをつかみ、更に飛躍するだろうという予感を感じております。日本では普通組まれることのないだろう冒険的なプログラムを、是非お楽しみくださいませ。                     2005年8月26日みなとみらいホールにて                                  齋 藤    雅 顕

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2005年8月26日のプログラム

 奈良から帰ってきました。とっても楽しかったです。 帰ってきたら随分と涼しくなっていたので、それもうれしかった。 昨日は父の友人のお宅でホームコンサートをしました。パイプオルガン造りが長年の夢で、今もせっせとパイプを毎日削っていらっしゃる方です。そのオルガンが出来上がったら備え付けられる予定の天井の高いお部屋で弾きました。ご近所の方々等30人ほどお集りいただき、バッハを中心に弾きました。   さて、随分ぎりぎりになってしまいましたが、26日のプログラムです。 J.S. Bach:前奏曲とフーガⅣ  嬰ハ短調  BWV849 Chopin:練習曲集 作品10より  4番 嬰ハ短調                 12番 ハ短調 「革命」 Rachmaninoff:練習曲集「音の絵」より 作品33-4 変ホ長調 「鐘」 Ravel:組曲 「鏡」より  道化の朝の歌 Chopin:ソナタ三番 ロ短調 作品58      一楽章 Allegro Maestoso (アレグロで、風格をもって)      二楽章 SCHERZO Molto Vivace (スケルツォ 非常に生き生きと)      三楽章 Largo ゆったり)      四楽章 FINALE Presto non tanto (フィナーレ速く速過ぎず)               ー 休  憩 - Beethoven:ソナタ三十番 ホ長調 作品109       一楽章 Vivace, ma non troppo (生き生きと、でも速過ぎず)       二楽章 Prestissimo (とっても速く)       三楽章 Andante molto cantabile ed espressivo                   (表現力と沢山の歌心を持って、歩く速度で) Schumann:幻想曲ハ長調 作品17       一楽章 Durchaus phantastisch und leidenschaftlich vorzutragen                   (ずっと幻想性、情熱性を保って弾く)       二楽章 Durchaus energisch (エネルギーを保って)       三楽章 Langsam gettragen (ゆったりと荘厳に)  見てお分かりと思いますが、大変な長丁場です。音楽だけで前半、後半、それぞれほぼ一時間あります。でも私にとってこれをやる事は大変意義のあることなので、やらせてください。トークと簡潔に、そして休憩を短くしましょう。

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コンサートのお礼

 アンケート読ませていただきました。コンサートの直後、受付にいた私に表現してくださった興奮振りと合わせて、本当に嬉しく拝見しました。ピアノが難しいのは、一人で弾く、と言うところにあると思います。音楽と言うのは弾き手と聞き手の間に成り立つもので、それにはお互い同調できるもの、例えばリズム、常識的な歌いまわしとい言うようなものを創り出さなければなりません。  共演者がいる場合はこういう「常識」(文字通り Common Sense)と言うのは比較的でき易いのですが、独奏で、特に本番にプレッシャーの中、一人でこれを築き上げて、お客様と一緒にのれるベースを作るのが先ず難しい。けれども同時に一人で弾くということで無限の創造的可能性も出てくるわけで同時に幾つもの音を出せるピアノは、一人で弾ける音のスケールも大きくなり、そこに魅力があるのでは、と思っています。奥の深い道です。  毎日の練習で常に小さな発見が無数にあり、その全てが私の音楽観、人生観にそのまま反映します。死ぬまで進んでいきたいです。そして道中、私の発見の喜びを分かち合ってくだされば本当に嬉しいです。  また是非聴きにいらしてください。

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