December 2005

ニューヨークのクリスマス No.2

 今年初めて、私は実はクリスマスの日は教会に行ってしまいました。今、シンシナティi州に博士号の勉強の為に行っている友達がニューヨークに来ていて、お互い忙しくて彼女が教会に行く時間しか合わなかったので、一緒に行く事になったのです。  マンハッタンのタイムズ・スクエア・チャーチと言う51丁目に在る有名なところで、元はミュージカルなどのショーをやるためだった劇場を内装をそのまま使っているのです。当日はクリスマスのせいもあって多分600人くらい入る会場がほぼ満席でした。  そして感心したのは、来ている人たちがとても多様な事です。老若男女入り混じり、家族連れ、幼児づれ、全く一人で来ている若い人や年寄り、物凄いお洒落な人、ぜんぜんお洒落じゃない人、そして黒人、白人、インド人、韓国人、(日本人は余り見当たらなかった)など。  皆とってもアクティブにお祈りをします。空を仰ぐ人、ロックコンサートの様に賛美歌の間中両手をあげてゆっくり右へ、左へと揺らす人。賛美歌がクライマックスになってくると、舞台(幕つき)に乗ってる聖歌隊の人も参列者もぴょンぴょンはねたりする!そしてみんな神様を自分に取り入れようとしているのか、上を仰ぎ見て頭の辺りで手をひらひらとおいで、おいでのような動作をするのだけれど、彼らの目は今何を見ているのか、と視線を追って見ると、舞台の上の天井画は劇場時代から触れられた形跡も無い、ビクトリア調で書かれた男女数人の裸体が絡み合っているシーン、、、、、とても面白い、、、  涙を流している人、踊りながら賛美歌を歌っている人、「ハレルヤ、ハレルヤ、Thank you, Jesus!」と大声で繰り返す人、などなど。賛美歌が単純なメロディーと歌詞で必ず3回は繰り返すのを「洗脳」と思ったり、お説教の矛盾を頭の中でいちいち静かに指摘したりしていた私も、最後の賛美歌ではもうどうしようも無く嬉しい気持ちになってしまって、周りの人を手当たり次第抱擁したりしていた。やはり相手は上手だ。  でも、大都会、時代の最先端をいくマンハッタンのど真ん中で、人がこんなに自分をさらけ出す事に意欲的になっている場所があったというのは新鮮な驚きで、私はそれをとても好ましく思う。今度は他の教会に行って見よう。

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ニューヨークのクリスマス No.1

 日本でのクリスマスはいかがお過ごしでしたか? NYのクリスマスもなかなかですよ。  昨日はジュリアードでお世話になってる教授夫妻のお宅へお邪魔してきました。  この奥様は私がああいう風になりたいなあと憧れている人で明るくて、情熱的で、エネルギッシュで、いつもスパッと思う事を言ってかっこいいのです。この頃一緒に仕事をさせていただく事が多いのですが、一度マンハッタンのずっと北にある大学の発表会の仕事でドライブして連れて行っていただいた時、お互い凄く食に興味があることが判明して(勿論私はただの食いしん坊で、あちらは筋金入りのグルメ料理人なのですが)今回クリスマス・ディナーにご招待いただくことになったのです。  まず、生ハムで干しイチジクを包んだのや、フォアグラのパテや、ドライトマトのパテ等のアペタイザー 次にフォアグラのドレッシングをあえた、アルーグラのサラダ メインが私の胴体くらいある羊の足をハーブにマリネして丸焼きしたもの、それと醤油とみりんと大量の大蒜のローストビーフ。 そのサイドディッシュには非常に美味しいローストアスパラガスと、パルミジャンチーズをかけて焼いた芽キャベツ!  どれも全て奥様のお手製なのです! そして出てくるワインは全てご主人である教授の講義つきスパニッシュワインの数数で、普段余りアルコールは頂けない私も沢山飲んでしまいました。どれだけ美味しかったか分かるでしょう。  そのパーティーでも音楽に極める人は舌も肥えていることが多い、という事が話題になりましたが、あれは本当に凄かった。そして非常に幸せだった。  日本でも大分ニュースになったようですが、マンハッタンの地下鉄とバスのストの間、私はほとんどニュージャージーにある高校時代のホームステー先に身を寄せて練習しながらやり過ごしましたが、二度ほどどうしても顔を出さなければいけない用事でニューヨークに参りました。  ペン・ステーションからジュリアード(66丁目)まで歩く訳ですが、まあ歩行者が普段より多いとは言え、パッと見には割りと普通な光景なのですが、話しかけてくる通行人が多い!皆非日常的ハプニングを楽しんで、うきうきと連帯感を感じているらしいのです。  私はピザ宅配のお兄さんと57丁目から64丁目まで、ストライキの権利の是非について語り合いました。あっぱれ、ニューヨーカー!  それにしても、中国から来た同業者の友達が何気なく「中国だったらストの責任者は死刑だよ。。。」と言ったのに、ショックを受けました。  何にせよ、クリスマスまでに無事終了してくれて、よかったです。  皆様、お体にお気をつけて日本の御年越し、そしてお正月を私の分まで満喫してください。 2006年もよろしくお願いいたします。

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ニューヨークの12月

 今日起きてみたら、マンハッタンは今年初めての雪景色です。 感謝祭(今年は11月23日でした)もニューヨーク州のコネティカットはうっすら雪化粧でしたが、さすがにマンハッタンにはつもりませんでした。  穏やかな秋で、いつまでも紅葉が楽しめたと思ったら、昨日急に冷え込んで、例年より10度くらい低いとか。 一挙に厳しい冬に突入です!  私はなんだか走り回っています。 明日、ジュピターシリーズのコンサートに又出演させていただく為、毎日3-4時間リハーサルがあり、その上伴奏の仕事、そしてレッスンがマンハッタンアッパーウェスト中心に散りじりにあり、いつもぎりぎりまで練習して、まっつぁおになりながら、バスに飛び乗ったり、走って行ったり、地下鉄の中で必死に楽譜を読んだりしています。  のだめカンタービレ、と言う漫画をご存知でしょうか。 私は友達にほぼ強制的に読ませられてから(ご飯を作ってあげるから、来て読みなさいと言われた)はまってしまい、全くのだめになりきって日々頑張っております。  もう一つはまっているのは、村上春樹です。 ねじ巻き鳥クロニクル上・中・下三巻、三日で読みきってしまいました。その後左の小指の第二間接が一寸腫れてしまい(おかしいな)と考えて思い当たったのは、読書に夢中で同じ姿勢でずっと本を支えていた時、小指に負担が掛かっていたのです! 何たる、ピアニスト。  もうリンカーンセンターにも、ロックフェラーセンターにもクリスマスの装飾が施されました。今年はジュリアードは百年記念という事で、ジュリアードカラーのブルーでリンカーンセンターは統一です。中々きれいです。  私も年末帰って日本のお正月を楽しみたいのですが、生憎(と言うか幸い、と言うか)年越しコンサート(本当に大晦日の12時まで弾きます)に出演するのと、1月14日にチェロとの共演がありその為のリハーサルがあるので、今年の年末年始はニューヨークになります。  皆さん、良い年末をお過ごしになりますよう。

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コンサートの後で

 昨夜、ジュピター演奏終了後打ち上げにも出席して11時過ぎ、地下鉄の駅から家まで歩く途中のお話。  この辺りはラテン系の人が中心の界隈で、ご存知の通り、ラテン系の男性と言うのは、超ナンパ。手当たり次第、声をかけていると思われるのですが、昨日の夜歩いていたら、「コンニチワ」と言われた。  しばしば「ニーハォ」とか言われるし、たまに「アンニョン」とかも言われるけど「コンニチワ」は初めてで、(お、兄ちゃん勉強したな)と思いながら、知らん顔で通り過ぎようと思ったら、「カワイイデス」と来た。 (もっと言ってくれてもいいよー)と思いながら、笑いで肩が震えるのを抑えながら歩き続けていたら「デンワバンゴウ クダサイ!」とすでにかなり背後になっていた兄ちゃんが叫んだ。  この兄ちゃんはどういう言われでこれだけの日本語を身に着けたのだろう。とても愉快。爆笑しながら振り返ったら、とても無邪気な満面の笑みを浮かべていた。  きっと通じて嬉しかったのだろう。

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