卒業、引っ越し、送別、そして練習

本当に色々な方にお世話になって、お陰さまで昨日無事卒業式を終え、コルバーンでの4年間が終了した。 こう言う人生の節目というのは振り返って思い出として感慨深いものだと思うが、リアルタイムではちょっと間が抜けている。感動を狙うスピーチを、スピーカーが熱演しているのを聞きながら、頭の中では引っ越しの手順を忙しく考えたりしている私は、ちょっとへそ曲がりかも知れない。 今回の引っ越しは結構入り組んでいる。 AからBに直接引っ越すのではなく、今回の私の場合、ロスの現住所を引き払った後、日本に約3週間半滞在して演奏活動を行い、その後NYで一息入れてから、タングルウッド音楽祭で2カ月の研修生としての勉強、演奏活動を行った後、初めて私の新居で在るテキサス州のヒューストンに向かう。現時点では、テキサスで落ち着く住所もまだ未定。と、言うわけでちょっとややこしい。とりあえず、向こう3カ月で必要無い物は全て箱に詰め、ロスの友達に引き取ってもらい、住所が分かり次第郵送してもらうことにする。「持つべきものは友」、である。私は物欲を良しとしないし、出来れば禅僧の様に所持品をほとんど持たずに人生歩んでいきたいと言う憧れがあるが、実際は結構貧乏性なので、荷物をまとめる段階で(もったいない)とすぐ思ってしまう。始めは「引き取ってもらうのは多分一箱くらい」と友達に言っていたのが、結局引き取ってもらったのは3箱だった。その他、NJの私の高校時代のホームステイ先で私の「アメリカの実家」に3箱送り、後は日本に重量制限ギリギリまで持って行く。 エレヴェーターに乗り合わせた、同じく今年コルバーン卒業でシカゴに引っ越して行くバスーン奏者の男の子は、「引っ越し、どうしてる?」と聞いたところ「全部捨てる!」と答えて、私を大笑いさせた。彼曰く、引っ越しの手間と労力と送料、などを全部考慮した場合、「荷物を送るのは割に合わない、向こうで買った方が安い」、のだそうだ。何だかとてもすっきりしたすがすがしい考え方だ。ただ、彼と私の違いはバスーン奏者は楽譜が少ない!私の一番の荷物は楽譜と本なのです。それから、男性の場合タキシードとスーツを一着ずつ持っていれば仕事はそれで全て足りるが、女性の場合、何着もドレスが必要なのだ。夜の演奏会は長いドレスのイブニング・ガウン、昼の演奏会はもう少しカジュアル、この演奏会場では肩を出してはいけない、とか色々。そしてドレスに合わせた靴、アクセサリー、化粧…全く引っ越しの際にはげんなりしてしまう。 そうしている間にも、ロスでお世話になった方々や友達とのお別れ、そして日本での演奏の準備も着々と進んでいる。昨日は特に親しい友達を数人呼んで、学校のホールで日本のプログラムの通し稽古を聞いてもらった。 大丈夫、一つ一つきちんとこなしていれば、全部終わります。 明日、ロスを発ち、日本に向かいます。

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