演奏道中記11.15:音楽は鎮痛剤

今日のブログは日刊サンに連載させて頂いて3年目になる私のコラム「ピアノの道」11月20日発表の記事を基にしています。

「!!…ううう、何じゃこりゃ~…!!??」

数か月前から右の脇腹と腰のあたりに、時々痛みを感じる様になりました。と言っても数週間に一度、せいぜい5秒~20秒程度。痛い時は「そう言えば前にもこんな事が…」と思うのですが、痛みが引くとすっかり元気。完全に忘れてしまいます。

ところが。ここ数週間で痛みの間隔が段々縮まってきて、夜中に目覚める様になりました。短時間の痛みですが、これが来ると体を固くして唸るしかありません。出先で痛みが来ると、壁に寄りかかって目をギュッと閉じて、兎に角待つしかありません。その内段々痛みの鋭さに軽く吐き気さえ感じるようになり、遂に病院に行きました。精密検査の結果は全て正常。「筋骨格系でしょう。」そう言えば最近、ピアノを弾くとき下半身により力を入れる事で上半身を脱力する為に、色々試行錯誤していたのでした。凝り性がたたってやり過ぎたようです。

とりあえず健康。そして痛みとはしばらく付き合わなければいけないらしい。そしてそう言えば私はDr.ピアニスト。講義やワークショップで引用してきた音楽の治癒効果の研究結果を、今こそ実践するべし!

また痛みが来ました。(無理だ~!)という気持ちを振り切ります。出ないと思った声も、出してみると出るもの。大声ででたらめソングを歌ってみました。すると本当に痛みがフッと軽くなったのです。(そう言えば手術後の患者さんに音楽を聞かせると、鎮痛剤の必要性が減るという研究があったぞ!)愉快になってきます。その次の襲撃には、でまかせソングに適当盆踊りを付けてみました。笑いだしてしまい、更に効果増大!(そうだ!分娩室のお母さんに音楽を聞かせるとお産の痛みと不安感が軽減すると言う研究もあった!)ワクワクしてきます。練習中に痛みが来るとさすがに弾き続けるのは無理ですが、音楽鑑賞中の痛みは、確かに音楽無しよりも楽にやり過ごせます。

音楽の効用をもう何年も謳っている本人が、なんで最初に音楽の鎮痛効果を思いつかなかった?マキコ、反省です。でももう大丈夫!音楽家に怖い物なし。もうすっかり元気です。音楽人生、万歳。

この記事の英訳はこちらでお読み頂けます。

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