演奏会後の不眠

昨日の夜は眠れなかった。
疲れていて11時に就寝したのだが、1時半に目が覚め、そのあと寝たり起きたり朝まで過ごした。
目が覚めるとなんだか心臓がどきどきして、色々気になって寝ていられない。
起き上がって、ちょっと勉強してみたり、水を飲んだり、物を食べたり、読書をしたり、
リラックスして自分をなだめて、なんとか睡眠までこぎつけようと工夫をするのだが、
工夫の後やっと睡眠にこぎつけてもまたすぐ眼が覚めて、繰り返し。
こんなにひどいのは珍しいが、演奏会の後はたいてい眠るのに苦労する。
頭の中で音楽がぐるぐる鳴っているのである。
反省点が急に次々出てきて、「穴があったら入りたい状態」な時もあるし、
次の演奏に向けての課題を急に思いついて、闘争心に燃え盛る時もある。
また、あまりに楽しくて嬉しくて、にやにやにやにや、眠れない時もある。
今回のは少し違って、土曜日の夜の演奏会の副指揮の興奮で眠れなかったのである。
土曜日は4~6時まで演奏会場でのサウンド・チェックおよび最終リハーサル、
そして8時から本番、と言うスケジュールだった。
副指揮者として、その夜の指揮者のアシストを務めるとともに、
指揮者に何かあったら代役を務めるつもりで挑まなければいけない。
まず、4時のリハーサル開始に、渋滞に巻き込まれた指揮者が10分遅れてきたのである。
その10分、私は気が気でない。
調弦だけでも始めさせるべき?最初の曲、振り始めるべき?
やっと指揮者到着。
そして、リハーサル開始後、曲が進行する中、指揮者が振り返って「どう?」と聞くとき、
いったい何と返事をすればいいのか。
細かい問題点はたくさんあるのだ。
しかし、リハーサルの時間は限られているし、本番は数時間後。
結局「いいです!」と答えるしか、私には思いつかない。
作戦を変えて、大きな問題点をノートに書き取り、リハーサルの後で指揮者に渡した。
そして木管や、打楽器に個人的にアプローチして、随処の問題点を質問と言う形でやわらかく指摘。
皆に本番でベストを出してもらいたい。
でもそのために何をいつ、どう言えば良いのか、経験不足な自分が本当に歯がゆい。
今週のリハーサルは毎日出席して、総譜も勉強し、注意点も書きこんだ。
でも、副指揮者としてそれをどう活かせるのかが、うまく掴めない。
そして本番中、なまじ難しい所や、落とし穴を全部知っている分、自分で演奏するような緊張感。
どうしても力が入り、指はトントン拍子を取ってしまう。
演奏会はとても良かったのだが、私は本当に疲れてしまった。
そして夜、寝ているとドヴォルジャークのチェロ協奏曲や、ヒンデミット、ラヴェルが鳴りだす。
「こう言えばよかった」
「何で自分はこうしなかったんだろう」
「こう言ったほうが効果的に伝わったかも」
むしろ自分で振った方がずっと吹っ切れ易かったかも。
このプログラムなら、本当に振れたのに!
あああ!指揮がしたい!!!

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *