Gotham Writers Conference:第二日目=エージェントの視点と出版業界の事情
私はやっぱり物書きなんだな~...
...と言うのが、大会二日目を終えての印象。昨日のプレゼンは全てとても共感し、触発され、大興奮だったのに、今日のエージェントの話しは対照的に共感しにくく、何かすごく「立場が違う人種」と言う感じ。出版業界のエージェントだって文学が大好きで、「休みの日には仕事以外の本を読む」と言うくらい本の虫なのだけれど、一冊の本の中の世界を創り上げる作業を逆側から考える人と言うか…
物書きから最初に何十万円(何千ドル)というお金をもらって物書きを代表するエージェントもいる。けれど、明日私が自分の本を売り込むようなフリーターで無いエージェント、会社に属しているエージェントは、出版の契約が設立してから、本の権利を出版社が買い上げた全額の約15%が総収入。ということで、兎に角出版社との契約に漕ぎつけないとお金にならない。どうやったら本をより出版社が買いたい本、もっと言えば出版社が「これは売れる!」と見込む本に料理できるかに業績がかかっている。
今日エージェントについて学んだこと。
- エージェントは一月に物書きから100くらいのプロジェクトを売り込まれる。超売れっ子エージェントは1,200ほど。
- エージェントは一度に大体常時20~40のプロジェクト・書き手を抱えている。
- エージェントも、出版社側の編集者も、かなり内容に突っ込んだ変更を要求してくる。
- ジャンルを変える(例えば、大人用の小説を、YA(ヤングアダルトー10代用)に書き換えるなど)
- 設定を変える。(一人のエージェントは元々イギリス舞台の歴史小説だったのを韓国の歴史小説に変えろと言って最終的に成功させたそう。この場合は書き手が韓国系アメリカ人だったことと、人種や文化の多様性がこれから売れると見込んだことがあるらしい)
- 一部を削除とか、膨らませる、とか。
- 構成を変える
- これらの変更はそれぞれ数か月以上かけないと修正できない物。そして修正をしても最終的に却下される場合もある。
- 自費出版は経歴よりもむしろ汚点になる場合が多い。
段々見えてきた参加者の背景
- 皆物書きをアイデンティティーにしているが、大体他に収入源・専門がある。
- 図書館員
- メディア関係(ジャーナリスト、テレビ番組などのリサーチをする人、など)
- 先生(小学校から大学まで様々)
- 全然文学と関係ない仕事
- 無職(コロナ関係で一時解雇のジャーナリストや出版関係の人が結構いる)・引退後の人・学生
- かなり多くの人にすでに出版経験がある。
- 書いている本の一部
- 新聞や雑誌への投稿
- 他の本
- 国際的:カナダ、インド、シンガポール、オーストラリアからの参加者もいる。
明日が正念場!!
明日は直接エージェントに売り込みをします。
- 12時から4時半まで2人のエージェントと9人の物書きが会合します。
- 9人の物書きは2回、15分間弱のプレゼンをします。
- 一回目はQuery letter(お伺い手紙)と呼ばれる「自分はこういう者でこういう本を書いています。エージェントになってください」と言う手紙を読み、その手紙自体を評してもらいます。
- 二回目は自分の本から2頁を抜粋で音読みして聞いてもらい、評してもらいます。
- この9人分の「お伺い手紙」と「2頁抜粋」はパッケージにされてPDFで今日送られてきたのですが、みんな凄い...
- 大体みんな物書きで学位を取っていて、書くことを大学で教えている人も数人いる。
- 大体みんな出版経験がある。
- 一人はソビエト時代反政府運動に関わって政治避難民としてアメリカに逃亡してきたことついてい書いている!
お疲れ様です。
知識が吸収されるという現状が一文にまとまっていました。
書き手の意欲が読み手にずんずん迫ってきました。
これがもの書きの凄さだと思いました。
小川久男
本当に触発される日々に感謝です。
ありがとうございます。
真希子