Gotham Writers Conference:第三日目=エージェントに評してもらう。
今回の物書き大会は、第一日目と第二日目はお金さえ払えば誰でも参加できる行程でした。でも三日目は別料金を払って、しかも審査に通った人のみが参加できる別枠。全部で13のグループがジャンル毎に設置されています。ジャンルは小説、SF、ミステリー、YA(ヤング・アダルトー10代向け)、児童文学、絵本、手記・ノンフィクション。それぞれのテーブルに二人ずつエージェントと10人ずつ物書きが配置されます。物書きは順繰りに自分の「Query Letter(お伺い手紙)」をまず読みそれに評をもらい、30分の休憩を挟んだ後に今度はまた物書きが一人ずつ今度は自分の作品から2頁読み、それに対する評をもらいます。全部で4時間半のズームセッション!
Query Letter(お伺い手紙)
これは短ければ短いほど良い。カヴァーしなければいけないのは以下
- まずなぜこのエージェントと働きたいと思うか、このエージェントの何に魅かれてお伺いを立てているのかサラっと触れる。
- プロフェッショナルとしてちゃんとエージェントの業界での位置づけをリサーチしていることを匂わせる。
- 物書きとエージェントの共通点(卒業校・エージェントが手掛けた本と物書きの本の共通項・共通の知り合いなど)はプラス
- 本の内容
- 本の全てをカヴァーする必要はない。エージェントに(これは読みたい)と思わせるのが重要。結末をばらす必要なし。
- Query Letterでの本の内容は、本の帯に書いてあるキャッチコピー程度でよい。
- 本を読んでもらった友達に「私の本って何についてだと思う?」と聞いてみるのが良い。
- 書き手は読み手に取って一番の味噌が分かっていない場合が非常に多い。
- 本を読んでもらった友達に「私の本って何についてだと思う?」と聞いてみるのが良い。
- 似たような本の例
- 過去5年間に似たような本がどれくらい出ているか。それらの本はどれくらい売れたか?
- これらの本と自分の本の相違点。なぜ自分の本が売れると思うか。
- 市場と売れ行きの見込み
- 何故、今この本に対する需要があるか?時事性。
- 自分の本は図書館のどの棚に属しているか?(ジャンル)
私のQuery Letterに対するエージェントの評
- コンサートピアニストが語る舞台恐怖症と言う設定が非常に面白い。(食らいついてきたーこれは実感として感じた)
- あらすじにもう少し一つのシーンを詳細と共に直接的に入れると、もっと引きこまれると思う。
- もっと色々似たような本の例を出してほしい(私は一冊だけ出して微細に至り私の本との相違点を説明した)
- もう少し統計(舞台恐怖症がプロの音楽家の間で多いー何パーセント?など)
私の本文から2頁に対するエージェントの評
- 私にとって当たり前のことが読者にとっては当たり前ではない。もっと微細に描写して欲しい。
- 読者を自分の経験に引き込むために、何か絶対的な物の五感の描写をする。例えば舞台上のピアノベンチからは何が見えるのか。匂いは?何を聞いているのか?など。演奏旅行中のスーツケースには何が入っているのか?無くてはならない物は?
- 音楽家では無い友達に読んでもらって評をしてもらうのが良い。
今日と、この3日間を経て色々考えた事。
- 私は、一生に一冊しか出さないと思って、この本に全てを詰め込まなければいけないと思っていた。そのせいで、ちょっと本の焦点がぼけていたところがある。でも、私は物書きで、これから何冊も出すと思ったら、この本で書きたいことがもっと明確化してくるように思う。
- 今まで私は自分の事を「英語が第二か国語」とか「物書きで学位を取っていない」とか、そういう引け目が色々あって、夜間学校の「綴り方教室」とか、英語ネイティブでも私より英語が下手な人に混じってそういう所で物書きの勉強をしようとしていた。でも今回プロの物書きに混じって3日間過ごして、自分の同類を見つけた感じ。彼らの喋り方とか考え方とかリズムとかが、凄く心地よい。私は物書きだったんだ…!知らなかった!
- 今日のエージェントの対話を見ていて思ったのだけれど、物書きは一般的にアウトプットが上手なので、逆にインプットが下手。人の話しを聞けていないし、批評も上手く聞こえていない。これは私も含めて。勿論、今回のは「売りこみ」と言う側面もあったので、ちょっとした評でも説明とか言い訳をしたくなる、と言うのもある。でも、もう少しうまく批評を聞けた方が良いと思う。(私も含めてです)
- まだまだ道は長い。でも、今回このフェローシップを頂いて、更に他の物書きと比較対象として恥ずかしくない事を実感して、これからもう少し強気で物事を進めていける。