曲目解説

美笑日記9.10:111度の演奏会

猛暑が続きました。LA界隈で一番暑くなるのはサンタモニカ山地で海風が遮られる「ヒートポケット」のウッドランドヒルズ。一か月おきに私の定期演奏を主催して下さるプラット図書館のある場所です。先週土曜日の演奏の日は最高気温が華氏111度(摂氏43度)!記録更新の暑さでした。 小さな会場ですが、立ち見が出るほど地域に根付いたシリーズ。(でもこの炎天下に何人ご来場下さるかな…)私の心配は無用でした。ウォームアップのために早めに会場入りする私よりも早く、数人が中央最前列にすでに陣取っていらっしゃいます。「昔は世界中を旅行したけれど腰を骨折して…今は演奏会が楽しみなの。あなたの演奏は中でも一番の楽しみよ!」きれいにお化粧をした顔なじみが歩行器に体を預けながら楽し気に話しかけてくださいます。いつもは子供連れの夫婦などもちらほらいらっしゃる会場が、この日は高齢者のみ。子供時代から冷房やITに慣れ親しんだ世代より、うちわとラジオで育った世代の方が意外とタフなのかもしれません。 (下の写真は、前回6月の写真です。今週末はとても黒い長袖・長ズボンは無理でした。) 黒人霊歌を主題にした変奏曲やロシア系ユダヤ人のガーシュウィンの前奏曲、そして独立革命をきっかけに祖国ポーランドを去ったショパンのバラードなど、話しを交えながら弾き進めます。質疑応答も活発。世界や人生に翻弄されながらも音楽を紡ぎ続ける人間の強さに対する感動と感謝で会場に一体感が生まれました。音楽というのは圧政された声に耳を傾けるきっかけをくれます。音楽家としての私の使命です。 先月末、アフガニスタンの暫定政権タリバンの法務省は、公の場で女性が声や顔を出すことを禁じる規則を含む新たなな法律を発表しました。女性の中学校以上の教育も許されていません。音楽の演奏も「若者を迷わせる」として2023年の夏、ギターやタブラやスピーカーなどが大量に燃やされています。表現の自由も教育も差別されないことも世界人権宣言に含まれる基本的人権です。世界市民、そして音楽家として私の断固反対をここに発表します。 この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。https://musicalmakiko.com/en/concerts/3308  このブログは日刊サンに隔週で連載中のコラム「ピアノの道」♯137(9月15日付)を基にしています。

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美笑日記5.15:演目解説「ハッハッハ長調(Candid in C)」

教則本の導入部や練習曲、曲集の最初の曲などに多く使われるのがハ長調です。ハ長調には、練習曲や、子供時代の練習の思い出をインスピレーションや風刺のネタにした作品が多いのも特徴です。

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美笑日記6.11:演奏翌日の感謝

演奏があったから無理やりでも練習したし、気乗りはせずとも会場に行くために身だしなみを整え、演奏しました。そして結果的に私は聴衆に随分と元気づけてもらったのです。持ちつ持たれつだなあ、と思いました。

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美笑日記2.8:音楽文学:幸田延・露伴・文

幸田延(1870~1946)は日本初のヴァイオリニスト・ピアニスト・作曲家として、日本初の文部省音楽留学生としてボストンのニューイングランド音楽院(1989)で一年、そして引き続きウィーンで5年留学しました。

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