音楽人生

新年が始まりました!

アメリカでは大晦日にカウントダウンをしてどんちゃん騒ぎをし、 1月1日を休養日に充てて、1月2日が仕事始め、と言うのが普通です。 今年はたまたま2日と3日が週末に当たったため、4日が仕事始めとなりました。 私はまだNJのホームステー先ですが、現実は雪崩のように押し寄せてきます。 レッスンのスケジュール。 今年の演目の選択と、それに合わせた楽譜の準備(主に印刷、整理)。 今日から仕事始めの取引先へのメールを山のように書く。 そうするとすぐに返事が返ってきたりして、またそれに返事を書いたら、返事がまた… そうやって水分補給もおろそかになるほど根詰めて色々やっていると、 結構そう言うのを快感に感じている自分を発見して、それもまた楽し。 そうこうしている内に、12月22日に到着した時はニュースになるくらい暖かった気温が いつの間にかマイナス8度まで落ちていることを発見! 外に出ると息が止まるくらい空気が冷たい! アメリカン・ペアレンツをお礼の夕食にご招待して、 二人の馴れ初めの話や、子供時代などの昔話を伺って、 今回2週間の東海岸滞在も終わり! 明日は朝5時の出発でヒューストンに戻ります。 6日にはまたまたアルバイトで空港での演奏! 7日は朝から夜まで教え! 2016年も充実しています。

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音楽ずくしのお年越し

2016年、あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 日本のおせちや家族も恋しいですが、NYで迎える新年もまた中々の物です。 今日は今年の私の年越しのご報告を。 大晦日に大抵毎年参加している演奏・パーティーがあります。 NYの付近でも特に歴史ある大きな邸宅が立ち並ぶ物静かな一角にたたずむお宅で 家庭の伝統として31年間続いているパーティーに毎回呼んでいただいているのです。 一昨年亡くなられたご主人は1940年代来のRadio Cityのオケのヴァイオリン奏者で、 トスカニーニやフルトヴェングラーなど、歴代の指揮者の元で演奏された方でした。 娘さんはチェロ、息子さんはヴィオラをそれぞれジュリアードでお勉強なさったのですが、 今では獣医さんと金融関係で活躍なさっていて、楽器演奏は趣味です。 奥様は腎臓を専門とされるこれも素晴らしい現役のお医者さまであられます。 私が最初に参加させていただいたのは多分2001年とかそれくらいだったと思います。 始めはジュリアードのアルバイト広告の公募に応募しただけでした。 その頃はご主人のお知り合いの、NYの音楽史をのまま生きられたような ツワモノの音楽家が沢山参加して、若造の私には信じられないようなお話しを沢山聞ける 凄い機会でした。 改築する前のカーネギーホールの音響がいかに素晴らしかったか、とか この指揮者の逸話、あのソプラノ歌手のリハーサル風景とか、 凄い話をポンポンしてくれるのです。 でも、これらの方々がどんどんお年を召されて、亡くなられ、 奏者が段々若手に乗り替わる、その移行の時期の最初から参加させていただいている私は いつか、家族の伝統の名誉会員に昇格されていました。 ありがたい事です。 毎年絶対弾くのは、ブランデンブルグ協奏曲の5番。 ハープシコードのソロが延々と続く、あれです。 私が弾くのはベッヒシュタインですが。 そして3番もやります。 バッハのヴァイオリン・ダブルコンチェルトもあります。 それからモーツァルトのクラリネット五重奏とか、 私もソロを披露させていただきます。 エロイカ・トリオのヴァイオリン奏者や、 クアトロ・タンゴと言う四重奏とか、 面白い活動をしている奏者が沢山呼ばれていて、 順番に演奏を披露していきます。 今年は麻衣子さんとブラームスのソナタを弾きました。 11時ごろ、演奏をいったん中断して、奥様の手料理とデザートをごちそうになり、 シャンペンで年越しを祝います。 音楽家とは思えないほどの騒音とキスの嵐になります。 年が明けたらまた、皆演奏続行です。 今年は2時半まで弾きました。 15年間やらせていただいて、 中には(毎年ほぼ同じメンバーで同じ曲目で、進展がない) と、ありがたみを感じなかった年もあります。 でも今年は、その毎年同じことをやると言う、その意義を特に実感した年でした。 最初の参加者の多くは亡く成られました。 学生として参加を始めた奏者の中には結婚・出産・離婚を経たメンバーも居ます。 その子たちが赤ちゃんからどんどん成長するのも一年ごとに見られます。 健康を損ねたり、回復したり、 お付き合いしている人が毎年代わる人も居ます。 そんな中で毎年、一緒に同じ曲を演奏して、 行く年を思い、来る年を想う。 お腹の時に居るときから知っている、今年4歳の男の子が 「I

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なせば成る、なさねば成らぬ、何事も。

一昨日は半徹で論文に取り組んだ。 昨日の昼食の約束まで寸暇を惜しんで書き進め、 昼食で非常に楽しい・美味しい忘年会をした後に 図書館で論文指導の先生にみっちりと校正作業とこれからどのように書くべきが指導を受け、 その後NYで演奏するヴァイオリニストとリハーサル。 夜はテキサス特有のメキシコ料理を食べた後、 ヒューストン界隈でも名所になっているクリスマス・ライトの飾りつけがすごい住宅街を 友人と大笑いしながら散策。 勝手にクリスマスの飾りつけの独断と偏見に満ちた品評会などを大声でやりながら 久しぶりに歩く気持ちよさを満喫。 今朝は、兎に角年末の大掃除。 ずっとかけたかった掃除機もざっとだがかけることができた。 風呂桶も磨き、リサイクルも済ませ、最後の洗濯もして、 滑り込みセーフで飛行場に! その合間にずっと会えていなくて近況が気になっていた友人に お弁当を買ってきてもらって一緒に食べたりもした。 いや~、充実! 飛行機の中の3時間は論文指導の先生のコメントを読み直し、必要な校正を頑張ります!

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音楽の・脳への影響・測定し・色鮮やかな・結果に見とれる

音楽家の脳が非・音楽家の脳と違うと言う事実、 いかに違うのか、なぜ違うのか、 脳が違うから音楽家になるのか、それとも音楽の訓練を受けて脳が変わるのか、 そう言う事が今、神経科学のホットトピックだ、と言うことはもう何年か知識がありました。 また、「音楽と脳」と言うその分野では当時(1977)画期的だった本を 高校生の時からなぜか持っていて愛読書にしていたり、 「音楽の心理学」と言う授業を学部生の時にとったり、 最近では「音楽嗜好症(Musicophilia)」と言う神経学の権威の書いた本を何度も読み直したり その分野には昔から興味がありました。 今執筆中の暗譜に関する博士論文も、 元々は心理的や脳神経科学的な面をもっとリサーチしたかったのですが、 その方面の学術論文は沢山あり、代わりに暗譜の歴史に関する論文がほとんど無かったことを知り、 それで「暗譜の起源と発展」について書いている次第です。 例えばパーキンソン患者のリハビリは音楽を聞かせながらやると効果が激増する。 事故などで脳の一部に破損してしまった患者さんに音楽を利用させると素晴らしい効果がある。 例えば) 1.長期記憶を全くなくしてしまった元・ピアニストの患者さんは3分以上の記憶が出来ないのに、20分の曲を暗譜で弾きとおすことができる。 2.言語能力を失ってしまった患者さんに、言いたい事をメロディーに乗せてもらうと、ちゃんと意思疎通が図れる など。 本当に音楽の持つ力と言うのは底知れないのです。 今日は、ヒューストンにあるMedical Center for the Performing Artsと言う 音楽家の脳の研究やそうですが、 音楽家や舞踏家特有の、使いすぎによる体の故障の治療などを専門にする病院で 音楽を聞いた時の音楽専門家の脳の反応の仕方を Functional MRIで測定して、非・音楽家の脳の音楽に対する反応の仕方と比べる、 と言う研究の被験者となりました。 fMRIと言うのは初めて体験しましたが、機械自体がとてもうるさい! それで耳栓をして、その上にヘッドフォーンをして、 そのヘッドフォーンを通じて流れてくる音楽を聴くのですが、 機械の音にも脳は反応しているはずで、これをどう差し引くのかな~とか、 例えば私のその日の心理状態とか、体調とか、そう言うのはどう差し引くのかな~とか、 色々疑問はありました。 何しろ、全く動かない状態で1時間以上、 30秒ごとに音楽と沈黙を繰り返して聞かされるのですから、色々考える時間があります。 それに、暖かくて心地よくって、私は眠って夢まで見てしまいました。 その夢の部分はどうやって差し引くのでしょうか… しかし、私の素人的な疑問はさておき、 脳のイメージを見せてもらって、その美しさにびっくりしました。 (自分の脳だったからと言ってうぬぼれている訳では在りません…多分) コンピューターで3Dで観られるイメージはマウスのクリックのみで色々な事が出来るのですが、 例えばシノプシスの電流がどちらの方向に流れているのか (上から下、下から上、前から後ろ、後ろから前、右から左、左から右) 色分けできるのです。 (斜めとかは、無いのでしょうか?…どうしても天邪鬼的疑問が多い私です) こうして観た脳と言うのは、まるで現代アート。 ハっとするイメージです。 もう一つ面白かったのは、クラシックのピアノ音楽を沢山色々聞かされた後、 何故かカントリーミュージックをかけたとき、 私の脳がそれまでとは全く違った反応をしたようなのです。

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毎週末、演奏会があるけれど、忘れちゃならぬ、長期向上

日曜の朝、起きてベッドでぐずぐず… 寒くなったせいもあるが布団の中で携帯で動画を立て続けに見たり なんとなくまったり過ごしてしまった。 一昔前の私は、目が覚めるとベッドから飛び起きて洗面もそこそこ練習室に向かっていた。 そうしないと早いもの順の練習室、自分の好きなピアノが取られてしまう! 本当に出遅れると、練習室が埋まってしまい、 空き練習室を求めて練習室の周りを巡回したり、廊下に座り込んで待つ羽目になる! 質より量で練習していた。 本当に修行の様な毎日だった。 最近の私からは想像も出来ない… 大変ありがたい事に場数を踏んで経験を積み重ねる幸運に恵まれた私は 良い意味でも悪い意味でも、演奏に向けての準備、そして演奏をする、と言うことに慣れた。 昔は寝る間も削って準備しないと怖くて演奏に臨めなかったが、 今は良い意味で度胸、悪い意味でふてぶてしさが身に付いた。 精神安定剤と言う意味で練習する必要がなくなって、 社交や勉強、そして人生経験のために時間を使えるようになったのは 音楽のためにも良い事だが、 同時に完璧さや技術の向上を求める自分に対する厳しさをもう一度見直さなくては、 と今日、ベッドの中でのぐずぐずの後に、しばし焦燥感を覚えている。 演奏の数が増え、場慣れしたとか言っておきながら、 演奏会をこなす度に、達成感から来るご褒美で自分に休息を許してしまう。 しかし演奏会が増えているので、今では一週間に一回、時にはそれ以上 自分に「休息日」を許してしまっている。 だめだ、こんなんじゃ! 博士論文のリサーチで色々な分野の沢山の論文を読んでいる内に OK Plateauと言う概念について知った。 (日本語では「OK停滞」と訳すようです。http://www.lifehacker.jp/2012/09/120926okplateau.htm) 自分の現状にある程度満足してしまい、現状維持だけで向上心をなくしてしまう状態。 私はそんなのはつまらない! 死ぬまで向上したい! 私の目標は 「死ぬまで毎日、日々のピアノの修行を通じて、 ピアニスト、音楽家、そして人間として少しずつでも上達していく」 今日からそこに「より美しくある事を追及する」を付け加える! 「美しい」と言う基準は曖昧であるけれど、同時に包括的でもある。 人道的な行為を私は、非人道的な行為よりも、美しいと思う。 筋の通った理論、自分の理論を行動に移せる決断力を全て、私は美しい、と思う。 無駄の無い効率の良さ、歯切りの良い物言い、潔い行動力も、美しい。 なぜ最近元気が無いのか、セラピストに相談したら 「記念日症候群」と言う概念について教えてくれた。 自分で意識していなくても、記念日には喪失感に襲われる、と言う現象だ。 そう言えば全く考えもしなかったが、 私が元・婚約者、現ストーカーであるサイコパスと付き合い始めたのは 丁度去年の今頃、ドンピシャである。 でも、言い訳なんて言うのは探せばいつでもいくらでも見つけられるのである。 残るのは、その時々の心理状態では無く、やったかやらなかったか、だけである。 私はちょっとした鬱なんてものは、行動を持って対処する。 寝て回復を待つ、何てことはしない。 受動的な姿勢は、私には美しく思えない。 忍耐力や辛抱強さは美しく在り得るけれど、私は能動的に忍耐する。 私は練習して、論文書いて、演奏活動を続けながら辛抱する。 さあ、気を取り直して! 今日も頑張る!

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