コミュニティーカレッジで教え始めました。

これは本当に一週間ぐらいで急遽まとまった話しなのですが... ヒューストンの北部に巨大なキャンパスを5つも持つ Lone Star Collegeと言うコミュニティーカレッジで非常勤として教えることになりました。 課目は非・音楽専攻学生のためのMusic Fundamentals. 音楽の基礎知識(楽譜の読み方、鍵盤・音階・和声進行の基礎知識、簡単な聴音)のクラスです。 コミュニティーカレッジと言うのは公立の2年制大学です。 公共資金(税金、寄付など)で経営され、地域出身の学生を対象としています。 ここから4年制の大学に転校することが出来るシステムに成っていますが、 職業訓練校、正規の大学に入る前の補習が必要な学生のための学校など、 その他に色々な役割をも、果たします。 正直に言って、始めにお話しを頂いた時には躊躇しました。 火曜日、木曜日と週二日、3時10分から4時50分までのクラスです。 家から片道40分の通勤。帰りは渋滞が予測されます。 頂くお給料は、通勤時間と準備時間を計算して時間で割ると、 最低賃金を切りそう... そして、コミュニティーカレッジと言うのは私が今まで縁の無かった世界です。 ライス大学の博士課程の学生の多くがそこで教えますが、 彼らの話しのいくつかから、私が偏見を持っていたことを否めません。 「母親から『息子が牢屋に入ってしまった。 すぐ出られると思うし、絶対単位を取らせたい。お願いだから欠席を見逃してくれ』 とメールが来た」とか 「生徒の多くがフル・タイムで働いている。すでに子供が居る生徒もいる。 皆単位が欲しいだけで、授業には興味が無い。疲労困憊して座っているだけ」など。 このお話しを受ける決意をしたのも、かなり自己中な考え方でした。 これから就活をするに当たって、少しでも経験が多いほうが良い。 Lone Starはヒューストンでは非常に大きな存在。 地域のラジオ番組のスポンサーをやったり、大きな演奏会場を持っていたり、 キャンパスも非常に立派で(何故そんなにお金があるんだ!?)と いつも疑問で、(コネが出来たら、ホールの使用など、特典があるかも!)とか。 昨日は初めての授業でした。 結論から言うと、私は傲慢な偏見に満ちた大ばか者でした。 私はこの仕事を受けて、本当に良かった。 巨大なシステム化された大学だけあって、 確かに、生徒の人種、体型、国籍、年齢などは、 私が行った教育機関に比べるとずっと多様です。 (下層階級のほうが肥満が多い、と言うのはすでに立証されている事実です。 これは食育が行き届いていないことの他に、文化的なもの、 そして経済困難に在る人が安い物(=加工食品)を食べると結果肥満になる、など 理由が複雑なようです) 英語が不自由な移民の生徒も、居ます。 しかし、人はやっぱり人でした。 なんでこんな基本的なことを私は忘れていたのだろう。 音楽を通じて、言葉を超えたコミュニケーションを目指している、 私のような音楽家こそが、そう言う偏見を超越していなければ行けないはずなのに。 私が、取りあえず授業の最初に自己紹介のつもりで教室にあるアップライトを弾くと、 わざわざ移動して、私の周りに集まってきて、 「何でそんなに指が動くの!?」 「今のは何!?ショパン?」 と、私が忘れていたような、本当に新鮮な、素直な反応をしてくれました。 そして、私が自分の「Poco Piano」を宿題にする話しをすると […]

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