明鏡日記9.8:ヴァ―チュアル・ブリュッセル

マキコはブリュッセルに行けるのか

今朝11時発の飛行機でブリュッセルに向かっているはずでした。昨晩就寝の段階で今朝出発するのか否かがまだ不明。

「なるようになる!」野の君と笑って床に就くものの、やはり不安で今朝は4時半に目が覚めました。メールに走ります。「来ていただけるのならそれに越したことはありません。が、新しく規制に加わった入国時に空港で受けるPCR検査の結果が72時間ほどかかってしまい、更に結果待ちは隔離待機が必要なため、結局協議会の全てをホテルの部屋からご参加いただくという結果になる可能性が強いのです。」という先方からのメール。「来年の春には芸術中心の協議会、そして秋には今回と同じ趣向の協議会が開かれます。その時にご招待させて頂いて…」2回ほど電話でやり取りし、結局今回はロサンジェルスからオンラインでの参加をする事に決まりました。私も、アメリカ再入国の際に問題がでたら、その後の演奏予定などに支障を来す可能性もあるので、先方の言い分にありがたく同意しました。

今回の協議会:European Young Leaders 40

ブリュッセルに拠点を持つNPO「Friends of Europe」が2012年に立ち上げたEuropean Young Leaders 40。毎年40人の40歳以下の各界のリーダーたちを招聘し、一般市民と政治のギャップを埋め信頼を取り戻して民主主義の理想を再生させるための協議会です。ヨーロッパで特に欧州全体に象徴性を持つ都市で3日間に渡って半年一回開かれ、その年の新参者に、それまでの参加者、更に色々な分野で影響力や専門知識を持つ人々と共に協議をする場を提供します。難民問題やトランプ政権問題に直面し、2017年以降は北米・中近東・北アフリカからのゲストも招聘。2020年からはバルカン半島からの参加者も受け入れて、地域政治を超えた対話を追求しています。

オンライン参加の問題は時差

今回の協議会のスケジュールはこちら。ブリュッセル時間ーCentral European Summer Time (CEST)ーで9月9日(木)の12時半の昼食会で始まり、9月11日(土)の昼食会後の解散となります。私が担当する「The arts can heal, but can we heal the arts?(芸術は治癒効果を持つが、社会は芸術業界の回復を担えるか)」は2日目、9月10日(金)の14時15分から15時45分まで。これはロサンジェルスでは朝の5時15分から6時45分までです。要するにヨーロッパの日中はロサンジェルスの深夜から朝まで、という事です。

しかし考えようによっては旅疲れが無いだけ集中できる!

そりゃブリュッセルまで行っていれば、旅情の興奮とベルギーチョコと他の参加者との顔合わせの高揚で、実体験として得る物は多かったでしょう。でも考えようによっては移動に費やす体力をセーブできる分、協議の内容に対する認知力が高まる、とも言えます。現地に居ようが、ロサンジェルスからのオンライン参加だろうが、時差はある!

協議会の行程をロサンジェルス時間で書き直し

  • 9月9日(木)
    • 5AM:国際事業としての宇宙開発に於ける欧州リーダーシップの発揮
    • 6:30:参加者自己紹介
    • 7:30:各国のCovid後の経済復興計画はデジタル化・環境安全化を謳っているが現実的、かつ公正・平等か?
    • 8:30:多国間主義と国益のバランス:世界最大市場として欧州の道徳は?貿易税・ワクチン主権、など。
  • 9月10日(金)
    • 1AM:民主制を麻痺させる政治不信と分断を和解させる民主的対話を促すのはメディア?新しい政治?
    • 3:00:フェミニスト都市計画―女性の視点から女性の為の都市計画・歴史・地図
    • 4:00:ランチ(笑)
    • 5:15: The arts can heal, but can we heal the arts?(芸術は治癒効果を持つが、社会は芸術業界の回復を担えるか)
    • 7:15:カーボンニュートラルの飛行機も長距離対応の電気自動車もまだ夢。鉄道産業の発展と環境中立。
  • 9月11日(土)
    • 1AM:分野別のラウンドテーブル協議
    • 2:30:コロナ禍の教訓を民主主義の将来へと活かす為に

「一週間くらい寝なくても人間は死なな~い!」

US-ジャパン・リーダーシッププログラム関連で新参者歓迎会に出席した時に先輩が連呼していてビビった言葉です。2017年の事でした。その後実際に参加して、その言葉の真実を実体験しました。一週間、朝から晩までぎっしり行程が組まれていますが(一番すごかったのは朝5時半にお坊さんの指導のもと禅を組んで皆で瞑想した事です)、なんと参加者は夜の行程をこなした後、町に繰り出してカラオケをして騒ぎまくり、朝一でラーメンや寿司を食してホテルに帰り、次の日の行程をこなしていたことです。私は大抵挫折して夜の3時ごろに就寝していましたが、それでも一週間でへろへろになりました。でもその一週間を共にした仲間たちとは人生を変える経験を共にした同志として、一生特別な友情で結ばれている事を実感しているのも確かです。この言葉の心は要するに、ちょっとくらい非常体験をした方が色々身につく、という事だと思います。

頑張ります!

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *