明鏡日記10.8:ヒューストン・メソディスト病院

昨日は一日ヒューストン・メソディスト・ホスピタルで過ごしました。

正午:クレーン・ガーデン・コンサート・シリーズの為の独奏会。

ヒューストン・メソディスト病院は、音楽や芸術を患者さんやご家族、医療スタッフなどの個人とコミュニティーの心身の健康状態の向上のために積極的に取り入れています。病院の正面玄関は、吹き抜けの天上から日光がサンサンと差し込み、沢山のオブジェに囲まれています。週5日間生身のピアニストが様々なジャンルのBGMを演奏しています。私はBGMは一般的には嫌いですが、ライス大学時代に沢山の知人が「このピアノに救われた」というのを聴きました。親しい人が、検査結果や手術の終了や、時には死期を待っている時、このピアニストがロビーで弾いているのを聴いている事で慰められたというのです。

このロビーのピアノで、一週間に一回、演奏会が開かれます。パンデミックまではピアノの周りに聴衆の為の客席が設置され、本当の演奏会の様を成していました。コロナ禍は、YouTubeでのヴァ―チュアルでの配信に切り替わりました。私の昨日の演奏もYouTubeで流され、私は感染拡大を恐れて特に宣伝はしなかったのです。でも、私のHPなどでわざわざリサーチをしてくれた友人や、私がヒューストン在住していた時の聴衆の方々が演奏会に来てくれて本当にびっくりしました。特に昔の聴衆の方々は、メルアドも持っていない、SNSでも繋がっていない人が多かったのです。正直、私のHPをフォローしてくれている事も知りませんでした。そういう人達が満面の笑顔で来てくれて、涙が出そうになりました。

PR用映像の作成

昨日は私に映像クルーが二人、ついて回っていました。私が演奏した後、MRIで脳をスキャンしたり、これからの研究について協議したりするところを映像に収めて、病院のPR映像にまとめるのです。3脚に固定されたいわゆるテレビとか映画用のカメラと、カメラマンがお腹周りのベルトに固定して担いで、歩きながら映像を収める移動用のカメラと二台のカメラです。この移動用のカメラが演奏している時も、顔から30センチの所まで「ググググググ~~~~ッ」と近づいてきました。このカメラは凄く重そうで、お腹周りのベルトに乗っけている感じなのですが、それでも演奏中にカメラマンが一回「グラリッ!!」と落としそうになり、思わず笑ってしまいました。演奏が終わった後、MRI実験室に歩いているところの映像を撮るために何度も何度も同じ廊下の30メートル位を歩きました。病院なので、患者さんのプライヴァシーの問題などもあり、他の人がフレームに入り込んでしまうと撮りなおしなのです。(今回は誰も入り込まなかった!)と思ったら、「マスクが鼻の下に下がっています。撮りなおし」と言われた時はがっくりしました。

fMRIに入る

脳神経科学が音楽に注目している理由の一つは、音楽をやっている人の脳がやっていない人の脳に比べてより良い発達や機能が観られるからです。私は「音楽家の脳」のサンプルとして、よくfMRIに入っています。今回もそういう実験に被験者として参加するためにfMRI に入りました。

これからの実験やコラボに関する協議

近所のイタリアン・レストランに連れて行って頂いて、ヒューストンの音楽プログラムの監督とfMRI実験の監督の人と3人で素晴らしいご馳走と美味しいワインを頂きながら、これからについて協議しました。これから出来ることは沢山、沢山あります。将来の可能性をお話ししながら、物凄く盛り上がってお店が閉店してウェイターの人がちょっと困っている時間まで歓談が続きました。

1 thought on “明鏡日記10.8:ヒューストン・メソディスト病院”

  1. お疲れ様です。

    コロナ禍のあとは、歓喜の解放となります。
    BGMとはいえライブコンサートです。
    耳を澄ませて聴き入る人にエールを追ってください。

    小川久男

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