演奏道中記5.4:昨日の演奏の復習

本番まで後8日。

昨晩の演奏は、まあ100点満点ということはないだろうと腹をくくって演奏に挑んだ。準備がまだ甘いし、トークも交えて1時間弱の短い演目とは言え、新曲が大半を占める。それに会場のBaldwinは鍵盤のタッチが重たく、鍵盤の戻りが遅く、弾いているとみるみる音程が狂う。その上昨日の午後、料理中にレモンを絞っていたら右手の親指が滑って軽~く突き指をしてしまったのである。普段なら気付きもしない程度だが、第一関節かすかに腫れて、わずかに動きが鈍った。

それでもまあ、90点くらいの出来だろう、と期待していた。お客様には手放しで喜んで頂けた。パンデミックまでは二月に一回ほど定期的に演奏させて頂いていた近所の高齢者施設。そのよしみもあったのだろう。「また会えてうれしい!」と、パンデミック前より随分多くの人数がお見えになり、演奏前から沢山の人に笑顔で挨拶してもらったり、感染構わずハグをしてもらったりした。今回はトッホの曲中心のプログラムで耳馴染のある演目どころか、不協和音が多い、不慣れな曲風だったにも関わらず、ノリの良い所では足でタップしてくれたり、可愛い終わり方をする曲の後はくすくす笑いが会場に満ちたり、速いパッセージの後では「Wow…」と感嘆とため息が聴こえたり、本当に集中して楽しんでくださった。演奏後も質問やコメントで話し込んでいかれた。...それは嬉しかったのだが...

自己評価70点。

現実は直視しなければいけない。そして、ピアノや体調にどんな不具合があっても、自信満点の十八番だったらぶれないのを、私は経験上知っている。昨晩ぶれた個所は、まだまだ消化しきれていないということ。

弾きながら、何度も危うかった。時々正しくない音を、正しくないと知りながら『作曲』してごまかした。観てない人は申し訳ありませんが、「鬼滅の刃ー遊郭編」状態。満身創痍での絶体絶命を10回くらい自己暗示とか、笑っちゃうようなどんでん返しでぎりぎり乗り切る。

このブログは、これからの練習課題を明確化しながら、書き進めます。そして突き指の右手親指を出来るだけ早く完治させるべく、今日は良い機会なので左手中心に練習します。

最初のブラームス(作品118-1)からミスが目立った。この曲も私にとっては新曲だが、難しい曲ではない。もっときちんと呼吸ができ、第一音から音世界に入り込めていたらあそこまで音が滑らなかったはず。特に左手はもっと弾きこまなくてはいけない。

二曲目のモーツァルト(ミニュエットK355)は大方思い通りに弾けたのだが、最後に左手がどうした事か思いに反してもたついた。これも左手の復習。更に昨晩の録画を復習してみると、(こう弾きたい)という想いが前出しになりすぎて、過分な力が入ったり、不必要なテンポの揺れに繋がったり、やりすぎのアクセントや強弱に繋がっている。ただ、弾く。自然にノル。

やはりちょっと左手が不自由でタイプも微妙に差支えがあるので、今日はここでやめますが、結果的に言うと、この右手の怪我は神の思し召し。まさに怪我の功名。左手のみの練習で自分の弱点多々発見!動画も今日はお休みします。取り合えず完治最優先!

1 thought on “演奏道中記5.4:昨日の演奏の復習”

  1. お疲れ様です。

    満点の演奏は、天国行きの特別切符です。
    克服すべき課題を解決せよ。
    と、守護天使が言っているような気がします。

    小川久男

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