リズム感について

練習に本当にノル一日、と言うのは、朝から違う。
私は大体朝食の直後、朝一番に簡単なウォーム・アップから始める。自分の姿勢と呼吸、自分と鍵盤の位置と関係、そして自分の体の重さと動きと血のめぐり、などを確認するような、簡単なものだ。ところが、ノル日と言うのは、この段階ですでに脳みそが色々な発見するのである。昨日はこういうノル日だった。
簡単なスケールを弾いていた途端、脳みそが「ビビビビ!」となった。(何だか、今のスケールはリズム感が良く無い、なぜか。テンポは一定してるし、音の粒はそろっているし、特に目立ってリズムが間違っているわけではないのに、垢ぬけない。なぜか。リズム感とは何か)と始まり、(リズム感と言うのは、ただ単に正確に時を刻むということでは無い。もしそうならば、時計の秒針や、メトロノームのリズム感が良い、と言うことになるが、決して私たちはそう感じない。じゃあ、リズム感とは何か。それはもしかしたら方向性のある拍、と言うことではないか。)とこれはずっとスケールを弾きながら、リズム感を良くするべく試行錯誤しているうちに脳が勝手に独語しているのである。方向性のある拍、だけではない。性格のある拍、とでも言おうか、主張のある拍なのである。そして拍と言うのは、独立して方向性や性格を持てるものではない。全て周りの拍との関係、総合的な強弱や音色や非常に微妙なタイミングによって、初めて方向性や性格を持ち得るものなのである。。。発見!
こういう練習はワクワクするし、こういう風に始まった日は一日中練習が凄く楽しい。

2 thoughts on “リズム感について”

  1. 難しい!リズム感のわたしにはなかなかのお話です。ところで最近NHK-FMラジオでベルクの「ルルの組曲」を聞く機会がありました。しびれました、そのモダンさに。マキコさんはフランク・ヴェーデキント (Franck Wedekind)の戯曲「地霊」および「パンドラの箱」を読んだことありますか、もしなければどーぞ。ちっと退廃的ですが面白いです。

  2. >abbrosさん
    ルル、お好きでしたか? ビュクナーと言う若くして亡くなった作家の書いた戯曲にもとづいて書かれた、同じくベルグのオペラ、「ヴォツェック」はご存知でしょうか? これも圧巻です。
    ヴェーデキング、調べてみますね。
    真希子

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