イェール大学の友達を訪ねる。

日本からアメリカに帰って来た翌日、荷物を解くこともほとんどせずに、一昨年までコルバーンで一緒で今はイェール大学で修士課程の勉強をしている友達を訪ねて、コネティカット州のニューヘーヴンと言う街に行ってきました。イェール大学はアイヴィ―・リーグの一校で5年ほど前、在る金持ちがその音楽学部に多額な遺産を残したため、それ以降音楽学部の生徒は全て学費免除になりました。クローデ・フランクを始めとする秀でた教授陣で昔から音楽学部は有名でしたがこの「全員学費免除」以降はとても入学への競争が激しい音楽学校となりました。そこに今在籍している私の友達、デーヴィッドは医学生だったのけど勉強中にちょっと受けたピアノ・コンクールで一等賞を取ってしまい、それをきっかけに音楽専攻に鞍替えした、とても頭の良いピアニストです。「天は二物を与えず」とは誰が言ったのだろう。私の周りには何をやらせても凄い、と言う人が沢山います。デーヴィッドはシェフになりたくてそう言う勉強も一時期した事が在ります。スフレやフランス料理のソースや、何を作らせても唸る位上手いのです。そして凄い掃除好きで、家の中は塵一つ無く、インテリアも非常に趣味良く、効率よくまとまっている。いつ勉強、練習しているのだろう?
同じくコルバーン出身で今ロスのUniversity of Southern Californiaで博士課程の勉強をしているジョンもでデーヴィットのアパートにお泊りしていて、この二人が「マキコもおいでよ。明日はジョンの誕生日だし、デーヴィットの美味しい料理が一杯食べられるよ。皆で楽しくやろうよ!」と何度もお誘いを受けて、(この二人は本当にいつ練習しているんだろうねえ、わたしゃあ君らみたいに練習しないで弾けないんだけどねえ)と思いつつも誘惑に勝てずに行って来ました。「練習だったらイェールの練習室でできるよ!」と言われた、と言うことも在りますが(実際はそんなことは一瞬もしなかった)。
この二人、信じられない程上手いのですが、「良く遊び、良く学べ」では無く、「良く遊んでいれば、上手くなる」と言う感じの人たちだなあ、と思いました。こういう人たちと一緒に遊んでいれば、私も練習しなくても上手く成るかな?何しろ私が着いた金曜日はジョンの誕生日パーティーで、土曜日は一日中遊園地(ローラー・コースターで絶叫しまくってのどが痛くなってしまいました)、そして日曜日はアメリカ中で有名なアウトレット・モールまで片道2時間半かけて行って、おシャレに興味の無い私を「変身」させるべく、二人で色々見つくろってくれたのです。その間の練習量は3人とも勿論ゼロ。そして皆2週間、3週間後に本番を控えているのです。しかしこうして遊んでいても、道中、食事中などはやはり音楽や練習の話しになるし、お互いに刺激を受け合います。そして二人が遊びながら頭の中で練習している様子も良く分かって面白かった。ぼ~っとしているなあ、と思ったらかすかに次の演奏会の曲を鼻歌してたりするのです。
しかし私は彼らとは違ってやはり「努力の人」なので、行き帰りの電車の中では結構真剣に楽譜の勉強をしたりしていました、コソコソと。

2 thoughts on “イェール大学の友達を訪ねる。”

  1. アメリカにはそういう人結構いるよねぇ・・・遺伝子の違い!?何が違うの??
    どういう子供時代を過ごして来たんだろう?聞いたことある??もし何か知ってたら教えて欲しいわ。是非うちのムスコもそういう人種になってほしい!!DNAの違いでなければ・・・苦笑

  2. >純さん
    遺伝子の違いではない証拠に私は日本人でもそう言う人たちを何人か知っているし、このデーヴィッドは中国系オーストラリア人、そしてジョンは中国系ニュージーランド人なので、同じアジア人 ―DNAには大差無いはず!
    この人達でさえ「天才」と認める、例えば今新進中のYuja Wang(Youtubeご覧あれ!本当に度肝抜かれるから!)などについて3人で話していたのだけれど、本当に凄い人と言うのは幼少に物凄い努力をしていて、10歳以降はもう技術的なことは遊び感覚でできるようになっている、のではないでしょうか?息子さんは今7歳くらいだよね?心を鬼にしてビシビシしごくか?でも、こう言う「天才」達には奇人が多いけどね。ピアノ、やらせているの?
    なつかしいよ~、
    マキコ

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