曲目解説

コロナ日記124:明日のライブ配信!...ワクワク

3つの連続音が西洋音楽でよく使われるモチーフとして定着したのは、もともとそれが音楽的なのか、それとも西洋音楽に於いてキリスト教と「3位一体」の象徴性が重要だからそうなったのか?明日のプログラムで一緒に考えてください。

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シューベルトの「ます」は19世紀ドイツ語版「泳げ!たいやきくん」??

シューベルトの「ます」は19世紀ドイツ語版「泳げ!たいやきくん」??

これからツアーで演奏する「ピアノで聴く水」のプログラムにリストが編曲シューベルトの歌曲「ます」を入れたのは、実は「ます」を童謡教材にしている保育園の園児たちにせがまれたからです。しかし、譜読みを始めた当初は(いったいなんでこの曲が流行したんだろう?)と首を傾げ、中々入り込めませんでした。メロディーは単調だし、歌詞もなんだか腑に落ちないストーリーです。 歌詞はこちらでお読みいただけますが、かいつまんで内容を話すと「私」が元気よく小川を泳ぐマスを快く眺めていると、釣り人が釣り竿を持ってきます。(水がこんなに澄んでいるからからマスには釣り人や釣り竿が丸見えさ。ますは絶対釣られない)と「私」は安心してみています。が、しびれを切らした釣り人が水をかき回し、濁流の中でマスは釣られてしまう!...こういうお話しです。 毎日の譜読みと練習を義務的にこなしていた私に最初のインスピレーションをくれたのは漫画「昭和元禄落語心中」(これ、傑作!)。ここでまず、筋があまり面白くなくても、語り口調と間の取り方でお客を悶絶大爆笑させることができる、と学び、がぜんチャレンジ精神に燃えた私! そして次のインスピレーションは昨日、突然練習中の閃きとして、私に訪れました。私はずっと「ます」がどうして当時流行したのか、ずっと不思議に思っていたのです。この曲は、当時比較的無名だったシューベルトのヒット曲の一つです。2年後にはこの曲を基に室内楽を書くように委嘱を受け、シューベルトはピアノ五重奏「ます」を書いています。なんで流行した!? 当時のウィーンの人たちはこの曲に何を見出した!? その時、急に思いついたのです。 (この歌詞の筋って「泳げ!たいやきくん」と同じじゃない...?) 「泳げ!たいやきくん」がなぜ流行ったかはすぐ分かる。1970年代後半に出てきた歌です。大学紛争や反戦運動など、反体制主義の思想を経験しながら成長した団塊の世代が企業戦士としてまだ30代で死に物狂いで働いている時代です。「♪まいにちまいにち」「♪鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃう」「♪店のおじさんとけんかして海に飛び込ん」で、「♪時々さめに追いかけられるけど、そんなときゃそうさ逃げるのさ」と歌うたいやきくんに、聴き手はさぞかし自己投影したことでしょう。そして最後にお腹が空いたあまりついつい釣られてしまい、「♪やっぱり僕はたい焼きさ...」と釣り手に食べられてしまうたいやきくん... 「ます」は「たいやきくん」ほどストーリーが発展していません。が、水をわざとかき回されて濁流の中で釣られてしまうマスに、世の中の不正に怒りを感じている人たちは、みんな「たいやきくん」にしたのと同じような自己投影するのでは? う~ん、世は変われど、人は変わらず...マスもタイも、意味深し...

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「水の上で歌う」歌詞の邦訳

フランツ・シューベルト(1798-1828)の歌曲「水の上に歌う(1823)」の詩の邦訳です。詩人は Friedrich Leopold Graf zu Stolberg-Stolberg (1750-1819)。この邦訳は、Richard WigmoreとLynn Thompsonの英訳と、このブログの邦訳を参照しています。 Mitten im Schimmer der spiegelnden Wellen 鏡の様にきらめく波の合間をGleitet, wie Schwäne, der wankende Kahn; 白鳥の様にボートが滑っていく。Ach, auf der Freude sanft schimmernden Wellen ああ、やさしくきらめく波の喜びの合間をGleitet die Seele dahin wie der Kahn; ボートの様に魂も滑っていく。Denn von dem Himmel herab auf die Wellen そして天国から波へ下降してTanzet das Abendrot rund um den Kahn. 夕日が踊る、ボートの周りを。Über den Wipfeln des westlichen

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