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テキサスでカルチャー・ショック

昨日の朝は高校生の作曲家のグループに自分の楽器について説明をする、と言うアルバイトが在った。 ピアノと言う楽器は一目瞭然な感じもするが、実は作りが複雑なため、結構遊びが効くのである。 例えば、楽器の中の弦をはじく、とか弦に物をはさむ、とかペダルの操作で何かする、とか。。 兎に角、そのアルバイトが終わった時の事。 「私、冬休みに婚約したの!」 修士一年目で多分間違いなく22歳くらいのフルーティストのジーナが指輪を見せる。 「え!? 本当?僕は冬休みに結婚したんだよ!」 このアルバイトを手配した、多分私より若い、チェリストのエヴァンがこれまた指輪を見せる。 「え!? 僕は6月に結婚するんだ!」 クラリネット奏者のブライアンが無精ひげをかきながら、ぼそっと宣言する。 何となく視線が私に集まる。 「わ~い、皆おめでとう! は。。。は。。。は。。。は。。。」 私は取り立てて報告することが無いので、とりあえず笑っておく。 その後ジーナと昼食をとりながら話をした。 ジーナはライスに来るまではニューヨークの音楽学校の学部生だった。 「ニューヨークでは独身が当たり前だったよねえ」 と言う私の誘導尋問(!?)にきちんと乗ってくれる。 「そう! こちらに来たら学生がジャンジャン婚約・結婚するし。 これはテキサス?それともライス? ライスでは教授の妻や夫が同じく教授だったり、何らかの大学関係の仕事をしているよね。 実に家族単位で起こる事が多いよね。」 ジーナはテキサスに引っ越したから結婚する運びになったのだろうか。 そして、私はテキサスで独身で、これからどうなるのだろうか。 皆一体いつ、どうやって、婚活、そして結婚しているのだろうか。 今週末私は実に4つのリハーサルを行い、最初に説明したアルバイトをし、 そして一つ、演奏会を見に行って(この事については後で書きます) 合間に練習、そして宿題、それから今週ライスで行われる入試の為に訪れている旧友とお食事、 さらに週日ではほとんど不可能な友達との飲み会をやって、 (料理人はだしの友達が何とてんぷらを作ってくれたのです。 キス、太刀魚、しいたけ、などなど―ほわほわで、かりかりで、この世のものとは思えない美味しさ!) 予定はぎっちりなのである。 う~ん、中々複雑である。 ちょっとニューヨークにホームシックだったりする。

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目の下ぴくぴく

ここ最近、右目の下がぴくぴくと動く。 始めは無視していたのだが、一週間ほど続いており、鏡で見てみると目の下が本当にぴくぴくしている。 なんでだろう。 目の疲れ、身体の疲れ、心の疲れ? 心して健康的に日々を過ごすようにしているのだけれど。 今日はいつもにも増して、気を使ってみました。 朝は早起きして一番でジムに行き、ひと汗かいて、クラスに行き(ちゃんとシャワーは浴びました)、 お昼をどっしり、夕飯を軽くして、今日は早寝! 目の下のぴくぴくに関して何か情報をお持ちの方は、コメントあれ!

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宿題

一昨日、昨日と、色々あってほとんど宿題も練習も放棄していた(ブログも)。 今日は本腰を入れて、パッパと、譜読み、宿題、用事、そして練習と進めていこう! 宿題のハイライトは「クラス教授法」の宿題。 「音楽理論」と言う名目の学部生一学期目のクラスのカリキュラムを作ることが宿題なのだけれど、 現実的な事を一切考慮しないで、なるたけ現実離れした理想的なクラスを作れ、と言う宿題。 例えばそうしたかったら、寝食ともにして、一日10時間毎日のクラスをデザインしても良いのだ。 私は、私の様な生徒のみを対象としたクラスをデザインしたいと思っている。 絶対音感を持ち、すで音楽理論のクラスを全て、オールAで取って来ていて (人によっては音楽理論は中・高生から始める) でも実は、それは絶対音感を持っているために答えが分かっているからであって 本当に理論を理解しているわけでは無い、と言う、多分見分けるのが難しい生徒たち。 譜読みはレベッカ・クラークのピアノ3重奏。 これは来る3月4日と5日のD。C。の国立図書館での演奏会の為の準備で、 明日最初のリハーサルが在る。 レベッカ・クラークと言うのはイギリス生まれの女流作曲家だが、 割と若いうちにアメリカに移住して来て、その直筆や手紙の多くが国立図書館に在る。 彼女の名前や作品の前にはしばしば「女流作曲家の」と前書きが付くが、 それが悔しくなるほど、彼女の作品は優秀だ、と私を始め多くの人が思っている。 練習は引き続き、ゴールドベルグ変奏曲とリストのソナタ。 そしてもう一つ、今日は二つのとても楽しみな演奏会を聴きに行く。 一つは私の先生である、Brian Connellyの独奏会。 彼は彼所有の古楽器の一つである1862年作成のブ―ゼンドルファーでブラームスを弾く他、 ジャズ風の曲や、色々な楽しいプログラムを用意している。 それから、作曲専攻の博士課程のクリスが、同学年のヴァイオリニスト、ソーニャの為に書いた ヴァイオリン協奏曲の演奏が今夜在る。 初演は先学期在ったのだが、私は不在で逃してしまった。 でもクリス、ソーニャを始め色々な人がこの曲について興奮して話すのを聞いているので、 とても楽しみである。

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明日から新学期!

明日から新学期と言う事で、今日は午前中に練習を済ませ、一日中色々な雑用を済ませました。 その一つに12月中旬からロサンジェルスの日本語放送チャンネル、NTBで放送開始となった 「ピアノの時間」の撮りだめが在ります。 昨日6本のエピソードの収録を済ませましたが、今日は編集用の説明書きなどをしました。 その為に一杯日本語タイプしたので、今日のブログはそのコピー・ペーストでお許しを。 エピソード#6 「練習曲の美学」 Chopin Etude Op. 25-1 (1836) "Aeolian Harp" ショパン(1810-1849)作曲、エチュード作品25-1「エオリアン・ハープ」 ① 19世紀ごろ、ピアノを弾くことが一般的に浸透して来た頃から書かれ始めた「エチュード(練習曲)」と言うピアノ曲のジャンルについて。 ② 「エオリアン・ハープ」と言う楽器の説明とタイトルの由縁。 エピソード#7 「歴史を反映する音楽」 Chopin Etude Op. 10-12 (1831)”Revolutionary Etude" ショパン作曲、エチュード作品10-1「革命のエチュード」 ① 音楽が面白い理由の一つは時代の美的感覚や一般的な社会的な動きを常に反映しているからだが、時としてある歴史的イベントをはっきりととらえる曲と言うのもある。 ② ①の例としては、例えばベートーヴェンの交響曲の3番「英雄」等が在る。ベートーヴェンは理想と崇めていたナポレオンにちなんでこの曲を当初「ナポレオン」と題するつもりだったが ナポレオンが自らを皇帝としたことから失望し、このタイトルを「英雄(Eroica)と変えた。 ③ 「革命のエチュード」の歴史的背景。ショパンもメンバーだったポーランド独立の為の学生運動。ショパンが亡命した後の革命の失敗。ショパンの友達の多くのが命を落とした。 ショパンはそのニュースを受けた直後にこの曲を書いている事、その曲想などからこの曲は「革命のエチュード」と言う名前で親しまれるようになった。 エピソード#8 「曲に組み込まれる暗号」 Ravel Menuet un sur le nom d’Haydn ラヴェル ハイドンの名によるメニュエット(1909) ① 曲に暗号を組み入れてメッセージとする、と言う事は色々な人がやっている。例えばシューマンとのちの妻、クララがクララの父の猛反対により手紙も許されなかった時期、彼らは曲に暗号を組み入れることでコミュニケーションを交わした。 ② ではどうやってそう言うことができるのか? 方法その1) 歌を抜粋し、作曲に組み込み、その歌詞の部分をメッセージとする 方法その2) お互いの思い出の曲や、お互いが決めた音形を使う 方法その3) スケールをアルファベットに見立てて、この組み合わせで言葉を綴りだす。 英語; C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)、C(ド) 独語; C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シのフラット)、H(シのナチュラル)、C(ド) ③ 例;「西洋音楽の父」バッハの名前はBACHとつづる。これは音形で言うと B(シのフラット)-A(ラ)―C(ド)―H(シのナチュラル)となる。 この音形はバッハ自身も好んで使った他、後世の作曲家も象徴としてよく使う。 ④ ラヴェルの「ハイドンの名によるメニュエット」はハイドンの死後100年を記念して書かれた曲で、そのテーマはハイドンの名前(Haydn)を綴りだしている。スケールの中に無いアルファベットはラヴェルが勝手に音を選んでいる。 H(シのナチュラル)―A(ラ)―Y(レ)―D(レ)―N(ソ) ⑤ 曲の中でラヴェルはこの音形を色々な形に変える。例えば名前を後ろから綴る。さらに後ろから綴った名前を上下線対象にひっくり返す。など。 (NTBのスタッフの中で楽譜を読まれる方がお在りでしたら、この全てを書きだした楽譜をお送りしますので、私の演奏中に字幕の様にこの綴りを入れて頂けたら楽しいとおもうのですが。。。、いかがでしょうか?)   エピソード#9「言葉の持つパワー」 Schumann

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アメリカは広い!ヒューストンは暖かい!

零下はマンハッタン、雪景色のニュージャージーから飛行機で4時間ひとっ飛びして ヒューストンに着くと、暖かい! 現在、朝8時時点で6度と日本並だが、日中は15度くらいまで上がったりする。 NYの5月並の気温である。アメリカは広い! そしてまた、気温の肌の感触と言うのも全く違うのである。 NYでは湿度が非常に低い。 だから物凄く寒くなっても、肌がピリピリ痛くなったりするが、冷気が肌にまとわりつかない。 ところがヒューストンは日本に似て湿度が高く、ちょっと冷え込むと底冷えするのである。 寒さの質が全く違う。 昨日はハロウィーンに引き続き、クリティカル・マス・自転車ツアーの二回目の参加をして来ました。 (Critical Mass Bicycle Ride(クリティカル・マス・ライド)」とと呼ばれる自転車のイベント。要するに自転車に乗る人が沢山集まって一緒に道路で乗りまわし、自転車の道路に置ける権利、自転車の良さ(エコ、経済的、など)を訴え、さらに車社会を批判しよう!と言う企画 – 詳しくは2010年10月31日付けのブログをご覧ください)。 今回は25人ほどの小さめのグループでしたが、私のママチャリでは追いつきにくいほどのスピードで、 私が息を切らしていたら、自称「バイク・マニア」の人達がよってたかって私のサドルを上げ、 漕ぎ方を教授し、助けてくれました。 もっとも追いつけなかったのは、私が冬休み中ほとんど運動していなくて、 今体力が自分ではっきり実感できるほど落ちているから、と言う事も在ります。 でも、皆に助けてもらって凄く嬉しかったので、 「ほら、助けてもらって漕ぐのがこんなに楽になったよ~」 とアピールする為に苦しくても頑張って一生懸命漕ぎました。 学期初めを目前に、運動、規則正しい睡眠を心がけながら、出来る準備、片づけられる用事など、 学期が始まったら出来にくくなる社交を今のうちに!と忙しく日々を過ごしています。 一昨日は友達と「Black Swan」と言う、ナタリー・ポートマン主演の映画を見に行きました。 話題の作品で、楽しみでしたが、期待を上回る出来で、触発されました。 美しさの厳しさに憧れます。 お勧めの作品です。

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