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突然、ぽっかり暇

昨晩の演奏会の後、タングルウッド主催のパーティーがあり、 教授、指揮者、研修生、事務の人達、みんな無礼講で飲んで踊り、結構な騒ぎがあり、 中には近くの湖まで真夜中の水遊びに行った人たちまでいて、お祭り騒ぎだった。 そして今日はぽっかりと突然、音楽祭終焉に近くなった実感がする日だった。 さびしいような、ホッとするような、信じられないような、嬉しいような、不思議な気分。 そして、いつもよりお互い優しくなり、いつもより沢山何気ないおしゃべりで時間を費やして、 お菓子や、インスタント・ラーメンや、 今までいつ非常食が要るか分からないけちけちサヴァイバル・モードだったけど もう太っ腹になっても大丈夫、と言う気持ちでみんなで大いに食べ、飲み、 なんだか休日の様な一日だった。 そして夜、現代曲フェスティバル最後のイベント、 現代曲専門のピアニスト、Nicolas Hodgesによる、現代曲だけのピアノ・リサイタルが在った。 プログラムは以下。 Frederic Rzewski Nanosonata, Book I (2006) Pierre Boulez Incises (1994) Henri Dutilleux Trois Preludes (1973 – 1988) intermission Hans Thomalla Piano Counterpart (2008) Pierre Boulez une page d’ephemeride (2005) Michael Finnissy Mit Arnold Schoenberg (2002) このプログラムについてのコメントは、現代曲考察についてのエッセーで触れたいと思うが、 ピアニストたちはみんなで一緒に座って、なんだかいっぱい目と目で通じあった。 時に「なにこれ?」とか、時に一緒に静かに笑いを押し殺したり、 時には「面白い!」と目を合わせ会ったり。 良い友達を持って良かった。 この2時間は一人で聴いていたら、本当に苦痛だったと思う。 […]

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Judd Greensteinに会う

9 寮で練習 11;30 キャンパスに移動、リハーサル、コーチング(Singing Sepia) 2 研修生による現代曲フェスティバル演奏会、その1 4    プレヴィン歌曲コーチング 5;30  湖までお散歩 6    寮に戻り、お食事、またキャンパスに戻る 8    明日のドレスリハーサル (Boulez is Alive by Judd Greenstein)  とても疲れているし、明日の演奏会に備えて早く寝たいので、明日沢山書きます。 今日はおぼろ月夜で、とってもきれいでした。 ここのところ、4日ほど快晴で嬉しいです。 今日はちょっと肌寒かったけど、昨日はカスカに汗ばむくらいの陽気だったし。

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音楽活動を支援する人たち

9    練習 10   オケのリハーサル 11;30 練習 12;30 ヴォランティアによる研修生の為の昼食会 1    寮に戻り昼寝、ちょっと読書、またキャンパスに戻る 4    ストラウスの歌曲のクラス 6    寮に戻る、夕食 7    アンドレ・プレヴィンの歌、リハーサル 8    練習 ちょっと疲れ気味。 昨日のブログを書いたあとで、何となく自分がこの頃不必要に批判的になっているようで悲しくなった。 何しろここに来て、ほぼ毎日演奏会に参加するか、演奏会を聴くかしている。 時には日に二度、演奏会を聴く日もある。 その上にレッスン、リハーサル、講義、そして自分の練習。 段々食傷気味になってきているのかも。 贅沢な話ではあるが。 皆そうだけど、そして周りが疲れているから余計自分の疲れを意識することもあるのだけれど、 今日はついに昼寝をしてしまった。 そういうときに、今日のランチは嬉しかった。 普段、研修生は寮で朝ごはんが8時から9時まで、夕飯が5;30から7時まで食べられる。 でも、昼は出ないし、夕飯もリハーサルが立て込むと、時間内に寮に帰ってくるのが不可能な日もある。 そういう日は、朝頼めば、寮の食堂のおばさんがサンドウィッチを作ってキャンパスまで届けてくれる。 でも、アメリカのお弁当にしてはましな方だけど、 レタスとトマトとハム(又は菜食者用に、豆腐の薄切りにペスト・ソースを塗ったもの)のサンドウィッチ それからポテトチップスと、リンゴかオレンジと、リンゴジュースのお弁当である。 メニューの変化は無い。 私は実は日曜、月曜とつづけてその「お弁当」だった。 そしてお昼は食べている時間が無いし、買うお金ももったいない。 朝食の時(本当はいけないのだけど)食パンを紙ナプキンに包んで持ち出してお昼に食べたり、 お菓子や、粉末スープ、同じく持ち出したフルーツを食べたりしている。 そういう食事が続くと、やっぱり悲しくなってくる。 でも、毎週水曜日はヴォランティアの人達が、そういう研修生たちの為に昼食会を開いてくれる。 それぞれのヴォランティアが10人掛け位のテーブルを受け持って、 おうちで作ってきたお食事でおもてなしをしてくれる。 それぞれのテーブルでメニューが違う。 今日はロースト・ビーフと、グリーン・サラダとポテト・サラダ、 それからトマトとマッツォレラ・チーズにボルザミコ酢をかけたものをごちそうになった。 このテーブル受け持ちの人は91年に近くに越してきて以来ずっとタングルウッドに関わってきたけど、 5年前にいとこが研修生で参加したのをきっかけに、このランチのヴォランティアの参加を始めたそうだ。 他にも、ただ単に音楽家とおしゃべりしたい人たちとか、 それから自分の子供が昔研修生で、今はどこかでオケ奏者として働いている、と言う人や、 色々な人が色々なきっかけでこういうヴォランティアを始める。 私たちはみんな忙しいから、時にはご飯をかきこんで「ごめんなさい、リハーサルがあって。。。」 と言って立ち去る「食い逃げ」の様なことをしなければいけない時もある。 でも、みんな「分かっている、気にしなくていいから」と言いながら、 にこやかに、さりげなくごちそうしてくれる。 中にはそういう研修生用に、デザートを包んで持っていけるように、用意していてくれる人もいる。 一昨日、ボストン交響楽団の演奏会の休憩中、後ろに座った人たちの会話が聞こえてきた。 知らない人同志の、通りすがりの会話だったけど, 若い女の人の声が 「自分はミュージカル女優を目指して、そういう大学を卒業したけれど、今は普通の企業勤め。 そして今の夢は、いつかここの研修生を一人スポンサーするだけの貯金をすること」 と言っていた。 そういう芸術活動、夢の持ち方もあるんだなあ、と思って、感動した。

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オーケストラ奏者について

8;40 寝坊、急いでシャワー、身支度、9時に容赦なく片付けられる朝食にぎりぎりセーフ 10   キャンパスで、研修生たちの演奏会を聴く 1    ピザパーティー 1;30  練習 2;30  ボストン交響楽団(ベートーヴェンピアノ協奏曲3番、ラフマニノフ交響曲2番) 5    練習 6;30  明日のコンサートのドレス・リハーサル(ムソルグスキー歌曲) 7;30  寮に戻る 8;30-10 練習 ヴァイオリンや管楽器など、オケに使われる楽器の奏者たちは、 定収入を得ようと思ったら、一番普通の道はオーケストラで弾くことである。 そして、オケでのポジションを得るためには非常に競争率の高い、 厳しいオーディションを通過しなければいけない。 生徒たちはよく「mock audition (模擬オーディション)と称して、 (偽)試験管の前で、15分オケの抜粋やソロのサンプルなどを弾かせられる。 タングルウッドでは、7月の上旬にこの「mock audition」が在った。 そしてオーディションで「プロとして通用する」と認められた奏者は、 ボストン交響楽団の演奏会に載せてもらえる。 明日は、これは模擬では無く、本当のオーディションが行われる。 フロリダにある、「New World Symphony」と言うオケの 欠席奏者の代理の候補になるためのオーディションである。 New World Symphony と言うのは、マイケル・ティルソン・トーマスが音楽監督の 由緒あるオケだが、奏者は2年間しか在籍できず、若い人たちが他の場所のオーディションを受ける間の 受け皿の様な存在だ。 で、オーディションを受けに行く奏者の穴を埋める代理がいるわけである。 正規の奏者にも、代理にも、待遇はとてもいいから、アルバイトのオーディションでもみんな真剣だ。 隣がチェロ、真向いがヴァイオリンを一生懸命練習している。 もう11時なのに。 私は、耳栓でもして、寝ることにしよう。

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今日は晴れ!

7;30 起床、身支度、朝食、移動 9   練習 9;30 リハーサルとコーチング(”Singing Sepia” by Tania Leon) 12  コーチング(”Boulez is Alive” by Judd Greenstein) 1   図書館で調べ物 1;30 練習 3;30 シューベルトのソナタハ短調、コーチング by Ken Griffith 5   寮に戻り、皆で楽しく夕食、食後のお散歩、 7;30 リハーサル(ムソルグスキー歌曲) ”To listen is to expect to hear things(「聴く」と言うのは音を期待して待つ、と言うこと)" これはまだ10代の後半の時、カナダの夏の音楽祭で出会った先生に言われたことで、 今でも何かにつけて、思い出し、感じ入る言葉だ。 今日は朝から中々忙しい日だったのだが、朝一番のウォーム・アップがすごく集中・没頭してできた。 そういうときは、上の様な、過去や最近のいろいろな教訓が、実感として思い出せる。 今日は上の言葉を思い出しながら、 演奏家がいかに聴衆の「音に対する期待」をまず創り上げるか、 そしてその期待に応えたり、あるいはわざと裏切ったり、 そういう操作をすることでコミュニケーションとしての音楽を確立するか、と言うこと、 そしてその大半がリズムのコントロールによって成される、と言うことがお腹の底で一瞬分かった。 この夏本当にまれな、快晴の日だった。 久し振りに汗ばむほど気温が上がり、夕飯のあとで仲良くなったピアニストたちとお散歩した。 雨続きや、本当に忙しかったせいで、キャンパスと寮の往復以外には この町の近所を探索もほとんどしていない皆だったけど、 おしゃべりしたり、歌を歌ったり、笑い転げたりしながら、ぐんぐんお散歩した。 途中、大雨続きの結果、池の様な水たまりになった所の横を通ったら、蚊が大発生していて、 みんなで腕を振り回しながら走ってUターンして寮まで帰ってきた。 「タングルウッドは長すぎる、もうおうちに帰りたい」、とこの頃皆で挨拶の様に言い合っているが、 タングルウッドが終わってみんなと別れたらちょっとさびしいなあ、と思った。 ここに来るための荷造りをしている時、ちゃんと日数分のビタミン剤をビニール袋に入れて持ってきた。 毎日一錠ずつ飲んでいるけど、あたりまえだけど随分減った。 もうここに来てから40日を過ごしたんだなあ、あと二週間ちょっとだなあ、と実感する。

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